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『A happy wedding...?』 作者: 線条痕

A happy wedding...?

作品集: 22 投稿日時: 2010/12/24 20:13:12 更新日時: 2010/12/25 05:32:37
1




「おじゃまします、ってうわ……。」
〇〇は思わず顔を顰めた、なぜなら玄関を上がってすぐの廊下から脱ぎ捨てられた衣類が散らばっていたからだ。
「一週間前に片づけたばっかりなんだけどなぁ。」
そんなつぶやきを漏らしながら、靴が散らばって居る玄関で靴を脱ぐ。 雑多に散らばる靴の中で一組だけが揃えられているのはある意味、異様に見える。
居間に入るドアの取っ手は動かなかった、どうやら中から鍵が掛けられているらしい。
〇〇はため息を一つ吐くと、ポケットから鍵を取り出してドアの鍵を開けた瞬間、〇〇の顔に投げられた分厚い魔法書が当たった。
どさり、とその本が彼の足元に落ちる。 そしてそれの黒い表紙に赤い雫が数滴落ちた。

「来るなッ! 来るな!来るなああぁぁぁっ! 」

その本を投げた犯人は何かに慄いている様子で身の回りの物を手当たり次第〇〇へと投擲していた。

「魔理沙。僕だ、僕だよっ!」

飛んでくるものを躱し、あるいは受け止めながら〇〇はそう叫んだ。 
魔理沙はそれに気が付いたのか物を投げるのを止め、まるで掌を返したかの様に慌てて彼に駆け寄った。

「あ、ああ、ぁ、ご、ごめんな、ごめんな〇〇」

どうしたらいいのかわからない様子でおろおろと魔理沙は手を振る、その手首には幾筋もの切り傷があった。
――――まだ、切っているのか。 〇〇はそう思いながら懐から手拭いを取り出し、鼻を押さえる。

「大丈夫、僕は大丈夫だから」

そして開いている方の手で、魔理沙を落ち着かせようそう言いながら彼女の頭を抱き寄せ、撫でた。

「ごめんな、ごめんなごめんなごめんな…………。」

にも拘らず、彼女は〇〇に謝り続けた。 その瞳は酷く虚ろでまるで光は無い、過去の彼女が持つ快活さの片鱗も感じられないほどだった。

「ごめ、ひくっ、んな。 だ、誰かがわ、わ私を殺しに来たのかとお、思って。」

いつの間にか魔理沙は泣き始めていた。 それを見た〇〇は手拭いを床に落とし、彼女の頭を両手で抱きながら撫でる。

「それっ……で、ち、近くにあったものを、な、な、投げたんだ」

「うん」

「ま、〇〇を傷つけようとお、思ったわけではないんだ! 信じてくれ!」

「うん、信じるよ」

流れ出てくる鼻血を啜りながら〇〇は魔理沙の話を聞いた、彼の着物は既に襟の部分から腰まで魔理沙の涙で濡れていた。



***



〇〇は魔理沙の部屋を片付けていた。 籠に入れた衣類を持ち上げようとしたとき、袂からころりとそれが姿を現した。
〇〇はそれを焦って拾い上げると振り返った、後ろのソファーでは魔理沙が静かに寝息を立てている。 彼は安堵すると籠を持ち上げて洗濯へ向かった。
僕は、狂っているのだろうか? 風に揺れ、日光を浴びる洗濯物を眺めながら〇〇はそう思った。
彼の袂には身を粉にして働いた金で買った指輪が入っていた。 魔理沙に告白しようと買った物だった。
里で彼女は既に狂人として扱われていた、そんな彼女との結婚は祝福されるどころか、僕まで狂ったと見做され、石を投げられかねない。
〇〇は何度も自らを問い詰めた。 それでも、魔理沙を思う気持ちは微塵も変わる事無く、時を重ねるごとにますます思いを深めていった。
「もう、このまま彼女に身も心も狂ってしまおうか?」何度もそう思った。 思っただけだった、が。

(もう、狂ってしまおう。そう、魔理沙の総てに)

この日はそう思った時は既に行動していた。 いつの間にか体が勝手に動き、魔理沙の部屋のドアを開けていた。
驚いて本から目を上げた魔理沙と視線が交わった。 こんな風に視線を交えたのは何年ぶりだろう。

「なあ、魔理沙…………」

いつの間にか、〇〇は語り出していた。



2


「な、なあ、〇〇」
「ん? どうかしたか?」
「き、今日は、わ、わた、私と〇〇の結婚式だよ、な?」
「うん、そうだな」
「じ、じゃあ、なんで」







「誰も、いないんだ……?」










「……………………………………。」





何も、言えなかった。
相変わらずのオリキャラ出現。 なんか厨くせえ気がする。
折角のクリスマスだし、幸せになる魔理沙を書きたかったけど……。

(あと死ぬほどどうでも良いが、俺はどうやら短編しか書けないらしい。)
線条痕
作品情報
作品集:
22
投稿日時:
2010/12/24 20:13:12
更新日時:
2010/12/25 05:32:37
分類
魔理沙
短編
オリキャラ
1. F ■2010/12/25 07:53:58
こういう短編でも嬉しいから、いくつかの短編集とかにして欲しいな
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