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『明日無き無法者 後編』 作者: 十三

明日無き無法者 後編

作品集: 23 投稿日時: 2011/01/30 15:35:14 更新日時: 2011/02/10 23:37:15
 6 
 
  大きな机には昨日よりも豪華な料理が並び、強盗団のメンバー達は既に席に付いていた。
 アリスが席に付くと咲夜がレミリアを呼び、宴が始まった。ルーミアとミスティアは豪快に料理を口に運び、ヤマメと椛
 そしてアリスは上品にそれを口に運んだ。レミリアはそんな彼らを嬉しそうに見つめている。
 「レミリア、なにか重要な話があるようね。」
  アリスが食事をしながらレミリアに問うた。レミリアは微笑みながら話しを始めた。
 「ちょっとした仕事をお願いしたいのよ。それをやってくれれば、今日の武器についてはタダにしてあげるわ。」
 「なるほど。堂々とできない仕事か・・・。」
 「そう言う事よ。」
 「詳しく知りたいねぇ。」アリスの隣に座ったヤマメが呟いた。
 
 「霧の湖の向こう側に駅があるのは知ってるわよね。その近くにはアパートが出来て、人里で仕事をする者達のベット
 タウンになっているわ。それについて我々は何も言わないし、気にする事は無いと思っていたわ。しかし、
 状況が変わった。先日、鉄道会社と町の奴らが来てこう言ったわ。―お宅の家の直ぐ側に線路を敷きたいんだってね。
 そしてそのための土地を買いたいと。・・・・奴ら、私に紅魔館の敷地の一角を売り払う言うに要求してきたのよ・・・・
 随分と私も舐められたものだわ。・・・・・私はそんな要求を呑む気はさらさら無い。それに、どうもこの話には公共的な
 意味の他に個人的な企みも潜んでいる様なの。おそらく、その線路でなにか特別なものを運ぶ気なのよ・・・。」
 「なるほど。紅魔館の主として黙って見ている事はできないと。」
 「ええ。でも私達が表立って奴らに反抗する事は、この世界と完全に袂を分かつ事になるわ。だからよ・・・貴方達の力が
  必要になる・・・。」

 「奴らにヤキを入れろって言うのね。」
 「正解よ。食事を続けて。」
  アリスはコップに入った水を飲み、柔らかい白パンを頬張った。ルーミアとミスティアは決定は全てアリス達に
 一任する方向で食事を続け、妖精メイドが彼等の食べ終わった食器をせっせと運んでいった。
 「鉄道の工事は既に始まっているの。貴方達にはその工事現場を襲って欲しい。上手くやれば金も出すわ。」
  アリスは、マカロニサラダのマカロニを舌で転がしながらそれについて考えた。そして、
 「いいわ。その仕事、やってあげるわ。」
 「フフフ。さぁもっと沢山食べて。ワインもあるわよ。」
  咲夜がワインのコルクを抜き、血の様なワインが強盗団達に振舞われた。この味にはヤマメも大喜びして頬を赤く
 染めていた。部屋の一角でレコードが回り始め、針を落とすと同時にゆっくりとしたジャズの音色が音を立てた。
 「その工事現場の詳しい情報が知りたいわ。それと、仕事に必要な武器なども貰っていくわよ。」
 「結構。部下を現場に向かわせるわ。それまでここに泊まっていきなさい。久しぶりにフカフカのベットで
 寝られるわよ。」
 「お言葉に甘えるわ。」
  
  少しずつ皿の数が減っていき、綺麗になったテーブルの上には熱いコーヒーが置かれた。暫くするとレミリアは、
 昼寝の時間だと言って寝室に向かった。吸血鬼にとって、正午は最高に眠い時間帯なのだ。
 「アリスさん。上手くいくと思います?」椛が小さくアリスに言った。
 「・・・・さぁね。でも古い友人の頼みよ。聞いてあげないとね。」
  五人は紅魔館の美味しいコーヒーを味わい、昼食を終えた。その頃になると咲夜がティーカップを回収しに来た。
 「お嬢様が皆さんに個室を準備されました。案内いたします。」
  咲夜は五人をそれぞれの個室に案内し、再び仕事に戻った。
 個室の中に入った五人は驚愕した。細部に至るまで徹底的に磨き上げられ、塵一つ落ちていない完璧な部屋だったからだ。
 大きな鏡に巨大なベット。高そうな絵画にロマンチックな照明器具。どれを取っても超一級のホテルのような部屋に、
 数日前まで野宿で過した彼らは心から喜びを感じた。全員がベットの上に大の字に寝転がった頃、丁度時計の針が
 午後二時を指していた。 
   
  ルーミアとミスティアは散歩をしに紅魔館の庭に出た。太陽はサンサンと二人を照らし、夏の熱気が庭全体から
 湧き上がっているようだった。緑に茂った芝生を進み、涼しそうな林の中へと入った。
 紅魔館の領土は、昔と比べてとても広くなっていた。生い茂る木々と花達が放つ甘い香り。昔あった幻想郷の自然の
 姿が全てこの庭にある様だった。そしてそれらがここに有るのは、レミリアがその力で沢山の土地を手に入れたからだ。
 「やっぱり日陰は涼しいね、みすちー。」
 「そうね。」
  二人は蝉の鳴く道をぼんやり歩いた。まるで昔にタイムスリップしたかのようだった。白や黄色の蝶が空を舞い、
 木の表面を昆虫達が練り歩き、自然と言う一つの社会を形成する。何もかもが、美しく、理に適った世界。
 暫く二人が歩くと、何人かの話し声が聞こえてきた。声は幼い子供のようだった。茂みを飛び越えて、日の当たる広場に
 出ると、そこには小さな池が有った。そして空には、はしゃぎ回る妖精達。二人は、久しぶりに外で遊ぶ妖精を見たの
 だった。
 「あの寒い妖精。今頃何してるかな。」ルーミアが独り言のように呟いた。
 「さぁね。そこら辺に居るんじゃない?」
  ミスティアがそう言った後、二人は同じように辺りを見回しが、チルノの姿は無かった。
 「居ないじゃん。」
 「・・・そうね。」二人は来た道を戻り始めた。昔別れたっきりの友達がひょっとして居るかも知れないと言う、儚い希望
 は叶えられなかったが二人は十分満足していた。 
 急に目の前を通った蝉が二人を驚かせた。

  椛は紅魔館の食事をした部屋でのんびりとレコードを聴いていた。椛が山に居た頃にはこんな素晴らしい物は無く、
 しかも今、回っているレコードは外から流れ着いたものらしく幻想郷ではあまり耳にしない音色が流れていた。
 椅子の背もたれに体重を掛け、明るい空を見た。ここに座っているだけで今までの疲れがすべて吹っ飛んでしまいそう
 だった。その時ふと背後に気配を感じ、振り返ると見覚えの無い少女が佇んでいた。白いナイトキャップに金髪の髪。
 そして美しく輝く翼。「あなたは誰?」椛が聞くと、彼女はそっと口を開いた。
 「私はフランドール。レミリア・スカーレットの妹よ。」
 「妹さん?・・・ご挨拶が遅れました。天狗の椛と言います。」椛は椅子から立ち上がり、フランドールに丁寧に挨拶した。
 「咲夜にあなた達が居るって聞いて来たの。ねぇ、今までの事私に話してよ。」
  椛はフランドールがそう望むのならと、今までの出来事を一つづつ話し始めた。
 その途中、強盗団に入った時から今日まで本当に色々な事があったと思い出し、話をしながら懐かしい気分に浸った。
 フランドールは椛の話を楽しそうに聞いる。
 「へぇー。いいなぁ・・・私もそんな風に悪い事してみたいなー。」
 フランドールはそんな事を言いながら、にこやかに笑った。
 「悪い事か・・・確かに・・・。」椛は悪い事と言う言葉について深く考えた。しかし答えは出さなかった。いまさらそんな
 事を考えても何も変わらないことは椛自身が一番良く知っていた。
 「ねぇー私も行きたいよ。お姉さまに内緒で連れて行って。」
 「駄目よ・・・あなたはこんな事しちゃ。」
 「ここの生活はつまらないんだもん。」
 「じきに、ここの方が良くなるわよ・・・。」
  フランドールは不思議そうに椛を見た。話しに聞いていた強盗団のイメージと彼らは大分違ったからだ。フランドール
 は椛に「じゃあね。」と言ってから部屋に戻った。椛はそれを見送って静に目を閉じた。  

  少しづつ日が暮れ始め、空は次第に赤く染まっていった。カラスがその中を悠々と飛び、昼の終わりを告げているよう
 だった。まもなく長い夜がやって来るだろう。魔物達の時間だ。しかし、空高く舞い上り、遠くで光り輝く町を見れば
 直ぐにその言葉が間違いだという事に気づくだろう。紅魔館はヒッソリと夜を迎えた。
  五人は夕食の席に集まる。厨房から漏れ出る良い匂いに、昼食で一杯になった筈の腹が再び空腹の叫びを上げた。
 「あーお腹空いた。」
 「あんたはさぁ・・・まぁいいや。」ミスティアは空腹状態のルーミアを横実で見なが溜息を付いた。やがて料理が運ばれ
 始め、大きな皿に乗ったご馳走が五人に振舞われた。食事が終わった頃、遅れてやってきたレミリアは、咲夜が入れた
 お茶を一杯飲んだ後、五人と話を始めた。
 「工事現場について詳しく分かったわ。」
 「教えてもらえるかしら。」アリスが言う。
  レミリアが指を鳴らすと、数人の妖精メイドがやってきて、机の上に白い紙を広げた。紙には簡単な地図が書かれて
 おり、五人のメンバーはそれを覗き込んだ。
 「町から数キロの地点まで線路は完成しているわ。工事は昼間行われて、夜7時には終了する。その場で夕食を食べた後、
 鉄道の労働者達は完成した線路の上にある列車の中で休息を取るようよ。」
 「なら夜襲だね。労働者の中には妖怪も居るのかい?」ヤマメがそう聞いた。
 「おそらくね。でも武装はしていないわ。警備員が何人か居るようだけど、安月給の老いぼればかりよ。なにも問題は
  無いわ。」
 「よしダイナマイトを使おう。線路の真横に仕掛けて、一斉に爆発させる。導火線で時間を調節して、火が上がる頃に
 は私達は遥か彼方まで逃げてる。」
  作戦参謀ヤマメが地図を取り囲む者達にそう言った。
 「なら爆弾を準備してもらわないとね。」
 「任せて。いくらでもあるわ。」
 「よし。では決行は今日の深夜。それまで全員良く休んでおくのよ。」
  食後の会議が終了し、集まっていた者達は散りじりになった。部屋に一人残ったレミリアにアリスが声を掛けた。  

 「どうしたの?調子が悪いんじゃない?」
 「そう見える?これでも毎日苦労しているのよ。」レミリアが小さく溜息をつく。
 「私だってそうよ。その内、白髪が生えるわ。」
  レミリアは鼻で笑う。
 「なかなか面白いわ。」
  二人は無言のまま、大きな窓から風に揺れる木々を見た。空には月が上がり、二人を見つめている。
 「レミリア・・・貴方は立派よ・・・・。」
 「なんのつもり?突然そんな事言って・・・・。」
 「いいえ・・・。・・・・ふふふ。」
 「どうしたのよ?」
 「突然可笑しくなってねっ。」
 「頭がおかしくなっちゃったのかしら?」
 「まぁそんなところよ。」
  意味の無い会話が数分続き、二人は別れた。アリスは紅魔館の超豪華な大浴場に向かうため、一旦部屋に戻った。
 
  バスタオルで体を包んだアリスは浴室の扉を開けて再び度肝を抜かれた。あの個室が有るなら、これくらいの浴場
 大したことは無いのかもしれないが・・・。アリスは昨晩泊まった集落のシャワー室を思い出しかけて、そっとそれを記憶
 のロッカーの中にしまい込んで鍵を掛けた。とりあえず今は目の前にある最高の贅沢を楽しもうと思ったからだ。
  汗を流し、お湯を被った後、広い浴槽にそっと体を沈めた。
 「あー。」間抜けな言葉が勝手に口から出た。大きな虎の像が口からお湯を吐き出しているのを見ながら、暫く至福の時
 を過した。ガタンと浴室の扉が開かれる音。アリスは目を瞑ったまま湯に口まで浸かっていた。暫くするともう一人の誰
 かが浴槽の中に入り、小さな波を立てた。

 「良い湯だな。」
 「・・・え。」
  アリスにとってそれは聞き覚えのある声であったが、それが余計に彼女の心を揺さぶった。何故ならその声の主は・・・
 「ようアリス。」
 「なんでアンタがここに居るのよ!!」霧雨魔理沙だった。アリスが立てた大きな波が魔理沙の方へ押し寄せた。
 「知りたいかい?ミスティアだよ。彼女の足に私しか探知できない魔法の発信機をくっつけたのさ。それであの、惨状
  からなんとかここまで辿り付けたと言う訳さ。どうだ思い知ったか。」
 「思い知ったわ。それで、どうしてアンタがここに入れてもらえたのよ。」
 「別に、たまに遊びに来るんだ。」
 「・・・・そうなの・・・・。」
  二人は暫く湯に浸かり、ぼんやりと水面を見ていた。付き合って間もないカップルの様にだんまりを決め込んでいた
 のだ。
 「私はな・・・・。」湯が流れる音に魔理沙の声が混じる。
 「・・・・。」
 「本当は、お前にもうこんな事は止めろって言いたかったんだ。それでずっとお前達を追っていた。お前はさ、種族は
  違うけどさ・・・仲間じゃないか・・・同じ魔法使い。お前は私が死んだ後も長く生きるだろうし、それまで良き友として
  ・・・生きていけたらなって・・・。」
 「・・・・。」
 「ははっ・・・私は・・・お前の事すごい信頼してたんだ。困った時よく助けてくれたし、霊夢には言えない悩みも聞いてく
  れた。そうさ、親と袂を分かち合った私にとってアリスは・・・本当に特別な存在だった。だからだよ。お前が突然居な
  くなって・・・家はもぬけの殻。町にはお前の賞金が書かれた紙が張り出されて・・・。お前はいつの間にか私以上の大悪党
  になってたのさ。ショックだった。本当に・・・。」

  魔理沙は口を湯に沈め、ブクブクと泡を吹き始めた。
 「何とかしてお前を止めないといけないって思った。だから今まで必死にやってきた。」
  アリスは何も言わず黙って俯いていた。その内魔理沙も口を閉じ、静に湯に浸かり、体を温めた。
 「魔理沙、あなたは感じない?この世界が少しづつ広くなっているのを。」
 「・・・あぁ少しづつだけどな。余計汽車の需要が増す。」
 「・・・外の世界で今何が起きているのかしら。今まで無かった技術と思想が幻想入りし、今度は地面が幻想入りし
  てきた。」
 「妙な話だな。」 
 「全くよ。それに人間の数自体が倍増している。今や何処に言ったって彼らに会うわ。」
 「医療技術が進歩したからじゃないか?」
 「わからない。でもこのままそれが続けば、この世界はもっと大きくなる。そしていつか、外界と幻想郷の関係が
  一転するのではないかしら・・・。思想の中の幻想の世界が現実よりも大きく膨れ上がる。だけどもしも外界の人間が
  一人残らず居なくなってしまったら?」
 「私達も消えるか。」
 
 「・・・早かったわ。瞬きする事に新しい技術が生み出され、生活はどんどん良くなっていく。でもそれに反比例して元
  あった幻想郷と言う世界が姿を消していった。それはしかたの無い事。何かを犠牲にしなければ、新しい物を手に入
  れることはできないもの。・・・正しい方向に進んでいるのよ。間違っているのは私達。時代の流れに逆らって、頑固に
  生きてるただの不器用な妖怪よ。」
 
 「昔の幻想郷か・・・・。」
 「私はあの頃の幻想郷を愛していたわ。貴方が居て、霊夢が居て、紅魔館があって、妖怪の山があって・・・美しい弾幕が
  空一面を埋めて・・・・今思い返せば夢のような生活だったわ。何も心配する事は無い。生きたいように生きる・・・・。
  ある意味、魔界より私に合った世界だった。幻想郷の発展には大賛成よ。でも・・・そこに私の居場所は無いなって
  ・・・思ったのよ。」
 「そうか?私はそうは思わないけど。」
 「もしかしたら、今ごろ何処かの豪邸で優雅に生活していたかもしれないわ。過去を全て捨てて。・・・人間ってのは本当
  に器用な生き物よ。新しい環境にすぐ馴染み、適応する。妖怪よりも断然強いわ。」
 「なんだか惜しいよ・・・アリス。」
 「ルーミアとミスティアのコンビに合流して、初めてこの世界と対決した時・・・・あの興奮は何だったのかしら?
  おかしな話だけどね、生きてるって感じたわ。妖怪って言うのはこんな生き物なんだって本当の意味で知ったのも
  その頃よ。そして、いつの間にか私が次の襲撃の案を考えて、二人は私を信頼するようになったわ。そして仲間
  も増えた。昔の様に紅茶を飲みながら優雅なティータイムって生活じゃないけど、私はそれを満喫していたわ。
  仲間達と同じ酒を呑んで、同じ事に共感して笑いあう。夜は宴会。今じゃ宴会なんて仕事が忙しいからやってられ
  ないでしょ・・・。」
 「まぁな。それを思うと昔は良かったよ。」
 
 「まぁ・・・でもやっぱり一人になるのが寂しかったのかな・・・・。他人の事なんて知ったこっちゃ無いと思っていたけど、
  そうでもないわ。この世は繋がりよ。そこから社会が生まれ、生活が生まれる。今の幻想郷を見ていればそれが良く
  分かる。
  もう少し時間が経てば、もっと明確にそれが見えてくるはず。その頃には私達は居ないけどね。」
 「居ないってのはどう言う事だ。」
 「そこからはあんた達の世界って事よ。」
  そう言ったアリスは、立ち上がり、手すりに掛けてあるバスタオルに包まった。
 「のぼせるわよ。」
 「大丈夫だ。」
  アリスは、一人浴室から出た。誰も居ない脱衣所で体を拭き、バスローブを羽織った。
 魔理沙は白い湯気の中、やるせない気持ちに浸った。暫くして手の平がふやけて痛くなったので、風呂から上がる
 事にした。
 
 7

 「アリス、ダイナマイトが手に入ったよ。強力なやつだから気をつけないと。」
  ヤマメが紅魔館の武器庫から幾つかのダイナマイトを仕入れてきていた。アリスが部屋に戻ると、ベットは綺麗に
 整備してあり、動作チェックを終えた拳銃が弾丸と一緒に置いてあった。時計の針は午後九字を指している。
 服を着替え、足にガンベルトを巻く。髪をセットし、靴紐を縛り直す。服は咲夜に綺麗に洗濯して貰い、とてもいい
 匂いがしていた。決行は深夜一時。全ては一時間以内に終わる・・・。

  ドアが鳴った。 
 アリスがドアにチェーンロックをしてノブを回すと、そこにはバスローブ姿の魔理沙が立っていた。
 「なぁ入れてくれよ。一緒に酒でも呑もうぜ。」
  アリスがドアを閉めると、魔理沙の悲鳴が聞こえた。
 「ぎゃー!腕を挟むな!開けろ!!」
  見ると、ドアに魔理沙の腕が挟まっていた。アリスは呆れたようにドアを緩め、魔理沙を部屋の中へと招き入れた。  
 「まったく、抜け目ない奴ね。」
 「ありがとう。さぁさぁ、呑もうぜ。」
 「今夜は呑まないわ。」
 「何でだよ!?」
  魔理沙を無視してアリスはベットの上に腰掛けた。
 「今日はここでゆっくり眠るの。だから、やりたいんなら別の誰かとやって。」
 「むぅ・・・じゃあ一人で呑むよ。」
  そう言った魔理沙が部屋に準備されていたワインの栓を抜き、グラスにそれを注ぎ始めたが、それを気にせずアリスは
 黙って横になった。

  うつ伏せに静に目を瞑るアリスの隣に酒を持った魔理沙が座った。小さな電球が二人を照らし、壁にゆらゆらと揺れる
  影が映していた。赤いワインがグラスの中で波を立て、やがて魔理沙の喉に流れ込んでいく。半分くらい飲み干したと
 ころで近くにあった机にそれを置き、アリスを見た。
 「疲れてるのか・・・。」
  アリスは何も言わず、コクリと頷いた。
 「館内がちょっと騒がしいけど、お前らまた何かやる気か?」
 「私達が居るから騒いでるんじゃない?」
 「そうか・・・。」
  魔理沙がアリスの肩に手を掛け、肩揉みを始めた。
 「こってるな。」
  魔理沙の腕の力が除々に強くなっていく。背中を指で強く押し込み、腰の上で手の平を揺らす。
 「どうだ?」
 「上手いね・・・・。」
 「ならもっとしてやるよ。」
 「あっ・・ああっ、ちょっと・・・・ううっ・・・。」
  いつの間にかアリスは顔の前で腕を組んでいた。
 「ここがいいのか?」
 「ア・・・待って・・・魔理沙・・・。」
 「嫌だ。」
  
  時計の針は未だ九時。夜はまだ始まったばかりである。

 
 

 
  ドアをノックする音が聞こえる。アリスは暗い部屋の中で眼を開けそれを待っていた。彼女の隣では魔理沙が小さな
 寝息を立てている。そっとベットを抜け出し、部屋を出た。
 「よく眠れたかい?」
 「ええ。みんな、調子はどう?」
 「絶好調さ。」
  日付が変わり暫くした頃、五人は紅魔館を飛び立った。真っ暗な森を飛び越え、長い平原を進んだ。
 細い木々が生い茂り、ゴツゴツした硬い岩が点在する。そんな中に鉄道の工事現場があった。線路は硬い岩によって
 阻まれ、彼方此方に砕かれた岩が散乱していた。完成した線路の周りに木は少なく、巨大な大岩が幾つか無造作に横た
 わっているだけだった。 五人は音を立てぬように、細い木々の林を抜け、線路の近くまでやって来た。
  外に出ている者は無い。途切れた線路の直ぐ後ろにレールや部品を積んだ貨車が一両。そのあとに宿舎として利用
 されている客車二両と機関車が続いていた。
 
 「左右に分かれて行くわよ。椛とミスティアは警戒を怠らないで。この暗闇では貴方達の目が頼りよ。」
  五人は闇の中行動を開始し、線路のすぐ側にダイナマイトを仕掛けて導火線を伸ばしていく。線路右側をルーミア、椛
 が、左側をアリス、ヤマメ、ミスティアが担当した。作業は順調に進み、貨車のほぼ真下に幾つかのダイナマイトが仕
 掛けられた。二組は、線路と貨車との間から見える仲間を確認しながら、歩調を合わせて行動し、仕掛ける位置を間違わ
 ぬように先に進み続けた。
  客車から音は聞こえない。中に居る者達は皆眠っているようだった。細心の注意を払いながら五人は足を進めた。
 小さな岩に躓かないよう抜き足差し足で歩く中、不意に客車から何かの物音がした。左右に居る全員が、足を止めて
 客車の下に身を伏せた。夜中と言えど季節は真夏・・・五人に嫌な汗が流れた。
  暫く様子を見て異常は無いと判断し、導火線が絡まらないように再び作業を開始する。残るダイナマイトの数は残
 り僅かで、ゴールは目と鼻の先だった。風が吹き抜ける音以外は何も聞こえない。五人は、緊張しながら最後のダイナ
 マイトを仕掛け終わった。それと同時に導火線を確認しながら来た道を戻り始める五人。
  それは二両目の客車まで戻った来た時のことだった。
 ルーミアと椛は何処からか人の話し声のようなものを聞き取ったのだ。顔を見合わせた二人が銃を抜き、辺りを
 警戒する。逆側に居るアリス達にその音は聞こえなかったようで、彼女らは合流地点を目指して歩き続けていた。
  ルーミア達の側には、工事に使われると思われる器具や小さなテント、馬を繋いでおく木製の手すりがあった。
 その奥は入り組んだ岩場になっており、空に飛び上がらなければその全貌を把握する事は出来ない。
 二人は大きな岩を背にして音を立てないように歩いた。その途中、砂を蹴るような小さな音がし、二人は意を決して
 岩の角から飛び出した。
 
  二人の銃を持った男がいた。お互いの顔を確認してから0.数秒、一斉に銃が抜かれ、突きつけあった。
 
 「捨てろ!!銃を捨てろ!!」「そっちが捨てろ!」
 「撃つぞ!何してる!銃を下ろせ!」「貴様が下ろせ!!」
  鳴り響く銃声。先に撃ったのはルーミア、構えた二丁のトカレフが火を噴き、目の前の男を蜂の巣にした。
 それと同時に左手で小銃を構えた椛が右手でボルトを操作し、連続で発射された弾丸が相手を貫き、後方に吹き飛ばした。
 「こいつら・・・賞金稼ぎか!?」
 「まさか・・・。」
  
  客車に明かりが灯り、中から銃を持った男達が飛び出した。
 「あれは兵隊だ!くそっ罠に掛けられた!」ルーミアは叫ぶと同時に銃の引き金を引き、その男達に弾丸を浴びせた。
  突然の銃声にアリス達が走り出す。
 「導火線に火を放つわ!」
 「なにっちょと待て!無茶だ!」ヤマメがそう叫ぶと、アリスの指先に小さな炎の弾が現れた。短い詠唱の後、火の弾は
 導火線に燃え移った。
 「うわっ走れーー!!」
  客車からは続々と鉄道が雇った兵隊達が外に飛び出し、岩場の影に隠れるルーミア達と銃撃戦を繰り広げていた。
 銃声と硝煙が辺り包み、砕けた岩が飛び散った。その中をアリス達の導火線が進み続け、ついに一つ目のダイナマイ
 トが火を上げた。とてつもない爆音と粉塵。レールを積んだ貨車が傾き、乗っていた木材が飛び上がる。
 続けて二つ目が爆発する。脱線した貨車が積荷を一斉に振り落とし、近くのテントを破壊した。
 「アリスがダイナマイトを爆発させたのか!」
 「このスキに何とか逃げるんだ!」
  爆風に揺られながら二人はよろめく兵隊達に向け発砲し、飛んでくる破片を避けながらアリス達の下へと向かおう
 とした。そして三度目の爆発。客車の一部が粉々に破壊され、乗車していた者達が一斉に外に投げ出さる。
 だがそれが叶わなかった者は車内で押しつぶされ、悲痛な最後を遂げた。さらに大きな爆発が立て続けに発生し、
 連結の外れた一車両が真横にひっくり返ると同時に、ルーミア達の仕掛けたダイナマイトも爆発を起こした。
 爆音と共に、外に出ていた兵士達が吹き飛び、血と泥が辺りに飛び散った。 
  ルーミアと椛はその場に伏せ、爆発が終わるのを待った。アリス達も岩陰に入り、爆風を避けた。
 客車が大きな炎と黒い煙を上げ、工事現場は文字通り粉々に粉砕された。だがこれで全てが終わったわけではなかった。
 響く馬達の鳴き声。待機していた賞金稼ぎ達が一斉に行動を開始したのだ。賞金稼ぎはアリス達を取り囲むように
 陣を取っていた。そのため、アリス達は、燃え盛る列車を背に戦わなければならなかった。
  アリス達の方には数十人の賞金稼ぎが押し寄せ、三人は素早く交戦を開始した。馬から放たれた銃弾が飛び交う中、
 ミスティアが単騎で敵に突入する。俊敏な動きで敵を翻弄し、早速一人の男の首元を切り裂いた。鉄の爪の切れ味は
 抜群だった。だが、そのミスティアに向けて何発もの弾丸が飛ぶと、彼女は身を翻し、急いで岩場に隠れた。
 「くそっ・・・数が多い。」
  ヤマメが頭を下げながら、必死にミスティアの方へ走っていく。そこを撃とうとした男がアリスの撃った弾丸に
 撃ち抜かれた。「ミスティア!気を付けろ。孤立するとやられるぞ!」兆弾した弾がヤマメの髪を霞め、二人は声を
 上げながら岩に隠れた。数頭の馬が迫る。それを見たアリスが岩の上に立ち、詠唱を開始する。その最中、隠れるヤ
 マメ達にそこをどけのサイン。一目散に逃げる二人を見ながら、アリスの攻撃魔法が炸裂する。周りの砂が巻き上げ
 られ、鋭い塊となって前方の賞金稼ぎ達の体をズタズタに引き裂き、飛び交う弾丸を壁になって防いだ。
 「二人とも銃を拾って応戦して!詠唱魔法じゃ手に負えないわ!」そう叫ぶアリス、振り向き様に拳銃の引き金を引き、
 先ほど魔法で攻撃した賞金稼ぎを撃ち殺した。銃をアリスに向けていた彼は首から血を吹き、擦れる声で悲鳴を上げ
 て絶命した。
 
  ルーミアと椛は弾を装填し、迫る敵に備えた。岩場から数人の人影が現れたのを確認した椛が銃を構えて撃った。
 ルーミアは、銃を振り回しながら岩場に上がり、目に付く者全てに向けて引き金を引いた。硝煙の中を移動し、
 出会った男は全員撃ち倒していたルーミアが叫ぶ。
 「かかって来いよ!全員撃ち殺してやる!」
  後方で銃撃戦が展開されている。アリス達は今、ルーミア達の逆方向で戦っていた。
 椛が素早く動く人影を見つける。「速いな。だが・・・・。」撃とうとした瞬間、影は岩に隠れ、姿を消した。
 「ルーミア!そっちに一人いった!」
  ルーミアが辺りを見回す。霧の様な硝煙に遮られ、視界が悪い。そんな中で何者かが高速で、ルーミアに近づく。
 その気配を感じ取ったルーミアが咄嗟に動くと、煙の中から鋭い刀が現れた。
 「なに!誰だ!?」銃をそこに向けようとするルーミアをもう一本の短い刀が襲った。刃は、ルーミアの手首を傷つけ、
 そのまま頬を切り裂いた。
 「ぐっ・・・速い・・・。」そう言う間に短い刀がルーミアの片膝を貫いた。血が噴き出し、強烈な痛みに顔を引きつらせる。
 「くそおおおお!!」
  銃を闇雲に発射するが、手ごたえは無くただ自分の居場所を知らせるだけだった。後頭部に強い衝撃。鉄のような
 硬いもので殴られたかの様に、ルーミアの意識が揺らいだ。バランスを崩し、立ち上がれないルーミアが見た敵は・・・・。
 「誰なんだ・・・・。」
 「貴様に名乗る名は無い。」そう言って、長い方の刀を彼女は振り上げる。その瞬間、背後でボルトの操作音。発射
 された弾丸は彼女を霞め、岩に突き刺さった。

  二本の刀を構えた彼女、魂魄妖夢は銃を構える椛と対峙した。
 「用心棒か?」椛が聞く。
 「・・・お前を倒す。」
  椛の目に、痛みに苦しむルーミアの姿が入る。隙を見つけ拳銃を持ったルーミアの手の甲に刀が深々と突き刺された。
 「うわあああああっ!!」刃が抜かれると同時に大量の血液。
  椛は小銃を投げ捨て、自身の腰に差す刀を抜いた。燃え盛る炎と銃声を尻目に、二人は刀を構える。
 「決闘だ。掛かって来い・・・・。」


  アリス達は十数人の賞金稼ぎをどうにかねじ伏せ、隠れていた岩場から脱出した。
 「大丈夫かミスティア?」
 「腕に一発喰らったけど平気よ、すぐ直る。」
 「また大群が来るわ!」
  岩場に登ったアリスが声を上げる。遠くから沢山の松明の炎が見えていた。数は数十。賞金稼ぎ達だろう。
 「数分でここまで来るわ。」
 「それまでに脱出だ。」
  三人がルーミアと椛を探して駆け出す。 その頃椛と妖夢は壮絶な戦闘を繰り広げていた。
 元哨戒兵の椛と鉄道に雇われた剣士の妖夢は、足場の悪い岩だらけの道を駆け回り、お互いの獲物をぶつけ合っていた。
  二刀流で容赦の無い妖夢の攻撃を、一本の刀で椛は受け続けていた。お互いの服と肌が裂け、血が滲んでも闘いは
 終わらない。どちらかが倒れるまで、決して両者は引かない。それが相手に対する礼儀であり、お互いがそれを分かって
 いた。
 
  距離が開き、二人は一斉に駆け出す。  擦れ違う。  二人は刀を振り、走り抜けた。
 妖夢の腹部が斜めに裂け、真っ黒な血が流れ出た。そして膝立ちになり、そのまま力なく腰を落として頭を垂れた。
 顔を沢山の血が滴る。椛の片方の耳は刃が通り抜け、殆ど皮一枚で繋がっている状態になっていた。
 「私の勝ちだ・・・・。」
 その瞬間、轟く銃声。隠れていた賞金稼ぎが、椛を狙って引き金を引いた。痛む耳を押さえながら必死に岩影に転がり
 込む椛。走り出した男は、椛を探していたヤマメに捕らえられ、拳を叩き込まれた。男は顔面から血を流し、地を転がり
 まわった。彼を拳銃で撃ち殺したヤマメが椛に駆け寄る。
 「大丈夫か椛!すぐに逃げるぞ!敵の大群がここに迫っている!」
 「ルーミアがやられた!助けに行かないと!!」
 「なんだと!?・・・とにかくお前だけでも連れて行く!」
  そこへアリス達も到着する。それと同時に馬の走る音と泣き声。
 「時間が無い!すぐに行くわよ!」
 「ルーミアが怪我をしているんだ!!このまま逃げるなんて!」
 「嘘っ・・・ルーミア!」駆け出そうとするミスティアをアリスが引き止める。
 「何してるの!今はとにかく戻って体制を整え直すのよ!!堪えて明日戦いなさい!」
 「うわあああっくそおお!!」
  叫ぶミスティア。四人はすぐに、元来た細い木々の中を走った。そして、一気に空を飛び小さな林を抜けた。
 辺りはまだ深夜だが、四人のすぐ後ろでは先ほどの爆発によって、真赤な炎と黒い煙が空に上がっていた。
 闇に紛れるように空を飛び、暗い森を飛び越える。とにかく今は紅魔館に戻らねば・・・・。
 途中、椛が力を失い失速する。アリスは椛が落下せぬよう肩を貸し、後の二人は追跡者が居ないか確認しながら、一定の
 スピードで空を飛び続けた。全員、息が切れて体力を失っていたが、それでも必死に飛び続けた。
 暫くしてアリスは一度だけ後ろを振り返り、再び向き直った。その後、歯を強く噛み締め、毒づいた。

 



  真夜中の紅魔館の門を一気に掛け抜けた四人は扉を叩き開け、玄関に躍り出た。
 「着いたわ・・・・。」
 紅魔館に少しづつ明かりが灯る。レミリアが咲夜と共に四人の居る玄関にやって来た。
 「その怪我は・・・大丈夫なの?」
 「その前にもっと大切な事があるわ・・・・。」
  息を切らしたアリスが大きく息を吸い込みながら汗を拭う。
 「罠にはめたわね・・・レミリア。あそこで待っていたのは賞金稼ぎと兵隊どもだったわ!」
  少しの間をおいてレミリアが言う。
 「・・・・・・・・ええ。そうでしょうね・・・・。あなた達を売ったわ・・・・。」
 「よくもやりあがったな!!」
  ミスティアが鉄の爪を振り上げるが、その腕をアリスが掴んだ。咄嗟に動いた咲夜がナイフをミスティアに突きつけ、
 ヤマメが咲夜に銃を向けた。アリスの片腕はミスティアの腕を握ったままだ。
  アリスの表情が引きつる。ミスティアの腕力を自分の力で止める事が叶わない事は十分承知していたが、それでも
 アリスは渾身の力で、ミスティアの腕を握り締めていた。
 
 「ミスティア・・・止めなさい・・・。」
 ミスティアの腕がもとあった位置に戻されていく。ミスティアも力を入れるのを止め、アリスは手を離した。咲夜も
 ナイフを下ろし、ヤマメは銃をしまった。椛はその様をぐったりとして見ていた。

 「あなた達を売ることが、工事を中止させる条件だったのよ。」
 「・・・いいわ。レミリア・・・貴方は間違った事なんてしてない。正しい事をしたのよ・・・貴方の義務は、この紅魔館を守
  ることですもんね・・・。ここに至るまでの貴方の様々な葛藤は容易に想像できるわ・・・。」
 「許してもらうつもりは無いわ。でも謝らないと・・・あなた達を裏切った上に利用したのだからね・・・。」
 「・・・とりあえず休ませて・・・部屋は沢山あるでしょ・・・。」アリスはドッと肩を落とした。
 「咲夜!妖精メイド達を起こして!すぐに救急箱を持ってきなさい!」
  四人は紅魔館の医務室に連れられた。怪我を負っている椛とミスティアはすぐにメイド達の手当てを受けた。
 アリスは、長椅子の上に腰を下ろし、背を壁に付けて目を閉じた。息が完全に上がっており、暴れまわる心臓を落ち
 着けるようにアリスが胸に手を当てる。いつの間にか、服が血と埃で汚れていた。
 「アリス・・・どうするんだい・・・。」
  ヤマメが不安そうに聞いた。アリスは目を開け、スカートを握り締める。
 「助けていくわよ・・・・当然でしょ・・・・。」
 「まだ生きているんなら、明日にでも絞首刑だ。」
 「でしょうね・・・。でも、私たちもダメージを負った。少し休まないといけないわ・・・・。」
  そこまで言ってアリスが大きく咳き込んだ。ヤマメが背中を摩ると、アリスは申し訳無さそうに礼を言う。
 「でも、奴らきっとここに私達を探しにやってくるぞ・・・あまり長くは居られないはず。」
 「ええ。すぐに出て行くわ。これ以上レミリアに迷惑を掛けるわけにはいかないからね。」 
 
 「いいえ、行かせないわ。外に出たらもうあなた達はおしまいよ。奴らは、ルーミアを餌にあなた達をおびき寄せる
  つもりなのよ。ずっとここに居なさい。一生私が匿ってあげるわ。」
  二人の話しを聞いたレミリアがそう申し出た。
 「なにを言ってるのレミリア・・・そんな事無理よ。ルーミアは助けに行く。あいつは私達の仲間なのよ。絶対に一人で
  死なせたりしないわ!それにあんたはこの館と敷地を守らなければいけないのよ。そんな危険を冒して、妹や友人を
  守ってやれるのかしら!」
 「守って見せるわ!アリス!これ以上無茶は止めて!もう貴方のそんな姿は見たくないわ!!」
 「嫌よ・・・もう止まれないわ!私は妖怪として最後まで生きると決めたのよ!仲間は見捨てない!それが自殺行為でも
  私は助けにいく。たった一人でもね!」アリスは立ち上がって声を張り上げた。
 「馬鹿な・・・!!死ぬ気なの!?」
 「いつでも覚悟はできてるわ!幻想郷の精神と共に消えると決めた時からね!それが私のゆく道よ!」

 「くそおっ!」 言葉を失ったレミリアが空気を殴りつける。アリスは息を枯らして力なく座り、
 ブラブラと頭を振った。
 
 「何でかしら・・・・悔しくて悔しくて・・・・たまらないのよ・・・・。」
  レミリアは擦れた声でそう言った。
 「なんて情けないのかしら・・・私。こうするしか無かったのかしら・・・・もう・・・。」
 「・・・・・・・・・。」
 「・・・・とりあえず・・・・傷が癒えるまでここに居てよ・・・・。」
 「ええ、そうするわ・・・・。」
  肩を落としアリスが、ぐったりと頭を垂れる。
 「アリス・・・・まさか一人で助けに行くとか言うんじゃないだろうね・・・。」ヤマメがアリスの耳元で呟いた。
 「それは許さないよ・・・私も行く。ここで止めたら地底から出てきた意味が無くなるんでね。最後まであんた達
  のやってる事を見届けてやるんだ。」
  アリスが床を見ながら笑った。アリスが腕をヤマメに差し出し、ヤマメはそれを強く握り締めた。
 「馬鹿ね。」
 「アンタこそ。・・・・とにかく今は眠りな。目覚めたら出発だ。」
  
  アリスはその場で横になり、死んだように眠った。その寝顔を見たヤマメが言葉を漏らした。
 「寝てる時にしか泣けないのかい、アンタは・・・・。」

 

  まだ夜は明けきってていない。アリスは覚悟と共に目を開け、うたた寝をしていたヤマメも眼を覚ました。
 静かになった医務室には包帯を巻いたミスティアと椛がぐっすりと眠っていた。アリスが一歩歩くと、椛が先に眼を
 覚まし、それに続いてミスティアも眼を覚ました。四人は見つめ合った後、静に部屋を出た。
 朝が近いのか、部屋の外は少し肌寒かった。真赤な絨毯の敷かれた長い廊下を歩くと前方からメイド長の咲夜が歩いて
 きた。アリス達と咲夜は立ち止まり、お互いをしっかりと見つめ合った。
 「行くの・・・・?」咲夜が小さく聞く。
 「ええ。行くわ。その前に武器を頂いていこうかと。」
 「小悪魔が武器庫で待ってる。すぐに行って・・・。」
 そう言って、咲夜は足を進め五人と擦れ違った。
 「またね咲夜。」アリスが呟く。
 「ええ・・・アリス・・・。」

  武器庫への曲がり角で、アリスは仲間と別れた。ヤマメ達は先に待機していた小悪魔に鍵を開けてもらい、
 再び武器庫へと舞い戻った。
 「装弾数が多くて頑丈な銃を持ってきて。」椛が小悪魔に言った。
 「はい。お待ちください。」 
  ミスティアは散弾銃の棚から適当な物を掴み取り、せっせと弾を詰め始めた。
 小悪魔が、奥の棚から長い自動小銃を持ってきた。
 「これこそ最高のバトルガン、FALです。折りたたみ式スケルトンストックと30連マガジンを装備したモデルで、
 フルオート射撃も可能です。貴方ならきっと使いこなせるでしょう。」
 「マガジンをもう一つ寄越して。それからテープも持ってきて。」
  小悪魔が渡したもう一つのマガジンを椛は逆さにして、既にあるマガジンにテープで巻きつけた。新品の自動小銃
 を構えた椛がリアサイトを覗く。
 「手投げ弾は何処にあるんだ悪魔さん。」ヤマメが小悪魔にそう声を掛けた。
  小悪魔が木製の箱をこじ開け、中から卵位の大きさの手投げ弾を幾つか取り出した。
 「気をつけて扱ってください。」
 「ああ。それと45口径の弾丸も貰っていくよ。」
  ヤマメ達が武器を漁っていると、鉄の扉が高い音を立てて開いた。そこに居たのは二体の人形を従えたアリスだった。
 紺色のエプロンドレスの上海人形と赤いドレスの蓬莱人形。二体はアリスの前に立ち自慢げな表情を振りまいていた。
 「おやおや、人形さんを連れて行くのかい?」
 「罠に再び突っ込もうとしてるのよ。それなりの覚悟で行かないと。」
  アリスはサイズの一回り小さい剣と槍を上海に、取り回しやすいスターリング短機関銃を 蓬莱に持たせ、
 自身は拳銃に弾を詰め、ナイフをブーツに隠した。
 
 「こんなところかしら。みんな、準備は出来てる?」
 「ええ。」
 「もちろん。」
 「いつでもいいよ。」
 「スグニデモタタカエマス!」
 「ハヤクイコウゼ」
 
 「みんな、姿を隠すためにローブを羽織るわよ。出来るだけ人に見られないようにするんだからね。」
  四人と二体はエントランスへと歩いた。いつの間にか外には太陽が昇り始め、暗かった紅魔館を少しずつ照らし
 始めていた。広い玄関ではレミリアが咲夜と共に待っていた。アリスは立ち止まり、頭を下げて礼を言った。
  背後から、どたどたと廊下を駆ける音。扉を叩き開け、飛び込んできたのは魔理沙だった。
 「アリス!どこに行くんだよ!」
 「貴方には関係ないわ。」
  膨れ上がった魔理沙は必死にアリス達を引きとめようとする。
 「嫌だ!アリス!行かないでよ!!」
 「嫌よ。行くわ。魔理沙・・・・貴方は絶対にきちゃ駄目よ。」
 「どうしてなんだよ!私はただ・・・」
  アリスの腕を掴もうとした魔理沙が床に倒れる。上海が当て身をして気絶させたのだ。
 「この子を頼んだわよ。」
 「任せて頂戴。」
 
  鋭い朝日が差し込む。咲夜が差した日傘の下で、レミリアは飛び立つ妖怪達を何時までも見送った。
 咲夜も同じように主と共に暫くそこに留まった。

 8

  人里には一斉にその噂が広がっていた。
   強盗団の一人を拘束!本日九時に広場で公開処刑!! ラジオからその声が鳴り響く。
 これから反乱を起こそうとする者達への警告。強盗団達を挑発する罠。幾つかの意味が込められたその放送は、夜が
 明けてから何度も繰り返された。運悪く、今日は休日で仕事が休みの会社員や労働者達が大勢その処刑を見物しに来る
 だろう。
  人里の中央にある広場は、大きな噴水が美しい水を噴き上げ、周りには野菜や果物、小物などを売る出店が立ち並び、
 屋外にあるレストランには朝から沢山の客が席に付いていた。
 その一角に巨大な絞首台が設けられた。辺りには護衛の保安官と沢山の賞金稼ぎが紛れ、強盗団がルーミアを助けに
 来るのを待ち受けていた。まもなく処刑の時間になる。情報を聞きつけた沢山の人々が広場に集まっていた。
  会場は祭りのような賑わいになり、悪名高き強盗の最後を見届けようとする者、好奇心で来た者、妖怪達・・・様々な
 人々が、ひしめき合っていた。広場の外れでは馬に跨った保安官がライフルを持って辺りを警戒していた。
 鉄道の関係者と保安官事務所の所長が絞首台に上がり、縄が切れぬか確認をして合図をする。すると保安官に
 護衛されながら一頭の馬が騎手と共に会場に走り込んだ。馬の体からは堅い縄が後ろに伸びており、その先に腕を縛ら
 れたルーミアが引きずられながら馬と共に走り回っていた。
  腕の縄を外された頃には、体中にアザが出来、顔は皮が剥けてボロボロ、抉れた傷口からは真っ黒な淀んだ血が
 顔を出していた。保安官達がルーミアを乱暴に引っ張って、絞首台の上までやって来た。人々は、ルーミアの成れ
 の果ての醜い姿をみて、ありったけの罵声を彼女に浴びせた。
 「ほら、最後くらいしっかりと立て!」
  保安官に腕を持ち上げられ、無理やり台の上に立たされるルーミア。首に縄が括り付けられ、腕も再び縛られた。 
 大衆の視線が一気にルーミアに集中した。中には、彼女の事をよく知っている者もいた。
 「あいつだ・・・・」「やっと捕まったのか・・・」「もうおしまいだね。」「あー汚い汚い。」
 会場の雰囲気はどんどん盛り上がっていった。一部の者達はルーミアの立つ床が抜けて、彼女の首がへし折れる瞬間
 を心待ちにしていた。
  ルーミアは黙ってその様を見ていた。どいつもこいつも口だけが良く動く。だが、その人々の中に妖怪も混じって
 いる事を知って、彼女は肩を落とした。思い出すのは今までの記憶。ミスティアとアリスの声が今も頭の中で
 響いている。椛やヤマメは上手く逃げ出せただろうか?今頃何をしているのか?ここに来るまでに酷い拷問を受けた。
 奴らは、アリス達の事を必要に聞いてきた。電気とムチ。水と氷。だがルーミアはなにも吐かなかった。
 自分は悪党で、犯罪者だが仲間は裏切らない。アリス達のこれからを考えれば、痛みに耐えることなど造作も無かった。
 今まで自分を生かしてくれた仲間達にルーミアは心から感謝していたのだ。 
 「何か言い残したい事はあるのか?」
  所長がルーミアにそう聞いた。言いたい事は沢山あったが・・・・。
 「仲間達について喋れば、処刑を止めてやってもいいんだぞ。」
 
  何を最後に言おうか・・・その時ルーミアの眼に映ったのは、人々の最前列で自分を見守るローブを被り、
 その帽子で頭を隠した四人組。
 風に揺られ、その金髪と眼をルーミアは見た。途端、ルーミアの眼から涙が零れる。
 「ああ・・・・っ私は・・・。」
 「なんだ?喋る気になったのか?」
 「私は・・・忘れられたくなかったんだ・・・・妖怪としての自分を・・・忘れたくなかったんだ・・・自分を・・・。アリス・・・・・
  私は・・・とっても楽しかったよ・・・今まで色んな事をして、宴会もして・・・酒も呑んで・・・でも何時までも続かない
  事は分かっていたんだ・・・何時かこうなるって・・・だから毎日を好きなように生きた・・・
  でもそれも今日でおしまいさ・・・。アリス・・・みんな・・・私は醜い姿を晒すのは我慢できないよ・・・・
  こんな仕打ちはあんまりだ・・・もう見られたくないよ・・・アリス・・・・自殺用のピストルの弾は残せなかったんだ・・・・・。」
 「貴様?誰と話しているんだ?」
 「アリス・・・・・早く楽になりたいよ・・・・。」

 「ルーミア・・・・アンタの事は誰も忘れはしないわよ・・・・・・。」
  四人がローブを脱ぎ捨てる。完全武装した強盗団達が広場に堂々と姿を現した。 

 「アリス私を殺して!そして見せ付けてやってくれぇ!!本当の妖怪ってのを!誇りを失った奴らに・・・!」
 
  銃声。 撃ち放たれた弾丸がルーミアの頭を打ち抜き、真赤な血を吐き出させた。ガックリと足を崩した
 ルーミアはその場で息絶えた。

  広場に静寂が訪れる。
 誰もが顔を見合わせ、この瞬間起きた事を驚愕の表情で見守る。
 
  椛が自動小銃を所長に向け、引き金を引いた。鋭い弾丸が所長の体に突き刺さり、血潮と共に彼は倒れた。

  鳩が飛び立ち、風が吹いた。 

  四人が一斉に銃の引き金を引く。悲鳴を上げる人々。人込みを押しのけ迫る保安官。賞金稼ぎ。
 アリスが腕を振り上げ、蓬莱が短機関銃で前方に立ち塞がる二人の賞金稼ぎを瞬時に射殺した。四人が出店の方へ
 と駆け込み、それを保安官達が狙う。飛び交う弾丸が人々を撃ちぬき、会場に集まっていた者達がドミノ倒し
 になっていく。
  アリスとヤマメは果物を売る出店に隠れ、絞首台に居る保安官から身を隠した。人込みに紛れて二人に近づく
 賞金稼ぎに上海が飛び掛り、剣で首筋を切り裂く。血が飛び散る。蓬莱はテーブルを蹴り倒し、その影から、
 馬に跨る保安官を攻撃
  し、一人の男の胸を撃ち抜いた。撃ち込まれた銃弾によって果物が弾け、辺りに色取り取りの果汁を飛び散らせていた。
 遠くに居る敵は全て椛の標的だった。逃げる人間を押しのけ、地面に伏せながら数発の弾丸を絞首台に向けて発砲し、
 そこで銃を構えていた保安官の顎を吹き飛ばした。彼は、高さのある絞首台から転落し、首の骨を折った。
  椛に近づいた賞金稼ぎが腹部から火花を吹きながら後方へ吹き飛ぶ。それと同時にミスティアが薬莢を宙に飛ばし、
 次弾を装填する。飛び出した硝煙とレンガの破片が人々を咽させ、そのスキにミスティアが銃を持った男の心臓目掛け
 て散弾銃の引き金を引いた。男は胸に穴を開けて即死した。
  
  混乱した人々が我先にと逃げ出し、多くの人が踏み潰されていた。そんな彼等を盾にして、賞金稼ぎ達が強盗団
 目掛けてありったけの弾丸を撃ち込む。アリス達が隠れた出店は粉々に砕け、粉砕された板が宙を舞う。目の前で
 引き金を引こうとする男にヤマメの糸が絡みつき、そこへ45口径の弾丸が打ち込まれる。周り中を包囲されたアリス達
 は、全方向に弾幕を張りながら、遮蔽物を探す。レストランから出てきた数人の男達を蓬莱が射殺し、血に濡れた
 テーブルを倒してそこに転がり込む。アリスはそこで、店内から飛び出してくる賞金稼ぎ達を隠れながら撃った。
 走りながら倒れていく彼らは悲痛な叫びを上げ、その後沈黙していく。壁に填められていたガラスが音を立てて
 砕け散り、死体に突き刺さった。銃の弾が切れ、新しい弾装を装填する間上海がさらに一人の男を切り裂いた。
 彼はレストランの店主の様だった。
 
  ヤマメが保安官達の多く居る噴水の辺りへ手投げ弾を放つ。すぐに大きな爆発が起こり、馬に跨った保安官が吹き
 飛ぶ。その衝撃は即席で立てられた絞首台の脚を粉砕し、バランスを失った台が人々に向けて倒れ込んだ。何人かが
 下敷きになり、なおも武器を持つものは椛に射殺された。 
  血と破片と悲鳴が飛び散り、広場には沢山の死体に溢れた。数分で保安官の殆どが死亡し、残るは賞金稼ぎだけと
 なった。しかし、そこに武器を持った民間人も混じり、恐ろしい大乱闘が始まっていた。
 飛び散る薬莢と火薬、火花。椛が目の前に立ち塞がった三人の男をフルオート射撃で一斉に撃ち倒した。辺り一面に
 彼等の血と臓物が飛び散り、男達は堅い弾丸に砕かれていった。
 「椛!伏せろ!」ミスティアが椛に覆い被さり、横から迫っていた賞金稼ぎに向けて引き金を引いた。賞金稼ぎは
 闇雲に銃の引き金を引きながら、木製の柵を破壊しながら後ろに倒れた。

 

  紅魔館では霧雨魔理沙が目を覚ましていた。
 「気がついたのね。」魔理沙の事を見ていた咲夜がそっと声を掛ける。朦朧とした意識から我に返った魔理沙はすぐ
 にベットから飛び出した。
 「アリス達のところへ行かないと!!」
 「駄目よ。貴方が行ってもどうにもならないわ。」と咲夜が言った頃には、魔理沙は既に出発の準備をしていた。
 「なにを言われようと私は行く。咲夜。もう何を言っても無駄さ。」
 「アリスさんに貴方を頼むって言われてるのよ!」
 「なら一緒に来るか?」
 「えっ・・・。」その瞬間、魔理沙は窓を突き破って紅魔館を脱出してしまった。箒も使わず、超高速で魔理沙が人里を
 目指す。
 「馬鹿な!お嬢様!!」時間を止め、すぐにレミリアの元へ向かう咲夜。
 「魔理沙がここから飛び出していきました・・・私がついていながら申し訳ありません・・・・。」
 「・・・・もう放っておけないわ・・・咲夜、出かけるわよ。準備して・・・。」
 「はい。ただいまっ!」
 


  再び大きな爆発。ヤマメの手投げ弾が賞金稼ぎ達の隠れる屋台を吹き飛ばし、粉々になった店と体が散らばった。
 広場の一角から連続した銃声。生き残った保安官が軽機関銃を取り出し攻撃を開始したのだ。
 その攻撃は敵味方関係なく、強盗団の隠れている付近を連続で撃ち抜いた。
 「くそ!あの機関銃をなんとかして!」アリスがそう叫ぶと瓦礫を押しのけ、蓬莱が発砲する。しかし距離があるため、
 弾が散らばり正確な射撃が出来ない。
 「アリス!ココカラジャムリダ!」
 「ならそこまで行くわよ!」そう言った瞬間、背後から銃弾が押し寄せ、周りの地面を跳ね上がらせた。
  蓬莱が振り向くと同時に引き金を引き続け、アリスも敵を撃った。
 広場に沿って立てられたバーの二階から銃口が飛び出る。発射された弾丸は、広場を跳ね回り、逃げ遅れた何人かの
 人々を貫いた。連続で発射される弾丸が立ち塞がった賞金稼ぎを誤射し、数人が同士討ちによって息絶えた。弾装を
 交換した椛が軽機関銃を握る保安官を捉えた。一直線に飛んだ弾丸は保安官の目から頭を掻き回し、跳ね回った軽機関銃
 の銃口が回りにいた人々を撃ち倒した。噴水の水が真赤に染まっていく。
  ミスティアが散弾銃の引き金を引き続ける。だがライフルを持った男を撃とうとした時、ついに弾が底を付いた。
 発射された弾丸がミスティアの肩を撃ち抜き、血が飛び出る。それと同時に、爪を突き立てたミスティアが男に飛び掛り、
 次弾を装填する前に喉を切り裂いた。影から出たミスティア目指して、数人の賞金稼ぎが駆け出し、彼らが拳銃の激鉄を
 下ろすのを見た椛が腰だめ撃ちで弾丸をばら撒き、瞬く間に彼らを射殺した。
  椛とミスティアは立ち並ぶ屋台を遮蔽物に使い、襲い掛かる全てを殺し続けた。椛が屋台の影で銃を構え、走る初老の
 男を撃ちぬく。そして振り返った彼女は何時か見逃してやった少年の姿を見た。銃は持っていない。椛が少年を無視し、
 別の獲物に狙いを付けようとしたとき、少年が懐から拳銃を抜いた。寸前で椛はそれに気づいたが、それは既に弾丸が
 発射された後だった。背中から撃たれ、振り向き様に自動小銃の引き金を引き、少年を射殺した。
 「くそおお!!」別の弾丸が椛を体を霞める。目の前に飛び出た男が自動拳銃の銃口を突き付け、椛がすべての弾丸を
 その男にぶつける。血に濡れた手で弾の切れた銃を捨て、椛は刀を抜いた。
  
  ヤマメが広場の反対側に回りこみ、隠れる賞金稼ぎを背後から撃ちぬいた。全ての弾丸を撃ちはなった後は、
 敵に飛び掛り、腕力で敵の骨を砕いた。別の場所に置かれた軽機関銃がヤマメを狙う。連射された弾丸はヤマメ
 目掛けてばら撒かれ、 数発が彼女の体を打ち抜いた。血が飛び散り、やっとの事で物影に体を潜り込ませる。
 先方から別の敵がヤマメに向けて発 砲し銃弾を受けながら、ヤマメは糸を伸ばして敵の首を締め上げた。
  ミスティアと椛は背を付け合って、敵を切り裂き続けた。
 ミスティアの自慢の鉤爪が、数人の男を切り裂いてから 真っ二つに裂け、指先から大量の血が噴出した。
 それでもなお、ミスティアは迫り来る男達を切り続けた。遠くから狙撃銃の弾丸が次々と襲ってくる。
 弾丸がミスティアの耳と片腕を撃ち 抜き、バランスを崩しながらSAAを連射する賞金稼ぎに体当たりをしたミスティア
 はそのままその男を肉壁とし、レンガで出 来た壁の後ろに飛び込んだ。敵の拳銃を奪い取り、
 建物の二階にいる狙撃手に向けて全ての弾丸を撃ち込んだ。
 「死ねええええ!!」銃声と硝煙。
  別のライフルの弾丸がミスティアを貫く。骨が砕け、指を失い、羽が千切れ飛んだ。
 「あああああっ!」ミスティアを狙う狙撃手が血を吹いて倒れる。蓬莱が短機関銃の掃射を行い、
 そこにいた数人を一気に射殺したのだった。ミスティアを撃とうと、馬に跨った男が散弾銃の銃口を彼女に向ける。
 が、飛び出した椛が彼の首を
 一刀両断し、司令塔を失っ体は赤い噴水を出しながら馬から落下する。
 「ミスティア!逃げろ!何してる!」軽機関銃が二人を狙う。椛は地に伏せ、飛び上がる泥と血を被りながら、
 死体の側に横たわる小銃のボルトを引き、引き金を引いた。立ちる者は容赦なく銃弾の洗礼を受け崩れ落ちていった。

 「椛・・・アリスを守れ・・・」血まみれで地面を這うミスティアは残った腕で銃を拾い上げ、
 影から発砲してくる敵を撃った。
 「ミスティアはどうする!?」
 「もう助からない。ここで敵を食い止める。」そう言いながら拳銃の引き金を引き抜く。
 遠くの男が悲鳴を上げて倒れた。
  テーブルの影に隠れた男が、椛たちを仕留めようと体を出す。だがそこへ上海が踊りかかり、
 槍を男の顔面に深々と突き刺した。
 「蓬莱!椛とミスティアを援護するのよ!」
 「モウタマガキル!」
 「アリスサン!カラダヲダシチャイケナイ!」
  兆弾した弾丸が偶然にも蓬莱の体を撃ち抜いた。
 「しまった!蓬莱!」さらに別の弾丸がアリス達を襲い、一発がアリスの首筋を引き裂いた。
 「ぐっ・・・!」
  上海はアリスの盾になって弾丸を防いだ。小さな腕が打ち抜かれ、宙を舞った。綿と服が飛び散り、
 自力では立てなくなった上海がなおも剣を振りかざし、一人の敵を切り裂いた後、動かなくなった。
 闇雲に発射された弾丸が兆弾し、アリスの片腕を貫いていた。飛び散った血液が服を汚し、アリスは壁にもたれ掛かり、
 銃の引き金を引き続けた。
  軽機関銃が再び火を吹く。しかし、その射手は後ろからヤマメに殺害され、ヤマメは銃を持ち上げて味方以外の全て
 に弾を撃ち込んだ。連射される弾丸に、人々がゴミ屑のように千切れ飛んでいく。
 
 「今の内だ!物影に隠れるぞ!」椛はそう叫びミスティアの体を持ち上げた。
 「椛!退け!!」椛に向けて死角から放たれた弾丸をミスティアが受けながら同時に敵の体を撃ち抜いていく。
  椛の手の中でミスティアが血を吹き出し、悲鳴を上げながら肩を落としていく。
 「ミスティア!しっかりしろッミスティア・・・」
  立ち上がろうとした椛に向けて、弾丸が撃ち込まれる。ミスティアもろ共吹き飛ばされ死体の上で、痛みに耐える椛は
 既にミスティアが死んでいる事に気が付いた。
 「なにしてるの!椛!ここまで来るのよ!」傷を負った蓬莱が椛を援護するように、銃の引き金を引く。
  薬莢を踏みしめながら椛がアリスの元へと転がり込む。そこへ迫っていた賞金稼ぎ達が、ヤマメの掃射によって
 全員撃ちたおされていく。別方向からやって来た馬に乗った保安官達も軽機関銃に撃ち抜かれ、血だるまになっていく。
 「くそ!!喰らいな!!」激しく銃口をぶらしながらヤマメは引き金を引き続けた。
  建物の壁を貫通した弾丸が中に隠れる人々を撃ち殺していった。数人の男がヤマメを狙って引き金を引く。
 足を撃たれたヤマメは、バランスを崩し弾を撃ち出し続ける機関銃を在らぬ方向へ振り回し、辺り一面が銃弾によっ
 て煙を上げた。再びどこからか発射された銃弾がヤマメの腹部を撃ち抜く。
 「あああっ・・・くそっ・・・。」
  別の男が短機関銃を撃ち、沢山の拳銃弾によってヤマメは体中を抉られた。骨や内臓をズタズタに破壊され、
 崩れ落ちるヤマメを見たアリスが声を上げる。「ヤマメ!!」武器を小銃に持ち替えた蓬莱が連続で敵を射殺した。
  
  死体の山から這い出た椛とアリスが銃を拾い上げ再び構える。二人は一瞬顔を見合わせ、お互いの傷だらけの姿を見た。
 何も言わずに二人は微笑み、見える敵に向けて引き金を引き続けた。
 「アリスさん・・・!後ろだ!」椛が迫る賞金稼ぎに銃口を向け撃ちぬく。しかし別の弾丸が椛を打ち抜き、
 それと同時にアリスにもライフル弾が突き刺った。二人は悲鳴を上げながら地に伏せた。椛が撃てる限るの弾丸を放ち、
 二人の敵を殺害した が、次第に腕が痺れ口から血を吐き出してしまう。遮蔽物にしていたテーブルの破片が体に突き
 刺さり、椛は唇を噛み締めて痛みに耐えていた。
 「あと少し・・・あと少し持ってくれ・・・・。」椛の白かった髪は今や真赤に染まり、長い尻尾もボロボロに千切れていた。
  重い小銃を捨て、拳銃を握った椛がアリスの前に立つ。
 「行きますか・・・・・。」 
 「・・・・ええ・・・・・・。」
  二人はボロボロになった出店の残骸から飛び出した。二人の後ろから破損した蓬莱が敵を目指して一直線に飛んでいっ
 た。蓬莱は予め体内に火薬を仕込んだ人形で、アリスの命令一つでいつでも爆発できるように細工されていたのだ。
 「さよなら蓬莱人形・・・。」
  眩い閃光。爆音と衝撃波が辺りを包み、建物が煙を上げて崩壊した。
  物影から町の若者が銃口を二人に向ける。放たれた弾丸は椛の肩を貫き、彼女を転倒させた。倒れ様に椛は引き金
 を引き続け、地に体が付くと同時に悲鳴を上げて大量の血液を口から吐き出した。
 既に息をし続ける力すら椛には残っていなかった。霞む視界で最後にアリスの後姿を捉えて、彼女の意識はそこで
 終わった。さらに数発の銃声が鳴り響く。背中からアリスは弾丸を喰らい、よろめきながら銃を持つ敵を探す。
  振り返って、拳銃を構えるとそこに居たのは銃を持った子供だった。
 目が合った瞬間、アリスの顔半分に血の花が咲いた。
 
 



  崩れ落ちるアリスは冷たい地面に打ち付けられ、痛みでもはや体を動かす事すら叶わなくなった。
 銃声が止み、辺りには血と死体と薬莢だけが残った。動いている者は殆ど居ない。この広場付近に居た者はほぼ全員が
 死傷し、倒れた体が山のように積み重なっていた。
  銃声が止んだすぐ後、魔理沙は惨劇の広場に降り立った。何かに導かれるようにアリスの下へ走った魔理沙はボロボロ
 になった友人を優しく抱き上げた。
 「アリス!しっかりしろ!死ぬなよ・・・なぁ絶対に死ぬなよ・・・・。」
  頭を掠った弾丸が顔を真赤に染め、打ち抜かれたアリスの腕や体からは熱い血が流れ続けていた。
 「アリス・・・どうして・・・。」涙を流しながら親友の名を呼ぶ魔理沙。アリスがやっとの事で口を開く。
 「・・・・魔理沙・・・・泣かないで・・・・これでよかった・・・妖怪として悪事を働き・・・最後は退治される・・・なにも間違っては
  いないのよ・・・・。魔理沙・・・。」
 「酷すぎるよ・・・どうしてお前がこんな目に会わなきゃいけなかったんだ・・・。」
 「わた・・・・しは後悔なんて・・・魔理沙・・・これからは貴方が・・・この世界を支えていくのよ・・・私が居なくも・・・
  貴方は賢いから  ・・・なんだって・・・できるんだから。」
 「嫌だ!嫌だ!!アリス!お願いだから・・・・死なないで・・・・。アリス・・・アリス」  
  
  魔理沙は何時までもその名を呼び続けた。広場に人が集まり始め、次第に慌しくなっていった。
 泣き崩れていた魔理沙に日傘が覆い被さった。後ろに立つのはレミリア・スカーレットとメイドの咲夜だった。
 「魔理沙・・・遺体を運びましょう・・・ここの奴らに彼らの遺体をくれてやるのは惜しすぎるわ・・・・。」
  レミリアの後ろには紅魔館の妖精メイド達も一緒だった。彼等は強盗団の遺体を捜し出し、担架に乗せた。
 「魔理沙、立てる?」咲夜が崩れ落ちる魔理沙に声を掛けた。
 「・・・ああ。もちろんさ・・・もちろん。」
  
  やっとの思い出立ち上がった魔理沙にレミリアが言った。
 「魔理沙、行きましょう。私達にはやらないといけない事があるでしょ。」
 「・・・・・・・ああ。」

 歩き出すレミリア達。魔理沙もそれを追ってとぼとぼと歩き始めた。
 太陽はサンサンと彼らを照らし続けていた。 
 




 

 この一件で、人里では数百人が死傷し保安組織はほぼ壊滅状態になった。
 幻想郷で生きる何人かの人々は達は彼らの最後を知り、輝き続けていた過去の幻想郷が完全に消え失せた事を知った。

 強盗団の遺体は紅魔館の敷地内に埋葬され、そこには大きな墓が立てられた。
 
 雨が降っても風が吹いても、彼らはそこで眠り続けた。幻想郷中から彼等を慕う人妖達が密かにそこを訪れる日々が
 続いた。

 魔理沙はレミリアと別れた後人里に向かい、その人生を精一杯生きた。彼女は人里の保安官に就任し、何時しか所長
 にまで上り詰め、町の治安を守った。
 
 レミリアは紅魔館とその土地を何時までも守り続けた。数十年が過ぎたある日、敷地の一角に幻想郷博物館を作り、
 人々に それを公開した。収められているのは古い資料や、物品、妖精達の写真など昔の幻想郷の物ばかりであった。

 妖怪達は社会の中に溶け込み、その殆どが人間と変わらぬ生活を送り始めた。何代もの時が過ぎると、自分の種族を
 妖怪だ と忘れてしまう者も現れるほどだった。
 


  時が経ち、季節が巡り、子供達の通う学校の歴史書には、強盗団達が暴れまわった歴史が記されていた。 
 劇場では、滅び行く強盗団の生き様を描く演劇が人気を博し、彼等を題材にした映画やゲームも製作され大成功を
 収めた。彼らは現代に生きる人々の憧れとなり、伝説となった。

 人間が一人残らず居なくなるまで、何処かで誰かが彼らの事を思い続けていた。
 
  
  




end
死に突っ込んでいく奴らはなぜこんなにも魅力的なのでしょう?

ある西部劇に影響されてこの作品を書きました。
途中で気づいた人が居るかもしれません。
有名な映画なので分かった人が居たらまたいつか鑑賞してみるといいですよ。

完成した後、人が確実に死んだ描写を何回したか数えてみると、47人ですた。キャー

次回はオカルトとかの気味の悪い話題でss書きたいです(ぇ

最後に一言。

残ったのはただの虚しさ

と、いう事で。 

 コメント返信っ

>曹長氏
   昔は三度の飯の次に映画が好き。と言う生活を送っていました。
  今まで見た映画で気に入っているものは、「男たちの挽歌」「男たちの挽歌最終章」
  「ワイルドギース」「戦争のはらわた」などなど・・・・・
  以上の作品の要素がこのssに染み出ていますね・・・・(^^;
  そして何故か頻繁に登場する英国で使われた兵器。

>2さん
  この産廃創想話には超個性的な人たちが大勢居るうえ、個性しか感じられないような人
 も居るので自分も負けないようにぁゃιぃ個性をどんどん出して逝こうと思っています・・・。  
 その個性で、他人を感動させる事が出来たら私は幸せです。 

>3さん
    なんだか男性的なかっこよさの演出が多かったかも・・・
   女性を主人公にするのは実は苦手です。魅力的な男性を登場させる事も無く
   最後まで突き進んでしまいました。うーん、アリスの濡れ場が欲しかったんだけど。   

>山蜥蜴氏 

 最後の虚しさの影には、右端で折り返す機能を使って書いた文章が、改行されておらず、
一行一行半泣きになりながら修正した(でもまだ変な部分がある。)と言う悲しい裏話が
あります。
 銃火器は、できるだけ古い年代の物を登場させるようにしていました。
十三
作品情報
作品集:
23
投稿日時:
2011/01/30 15:35:14
更新日時:
2011/02/10 23:37:15
分類
近未来/暴力/犯罪
アリス
ヤマメ
ミスティア
ルーミア
コメントに返信
1. NutsIn先任曹長 ■2011/01/31 01:19:23
我が道を走り抜けたアウトロー達の生き様、しかと読ませていただきました!!

好きです!!こういう作品!!
裏切り有り!!仁義有り!!破滅への美学有り!!
ちなみに、私はDVDで『HEAT』とか『パブリック・エネミーズ』とかよく見ます。

FALのパラトルーパーモデル!!フルオート!!しかも30連マガジンと来ましたか!!
凶悪な火器と妖怪の能力に身体能力!!たった数名であそこまでやらかしましたか!!

魔理沙の狂言回し的な立場、良いですね。彼女によって幻想が語り継がれることになるのか。

時代の変わり目には、彼女達のような者達が、散ることを見せ付けるように、最後の花を咲かせる…。

最後、現実を生きる人間達によって、幻想が紡がれるのか…。
いずれ、散った彼女達は、昔の幻想郷に『還る』のでしょうね…。
2. 名無し ■2011/01/31 23:46:24
うっはぁ・・・やっぱり余計な幻想なんて取り入れるもんじゃあないな
変革を続ける時代を追うことを諦めた妖怪。
戻れない日々に焦がれて、己の矜持と添い遂げることを選んだ妖怪。
でも何にでも順応してるとそれはそれで気付いたら自分のアイデンティティを置き去りにしてたりするんだよなあ・・・
眼福でした。
3. 名無し ■2011/02/04 01:49:38
そうか、退治されることまで折り込み済だったか
人に混じって生き伸びるのではなく、妖怪として生き、そして死ぬ
それが彼女たちの矜持だったか。ああ、やばいな
冒頭のルミとみすちーの自然を懐かしんでの会話の切なさや、終盤の「行きますか」「ええ」のやりとりの渋さが心に来た
自然や歴史や妖精や従者たちを護ることを選んで生きるレミリアもかっこいいな。これが主の生き方か
おもしろかった、ありがとう
4. 山蜥蜴 ■2011/02/08 22:29:01
Q、何故もっと早く読まなかったのだ自分。  A、前編冒頭を読んだ段階で傑作と悟って読むのが勿体無く感じてしまったから。
ワイルドバンチ、良いですよね。見直したくなってきました。
妖夢の様に敵に回った幻想の存在に最後は斃されるかな?とも思いましたが、最後まで彼女らの敵は非幻想的な数と銃火でしたか。少年兵もその最たるものかも知れませんね。
こういう清々しい作品、素敵です。むなしいにしても、じわりと虚ろな虚しさというよりスカッと寂しい空しさ、兵共が夢の跡な、淋しくも気持ちの良い最期でした。

銃器も良い意味で非常に雑多で、火縄銃やSAAにレバーアクションからM1905?にM1910、果てはFALPARAに軽機まで登場し非常に所謂「俺得」な作品でもありました。
都会派なアリスにブラウニング、眼の椛には長射程の7.62mmは当然似合うとして、鳥系妖怪のミスティアに散弾銃というのもちょっと皮肉で素敵!
トカレフはグリップのマークから中国辺りで黒星と書いてヘイシンなんて呼ぶそうですが、だからルーミアに持たせたのかな?なんて考えたり。
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