東方SIREN 〜前日

博麗　霊夢/前日/23時17分07秒




私は今、夜の闇の中を飛んでいた。
魔理沙の今日の言葉の中でとても気になることがあったのだ。
魔理沙が言うには妖怪の山のにとりの倉庫で不審な人影が目撃されているらしい。
人間の姿らしいがフラフラとした足取りだったそうだ。
一応、声をかけようとしたらしいが降り立ったときにはその人影はすでにいなかった。
異変の予兆の可能性もあるので、私はそこに行くことにしたのだ。
こんなに遅くなったのは・・・・・・まぁ、色々あったのよ。
「見間違いとか、そんなんだと楽なんだけどね〜。」
だるそうに、余裕で言った。
余裕はすぐに消え去ることになるというのに・・・・・・


にとりの倉庫に到着する。
遅い時間だというのに明かりがついている。
「にとり、いるんでしょ？聞きたいことがあるんだけど・・・・・！？」
明るい倉庫の中、あちこちに血が飛び散っている。
機械もばらばらになっていて破片が飛び散り荒らされた形跡がある。
その中で、河城にとり。彼女の首が・・・・首だけが落ちていた。
ただ落ちているわけではない。原形をとどめていない。
眼球も取れていて・・・・・中身まで・・・・
私はそこから逃げ出した。


飛ぶことも忘れ走っていた。
気がつくと玄武の沢にいた。
いつもどうりの風景、きれいなものだった。
静か・・・美しいものだった。なのに・・・・
「っ！？」
どこからかサイレンが鳴り響く・・・頭が痛くなる。
「なんなのよぉ・・・」
不意に体が軽くなる。
背後から破裂音。

撃たれた。

落ちる直前に見えたのは、
目から血を流している椛だった・・・・・・・




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