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『並行世界』 作者: ベルメイト

並行世界

作品集: 23 投稿日時: 2011/01/06 06:12:52 更新日時: 2011/01/06 15:12:52
「霊夢、知ってるかしら」
「何を?」
「この世界には沢山のパラレルワールドがある事を」
「ぱられるわーるど?何それ」
「並行世界の事よ 無限に近い数の世界がこの世には存在する
どの並行世界にも『ここ』とは小さい違いから大きい違いが必ずある」
「ふーん(紫お得意の胡散臭い話か・・・)」
「この幻想郷も外の世界からしたらパラレルワールドみたいなものだけど」
「興味無いわ」
「貴女が興味無くても私は話を続けるけど」
「・・・(め、めんどくせぇ)」
「そしてこの幻想郷にも様々なパラレルワールドがあるのよ」
「へぇ」
「・・・何で貴女にこの話をしているか解る?」
「知らない」
「ここ博霊神社がどのような所か言ってみて」
「幻想郷と外界の狭間みたいなものでしょ?」
「そう、ここは幻想と現実の狭間」
「・・・で?」
「貴女は幻想と現実の狭間の番人 そろそろ並行世界を知るべきね」
「?」
「では、パラレルワールドへ、レッツゴー!!」

ぶわぁ

紫はスキマを作りだした
そして霊夢を抱き上げて投げ込んだ
「ちょ!ちょ紫!?」
「・・・向こうの世界で会いましょう、霊夢」

ずぅん

スキマが閉じた

「さて・・・霊夢、頑張ってらっしゃい・・・」





「・・・はっ」

霊夢は博霊神社の境内で目が覚めた
悪戯妖精が住んでいる大木やボロボロのお賽銭箱、手水鉢に寂れた本殿
彼女の家でもあり、彼女の仕事場でもある博霊神社である

「あ、あれ?私紫のスキマに吸い込まれて・・・」

「・・・夢かぁ」
「夢じゃないわ」
「え・・・?」

霊夢の目の前に
もう一人の霊夢がいた
ただし、巫女服の形状は少し違う
髪の色も少し紫がかっている

「さて、貴女が最後よ さあ行きましょう1千番目の世界の私」
「え?1千番目・・・?」
「そう、みんな待ってるわ」

霊夢は、もう一人の霊夢(以後「紫霊夢」と呼ぶ)に連れられ博霊神社の本殿
―――――と見せかけてその裏にある地下への階段へ連れられた

「な・・・なにこれ・・・」
「なにこれって・・・『貴女』達よ?」

階段を下りた先には巨大な地下空間があった
閻魔の裁判所を思わせる荘厳な造りの大部屋
そして、巨大な円卓とそれを囲むようにある沢山の椅子

その椅子には人が座っていた

霊夢である

沢山の霊夢である

一人ひとり少し姿が違ったり、髪型が違ったりしているが
顔は全て同じ顔である

「・・・や、やっぱり夢」
「いや、だから夢じゃないって」
「じゃあ何でこんなに私が!!」
「紫の話聞いてた?」
「え?」
「まぁいいわ、えーっとそこの椅子が空いてるから座って」

いまいち状況の理解出来ていない霊夢を紫霊夢が椅子に案内する
その空間はとても広い、紅魔館や地霊殿とかの比ではなく広い
木製の円卓と椅子が裁判所を思わせる

「・・・どういうことなの」
霊夢は椅子に着いて呟いた

「・・・やっぱりこの娘も私にそっくりね」
「アンタばか?ここに居るのは全部同じ人物よ?理解しなさいよ霊夢」

霊夢が座った椅子の右隣、ポニーテールの霊夢とその隣のサイドテールの霊夢が霊夢を見て言った

ポ「理解しなさいよ霊夢って・・・貴女も霊夢じゃない」
サ「そんなの知ってるわよ ただ同じ顔がいっぱいあると『げしゅたると何とか』が起こるのよ」
ポ「何その言葉?紫の胡散臭い話?」
サ「いや、すべらない話」


「・・・同じ顔だらけ」
霊夢は呟いた
「そりゃそうよ!こ・こ・は私達が集う場所!」
霊夢の左隣のコートを着た霊夢が明るく言った
「貴女が1千人目の私ね!よろしく〜」
「・・・よ、よろしく」
霊夢はビックリしながら挨拶した
コートの霊夢は霊夢の様子を見てニコリと笑った
「ここはスキマの博霊神社!幻想郷であって幻想郷で無い場所よ!」
「そ、そうなの」
「そう、そして抽選が始まるわ!!」
「・・・何の抽選?お金?」
「いいえ、それはね・・・」




「幻想郷の管理者を決める抽選よ!!」




コート霊夢曰く
ここは何代も前の博霊神社の神主が作りだした世界で、博霊神社の代ごとの管理者達の抽選の為の世界である
そして、一つの代ごとに幻想郷の全ての並行世界から神社の管理者が集まってある抽選をするらしい
コート霊夢は他の並行世界の幻想郷の霊夢であり、自分以外の霊夢も全て並行世界の存在らしい
そして、並行世界の霊夢達もそれぞれの世界の紫にこの世界に呼び寄せられたそうだ

それぞれの幻想郷にはそれぞれの幻想郷のルールがある
だが、それ以上に優先すべきルールがある
それが全ての幻想郷消滅の防止である
それぞれの世界の管理者だけでは手が足りないのだ
全ての幻想郷の管理をするための存在が必要なのだ

そしてこの抽選で選ばれた者は
全ての幻想郷の管理、監視の命を受ける
全ての幻想郷を守る秩序となる為に

だから誰よりも平等である博霊神社の管理者
狭間の世界の番人がその命に適任なのだ

「げ・・・幻想郷の管理者?」
「そう!管理者よ!!」
「管理者って・・・紫じゃない?」
「違うわ!ゆかりんはあくまでその世界の幻想郷の管理者!今から決めるのは全ての幻想郷の管理者よ!!」
「ゆ・・・ゆかりん・・・」
「え?なんかおかしい事言った?」
「い、いや・・・」
コート霊夢の紫のあだ名に少し引いた
「とにかく、今から抽選会なのよ!!ワクワクするわ!!!!!」

「皆さん!お静かに!!」

円卓の中心の台に一人の霊夢が立った
さっきの紫霊夢である
「あ、さっきの」
「ああ、あの子は前の管理世界の霊夢よ」
コート霊夢が答えた
「多分前の管理者の娘ね、だから今回の抽選の仕切り役なのよ」
「ふーん」

「えー、皆さんお忙しい所お集まりいただきありがとうございます。・・・といっても仕事自体はは余り無いので忙しくないのですがね」

「ごもっとも」
霊夢はぼやいた

「では、さっそく抽選会を始めます。少しテーブルから顔を離してください」
その瞬間
紫霊夢が全ての席へ向けて弾幕を放った

御札の様なそれはすべての席へ向かって飛んで行き、円卓の上で止まった

「それはクジです。皆さんまだ開かないでくださいね」

霊夢は目の前に飛んできたクジを眺めた

「さて、一番目の世界の霊夢さんからクジを開いてください。あ、六百二番目の世界は私なので最後に開きます」

ちょうど霊夢の反対側の席のマフラーをした霊夢がクジを開いた
「・・・」
霊夢はそれをぼーっと眺めていた

マフラー霊夢は無言でクジを開き、


そして青ざめた

「そ・・・そんな・・・『ハズレ』・・・」

「ハイ!一番目さん消滅!」

マフラー霊夢が光に包まれて消えた

「・・・え?」
「あーらら」
霊夢は目を疑った
コート霊夢は霊夢に教えた
「あら、貴女は親から聞いてないのね、じゃあ教えてあげる」
コート霊夢は言った
「クジに外れた者はこの世から完全に抹消されるのよ」

「・・・!!」
霊夢は消滅したマフラー霊夢以上に青ざめた
「な!何で!!」
「いらないって決定したから」
「そ、そんな!」
「あ、二番目が開く番よ」

空席になった一番目の席の隣、髪を短く切りそろえた霊夢がクジを開いた
「・・・!い・・・いや・・・消えたくない・・・いやぁああああ!!!」
短髪霊夢が絶叫した
「ハイ!二番さんハズレ、消滅」
短髪霊夢が光に包まれて消滅した

(・・・に、逃げなきゃ、消される!)
霊夢は椅子から腰を上げようとした
だが椅子から尻が動かない
(結界!?しかも強力な奴だ!!)
椅子には術が掛けられており、結界の効果で椅子から動けない

「あらあら、逃げちゃだめよ?抽選が終わるまでね」
コート霊夢が楽しそうに言った

三番目の帽子をかぶった霊夢がクジを開いた
「・・・やっぱりね」
三番目が消えた

四番目が開いた
四番目が消えた

七三番目が開いた
七三番目が絶叫しながら消えた

百五十二番目が開いた
百五十二番目が泣きながら消えた

二八一番目が開いた
二八一番目が狂ったように笑って消えた

六二四番目が開いた
六二四番目が椅子を壊そうとして消えた

七二六番目が開いた
七二六番目が諦めたように微笑んで消えた

八百十番目が開いた
八百十番目が無言で消えた

九百四番目が開いた
九百四番目が魔理沙の名を叫びながら消えた







一千番目の霊夢がガタガタ震えながら目の前のクジを開いた
「・・・・・・・・・・・・・・え?」




『当たり』




「やった、やった、やったぁ、やったぁあああ!!!!」
霊夢はこれまでに無い位喜んだ

円卓の周りの席は霊夢とコート霊夢しかいない

中心に居る紫霊夢が言った
「・・・当たりね、じゃあまかせたわ」
紫霊夢が消えた

「生きてる!消えてない!!やった!!やった!!!」
「おめでとう」
喜ぶ霊夢の隣のコートの霊夢が言った

「・・・あれ、何であんた消えないの?別世界の私じゃ・・・」
「騙して悪いな、私はこの抽選の監視係だ」

コートの霊夢は姿を変え、一人の烏帽子の男に姿を変えた
「え・・・あ、あんた」
「久しぶりだな、まさかお前だとは」
「シンギョク・・・」

烏帽子の男は話を続ける
「空を飛べない巫女だったお前になるとはな、久しぶりだ」
「何でアンタが!?」
「私がこのシステムを考えたからな、つくづく運だけは強いなお前」
「何でこんな事・・・」
「沢山の幻想郷を束ねる存在をスムーズに決める為には、クジが一番なんだよ」
「消えた奴らは!?」
「ああ、それぞれの世界の冥界へ送られるよ」
「・・・」
「さて、忙しくなるぞ霊夢。これからはこの世界の管理者だからな」
「・・・え?」

「この狭間の世界の神社で暮らしてもらう。元の世界には戻れないがな」
「・・・そんな」
「大丈夫だ、夫なら用意してやる。好みを言ってみろ」
「元の世界へ帰してよ!」
「駄目だ、管理者は管理者の為の世界に留まらなければならない」
「でも元の世界の神社が!」
「ああ、私の能力でさっきの紫髪の霊夢を送った。『お前』としてあの世界で今まで通り暮らし続けるさ」
「え・・・」




「今ここに居るお前はあの世界には必要無い。代わりのお前が頑張ってくれるさ」
・・・初投稿なのでgdgd 特に最後
乱文スマソ

幻想郷は一つじゃないって言葉を聞いて思いついたネタです

シンギョクのネタが解る人ははたして何人いるだろうか・・・
ベルメイト
作品情報
作品集:
23
投稿日時:
2011/01/06 06:12:52
更新日時:
2011/01/06 15:12:52
分類
霊夢
グロ無し
パラレルワールド
旧作キャラあり
俺設定
1. 紅のカリスマ ■2011/01/06 17:57:19
こういうパラレルワールド関連の話は大好物ですね。
何時か書いてみたいものです。
2. NutsIn先任曹長 ■2011/01/07 00:40:49
無数に枝分かれした東方ワールドを集約する必要性が生じ、
セカイの守護者にして代理人のSinGyokuが厳格に、平等に、冷酷に、
一人の霊夢を管理者に選んだ…と同時に、霊夢を一人にした、と。
この唯一の霊夢は『当たり』を引いた者、つまり新・管理者ではなく、元・管理者(前回の『当たり』巫女の娘)がなるのか。

すいません、旧作はやったことが無いので、『門番』を検索して私なりの独自解釈したら上記のようになりました。
パラレルワールドだから平行して話が進むと思いきや、まさか交わり一つになって、『調整』後にまた並行に戻るとは…。
これで霊夢が存在するセカイは、管理者世界と管理者に代わって元・管理者が着任した幻想郷の二つだけ、
だけど『霊夢』と認識されるのは管理者ではないのか…。
素敵な着眼点で面白い話でした。
3. 名無し ■2011/01/08 14:25:56
なんというか、考えるほどに恐ろしい話だな。
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