光の都市 その後

作品集: 25 投稿日時: 2011/04/01 20:46:39 更新日時: 2011/04/01 20:52:25
僕たちが未来から帰ってきて2週間が経った。

だが、あの時の事は昨日のように覚えている。

マリは、もう記憶を取り戻しただろうか

軍曹は、今も元気だろうか

あの国は、繁栄しているのだろうか。

人間発電が無くなっても、あの国は繁栄を取り戻しているのだろうか。

だが、きっと

僕が思っている以上に、酷くはなっていはいないだろう。

良い方向に向かっている。

そう信じよう













霖之助が居なくなってから、二週間が経った。

あの日からずっと、国の再建を行っている。

姫様も、まだ記憶を取り戻していない

いや、もう二度と取り戻せないのであったな。

記憶が無くなってからずっと、姫様は大人しい子供になった

はしゃぎもせず、果物を持ってきても

ただ、微笑んで頷くだけだった。

『こう…………りん…………』

ただ、その言葉だけしか

未だに姫様の言葉を聞いていない。

『モリア軍曹』

ニーナが、病室に入ってきた。

『どうしたんだ?』

『お弁当を作ってきました。』

ニーナは弁当を抱えている

『………あのな、ニーナ。俺は朝飯は食ったんだ』

『昼ご飯です』

『まだ7時だ』

ニーナは、少しだけいじけてしゃがみ込んだ。

俺は少し、罪悪感を感じた。

俺は、ニーナが持っている弁当を一つ持った

『昼になったら食うからよ。その時に呼ぶから、駆け付けてこいよ』

そう言うと、ニーナは笑顔になった。

にしても、姫様もこの場所ばかり留まっては、記憶も戻るも戻らないだろう。

このままではいけないなと、俺は考える

『ニーナ』

ニーナは、俺の声に反応した

『ちょっと手伝ってくれねえか?』















邦際連盟会議館

ヴァンツ共和国から約300キロ程の距離に存在する

多くの王達が、会議をする場所だ

≪ヴァンツ王国が共和国に変わった≫

≪ヴァンツ王国の王が死んだ≫

≪大臣も死んだ≫

それは、ヴァンツ王国による話題だった

≪これは好機ではないか≫

≪ヴァンツ王国には多くの資源と都合の良い土地が多い≫

≪帝都も落ちた物だ。≫

王さま達は、静かに微笑み、静かな笑い声を上げた

≪ならば≫

一人の王が言った

≪ヴァンツ王国を、今こそ我らの物にしよう≫








いつもお見舞いに来る人

いつもお見舞いに来る人が、私の手をつないだ。

私は、大切に持っている剣を、鞘に収まっている剣を抱きしめた。

私は誰なんだろう

ここはどこなんだろう

私は、私は何も覚えていない

2週間前、私を撫でてくれたあの人は

最近、なぜかずっと夢の中に出てくる

でもすぐに、消えて居なくなってしまう。

どうして?

どうして?

でも、この剣を持っていると、なんだか落ちつく

あの人がずっと居るようで、とっても落ちつく

あの人は名前は?

私は、あの人の名前を知っているが

それが名前でない事も、知っている

『こう………りん………』

この言葉だけ

この言葉だけ、思い出せる

この言葉は、何か大切な物だと、私は感じる

とても大切な何かを、感じる

『ほら、ついたぞ』

お見舞いに来る人は、私の顔を上げさせ、

目の前に広がる、綺麗な所を見せてくれた









姫様を人工花畑に連れていったが

これで少しは良くなると思ったが

現実は、そんなに簡単では無かった

『姫様』

姫様は、何も言わず、ただその人工花を見ているだけだった

ニーナが、少しだけ俯くような顔になった

だが、国の再建をほったらかしてこんな場所に遊びに来ているのだ。

それは、後ろめたくてもしょうがないかもしれないな

俺は、ニーナの肩を叩いた

『まぁいいさ。たまにサボってもよ』

そう言うと、肩荷が取れたのか、少しだけ明るくなった。

『姫様』

ニーナが姫様を呼んだ

そう言えば、初めてこいつは姫様を姫様を呼んだ

ニーナは、弁当の包みを開いた

『少し早いですけども、ご飯にしましょう』

姫様は、剣を抱きかかえたまま、ただ立っていた

だけど、少しだけ明るい表情になった。

そして、ニーナの元に駆け寄った。

少し、変化があったようだ。

これはこれで良かったようだ。

『……………?』

何か、気配を感じる

向こうの方を見ると、大勢の人が居た

この花畑は国境の間近に存在する為、敵国の国境が見えるのだ。

向こうで、敵国の軍がこちらに向かってきている

『………邦際連盟かっ……!』

俺は、ニーナに言葉を出した

『おい、半数のサイボーグをこの人工花畑まで出せ。』

ニーナは、本気の顔になり、

『分かりました』

と返事をした

ニーナは、腕輪の機械を使って呼びだしている。

これで、応援は大丈夫だ

『さぁ、行くか』

俺は、戦場に飛び出した。











国境の向こうから、多くの人間がこっちに来ている

兵器や、鉄砲を持って、こっちに来ている

バラバラの人間が入った樽をいっぱい積んでいる車が来ている

あれはなんだろう

なんで、こっちに向かってるんだろう。

お見舞いに来る人は、こちらを向かずに

あの多くの人間の方に向かった。

『この国に入りたきゃ、命渡しな!!』

お見舞いに来る人は、その多くの人間を蹴散らしていた

後ろから、一本の槍が来る

でも、その人は槍を掴み、へし折って

その人を蹴っ飛ばした。

拳銃を構えられた

でも、その人は

拳銃を蹴っ飛ばした。

でも、多くの人はその人を無視してこちらに向かってくる。

『………!!』

お見舞いに来る人と一緒にいるお姉さんは、

私の盾になるように、私の前に立った。

瞬間、後ろから爆撃が聞こえた

砲弾が、後ろから飛んできて、多くの人達が居る所まで飛んだ。

そして、多くの人が居る所に辿り着くと、そこで爆発した

『随分早かったな』

お見舞いに来る人は嬉しそうだった。

『いいか!!敵を誰一人一歩もこの地に踏み込ませるな!!!』

いっぱいの友達さんが、あの多くの人達の方に向かった。

だけど、多くの人は、お見舞いの人よりも弱かった。

でも、他の人と対等に戦えていた。

でも、

剣を持つ人が居た

拳銃を持つ人が居た

剣を持つ人は、腕が千切れた

拳銃を持つ人は、頭が弾けた。

多くの友達さんが、居なくなっていく

絵本を読んでくれたお姉さんは、

槍で頭を貫かれた

いろんな話をしてくれたお兄さんは

顔が穴だらけになった

お見舞いに果物を持ってきてくれたおじちゃんは

バラバラになった

どうして?

どうして皆死んでいっちゃってるの?

どうして?



お見舞いに来る人が、白いドレスを着た女の子と太刀を合わせている

二人とも、怖い顔をしていた

二人とも、刀で力比べをしていた

『てめぇら……舐めてんのか?俺達の国を襲うなんてなぁ……』

『何言ってるのよ……あんた達の国を、私達が面倒みてあげるって言ってるだけじゃない……』

お見舞いに来る人が、白いドレスの刀を弾き飛ばした

力比べは、お見舞いに来る人の方が強かった

『余計なお世話だお節介ババァァァァァァァァァアアアアア!!!』

瞬間、お見舞いに来る人の胸に円柱の者が刺さった

串刺しになった

白いドレスから。棒状の物が飛びだしていた

『ババアの言う事は、ちゃんと聞くものね』

白いドレスの女の子は、笑顔でそう言った

『モリア軍曹!!』

『二―ナ。来るな』

お見舞いに来る人は、円柱を掴み、それをへし折った。

『!?』

お見舞いに来る人の腕がずれて、そこから弾丸が何発も飛びだした。

白いドレスの人は、バラバラになった

鉄と、銅線だらけになった

『こいつは、俺一人で10人は倒せるからよ』

そう言って、串刺しにされていた円柱を引き抜いた

そして、その円柱を相手にぶつけた

『おらぁぁああ!!てめぇらにはこの土地なんぞ1平方センチも渡さねえぞぉぉぉお!!』

その時、地平線から兵器がいっぱい出てきた

さっきよりも、沢山、沢山

『……………!!』

大きな、絵本で見たロボットも出てきた

『てめぇら………マジで俺達を潰す気だな………』

なんだか、悲しい気持ちがあふれだした

私は、ぎゅっと剣を抱きしめた

きっと、きっと守ってくれると思ったからだ。

この剣が、きっと

『姫様!!逃げろ!!』

お見舞いに来る人が叫んだ

その言葉を聞いた瞬間

視界が赤くなった












『剣は君を持ち主に選ぶだろう』

夢の中で見た、あの人が居た

すぐに消える、あの人が立っていた

笑っていた

私は

私はこの人を知っている

『こうりん!!』

その人の、名前を呼んだ

『待って!!』

その人を追いかけた。

でも、追いかけても追いかけても、その人の場所には辿りつけない

その人は、歩いてさえいないのに

『待って!!待って!!』

その人は、私を見た。

そして、どこからか私の手を握った

『君は、僕のお嫁さんだろう?』











俺たちは、もうほとんど体力が限界に近づいていた

手足が、ほとんど動かない

足のどこからか、燃料が切れかかっている

仲間も、もうこれ以上減らせねえ

ニーナも、俺以上ではないが、重傷を負っている

にも関わらず、あいつらはまだ、多くの人員が居る

『きりが無え………』

体の中の弾丸も、もう底を尽きた

後は肉弾戦で、闘うしかなかった

あいつらが、こっちに駆け寄ってきた

殺意むき出しで、駆け寄ってきた

『うらぁああああああああああああああああ!!!』

俺も叫び、あいつらの方へ駆け寄った。

瞬間

目の前の奴が真っ二つになった。

俺は、この光景を理解できなかった

だが、俺はこの光景を見た事がある

『霖之助…………』

そうだ、霖之助

あいつの剣だ

あいつの剣が、今こいつらを切り裂いた

後ろを振り向くと、姫様が居た

持っていた剣が、鞘から抜けていた

どれだけ引っ張っても抜けなかった、その剣が

刃を見せて、大きく輝いていた

『私は…………』

姫様が声を発した

それは、今までもか弱い声では無く

記憶を失くす前の、元気な声だった

『私は…………………!!!』

姫様の目は前を向いていた

いつも俯いていたのにもかかわらず

まっすぐ前を向いていた。

姫様は、剣を振り被った

瞬間、

姫様の後ろで、霖之助が立っているのが見えた

あいつは

笑っていた

そして、大きく剣を振りかざした

『私は………!!霖之助のお嫁さんだから!!!!』

瞬間、目の前の敵が、全員真っ二つになった

大きな風と共に、敵が

端から端

手前から奥まで

全部に至って、ドミノのように

徐々に、皆半分になって、動かなくなった。

















一瞬で、敵は全滅した

あの太刀は、俺達も受けていたはずなのに、

俺たちは、何の傷も無かった。

あいつらから受けた傷は、まだ残っているが

胴も、ちゃんと上半身と下半身と繋がっていた。

姫様の方を見ると、髪の毛が乱れ

目からは涙を流していた

『こう………りん…………』

また、か弱い、優しい声に戻った。

そして、姫様は倒れてしまった。

気づけば、剣は鞘にいつのまにか収まっていた。













『こうりん………こう……りん………』

病院のベットの上で、姫様は刀を撫でていた

昨日、霖之助の名前を言っても、首をかしげるだけだった。

また、記憶の無い状態に戻ってしまったのだろう。

だが、前とは少しだけ、変化が起きた

前よりも少し、明るくなったのだ。

相変わらず、言葉は『こうりん』しか言えないが

よく喋るようにはなった。

『モリア軍曹』

ニーナが、いつの間にか後ろに立っていた

『怪我は、もうよろしいのですか?』

『俺達サイボーグは、大体一晩寝れば全回復するだろう。全然大丈夫だ。』

だが、前の闘いで多くの仲間を失ったのは事実だ

これは、大きなダメージを負うようになった

だが

『モリア軍曹…………』

ニーナが、少し申し訳なさそうな顔をした

俺は、ニーナの肩に手を置いた

『なぁに。ちょっと再建が遅れるだけじゃねえか。全然どうって事は無えよ。』

ニーナは、少しだけ肩荷が取れたようだが

まだ、少し重いようだ。

『おい、前のお前らの瓦礫とか体、前の爆発とかで失った奴らの骨組とか、今どうなっているか知っているか?』

ニーナは、顔を傾かせた

『そいつらは、今建設物の一部になってんだ、死んでも、俺達の世話になってんだよ。だからよ。今回も同じだ』

俺は、再建現場に戻ろうとした

『だから、都市を再建するのが俺達の一番のお焼香だよ』

俺は、病院から出て仕事に向かった。

だが、ニーナに呼びとめられた

『モリア軍曹………。』

『なんだ?』

ニーナは微笑み、俺を抱きしめた

『おい、何のつもりだ?』

『私は、モリア軍曹のそばに居ます。そして、お手伝いをする事にします。それも、お焼香につながるはずですから。恩を返す事も。きっと』

『そんな事よりも、お前力仕事をしようとする気持ちは無いのか?飯なんか、俺たちはあまり必要無いんだから、そっちの方に力を入れるのを止めろ。
それが一番のお焼香だと俺は思うぞ』

そう言った後、ニーナは俺から離れ、お辞儀をした

『それでは今から、姫様とモリア様のお弁当を作らせていただきます。』

全く耳に入らなかったみたいだ。

『おい!!クソ女!!喧嘩売ってんのか!!!おい!!コラァァァ!!!!』

そう言った後、ニーナは笑顔でその場所から去って行った。

そう言えば、彼女も良く笑うようになった。

2週間前よりも、明るくなっていって

料理の腕も、徐々に上がって来ている。

弁当を結構楽しみにしている自分も居る

『まぁ、別に悪かぁねぇかもな。』

俺はそう呟き、仕事場に戻った。





ヴァンツ共和国も、大分さまになってきた

国としても、随分立派になり、

大きく、そして綺麗な都市になっただろう

霖之助が見たらどうなるだろうか。

この結果に、あいつは喜ぶだろうか。

『タイムマシンでも、作っておこうかな。なんつってな』

後は姫様の回復

きっと良くなるはずだ。




それまで、あいつに見せるのはとっておこう

『待ってろよ。霖之助。』



















白昼夢が見えた

僕は、一瞬何か光景が見えた。

その光景は、あのヴァンツ王国の姿を空から見るという光景だった。

そこに、敵国から攻められて、闘っている軍曹の姿があった

その後ろには、マリが剣を抱いて立っていた。

僕は、すぐにマリの方に向かうと

マリは僕の姿に気付いた。

そして、僕の名前を呼んだ




その辺りで、目が覚めた

気が付いたら、僕は本を読んでいた

そうだ、この小説の続きを読んでいたのだ。

だが、今は今見た白昼夢の事を考えたい。

あれは、僕が見た未来のヴァンツ王国なのだろうか。

彼らは、あの戦争には勝ったのだろうか。

いや、勝っただろう。

あんな奴らに負けるほどには、もうなっていないのだから。



僕が見た新しいヴァンツ王国

そして、徐々に確実に回復に向かっているマリ

僕は、それらを見て

安堵した息を漏らした

『僕の想像以上だよ。立派だ』





自分の貧しい想像力に敗北を感じながらも、

新しくなったヴァンツ王国に称賛と歓喜を送った







光輝く都市を見た事を、僕は称えよう






そう、あれはまさしく、【光の都市】だ











【光の都市】










『絶対、霖之助のお嫁さんになるんだから!待ってなさいよー!!』





http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=17821247


↑の記念に書いた、【光の都市】のその後の話です。
pixivで載せている予告漫画ですが、良かったら見てください。

最後のページに、衝撃の言葉が載っております。乞うご期待!!!
ND
作品情報
作品集:
25
投稿日時:
2011/04/01 20:46:39
更新日時:
2011/04/01 20:52:25
分類
霖之助
光の都市
オリキャラ
その後
エピローグ
1. NutsIn先任曹長 ■2011/04/01 21:20:02
姫が皇と認められた瞬間。

幻想無き世界に、光が満ちた。

こ〜りんに霊夢と魔理沙と姫様のど修羅場が訪れそうな予感…。
最期の台詞に、『首を洗って』が抜けています。



…なに、あれ?
生憎、あのマンガもブルーレイも音楽CD売り払いましたし、あのサークルの同人誌も第二部の段階で虎に引き取ってもらいました。

NDさん、何を企んでいるのですか!?
2. 名無し ■2011/04/01 23:46:11
まさか後日談が来るとはww
悪しき闇に打ち勝つのはいつも希望の光。決して闇は光に勝ることはできない
3. 名無し ■2011/04/02 15:33:27
pixiv見ましたが、
このエイプリルフールは残酷すぎるだろ!!
あ、でもこの後日談のSSは面白かったです。
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