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『雪はずっと降っていた。』 作者: 線条痕
外は雪が降っていた。 白い氷の粒たちは音もなく積み重なりながら、世界を白く染める。
地面の雪が輝く夜陰の中、ただにアリスの足跡だけが続く。
その光景が美しすぎて決心が少しだけぐらついた。
最後の最後まで彼女を感じたくて、その足跡の上を歩き始める。
けれど僕の足はそれをぐしゃぐしゃに潰して足跡をつけてしまった。
そしてアリスは壁の前で立ち止まり、振り返る。
俯いているせいで表情は解らないけど、泣いていた。
声も出さず、泣いていた。
銃の撃鉄をそっと、起こす。
「ごめんなさい」
不意にそんな事をアリスは呟いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ……!」
狂ったように謝る彼女がとても痛々しい。
そんな姿を見るのが嫌で、早く総てを終えてしまいたくなって、切なくなって、哀しくな
る。
こつり、と銃口を彼女の頭に突き付けた時、アリスは一瞬だけ身を竦ませた。
僕は何も考えないよう、意識して引き金を引く。
魚が跳ねるように一度身を緊張させた後、ゆっくりとアリスは倒れた。
背後の壁には脳漿らしき赤黒いものが飛び散って張り付いて、壁を這いずるように落ち始める。
銃を自分に突き付けた時、銃口に付着していたアリスの血液が生暖かく僕のこめかみを濡らす。
撃鉄を起こした時にはそれがいつかアリスと繋いだ掌の体温ような気がして、
「ごめんね、アリス。 大好きだ。」
ためらいも未練も、恐怖も無く。
僕は死ねた。
読みにくいだろうけど、どうしてもしたかった。 すまない。
新参でごめんね。
線条痕
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/15 20:44:52
更新日時:
2010/12/16 05:49:14
分類
短編
アリス
反転
でもなかなかいい話でしたね。
心中ものは好きです
はて。普通に文章はありましたが
読みにくいですけど
状況はよくわからないけどきれいな文章だったと思う