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『巡る病の七変化』 作者: ぐう

巡る病の七変化

作品集: 26 投稿日時: 2011/04/22 12:27:11 更新日時: 2011/04/22 21:27:11
「ふあぁぁ・・・あー疲れた、地底のアイドルってのも楽じゃないわね」

大きな欠伸をしながら、夕暮れの旧都を歩く一人の少女。
金髪を黒いリボンでくくり、4本のベルトが巻かれた大きなスカートをふわつかせながら歩いている。
彼女はヤマメ、病を操る土蜘蛛の妖怪で「地底のアイドル」というもう一つの名を持つ。

本来は病原菌やウィルスなどを扱えるため、他者にとって危険な存在なのだが、気さくで優しい彼女がその能力を使うことはないといってもいいくらい稀な話。
歌や踊りが得意なのかどうかは定かではないが、それがしの人気と、相手を虜にする活動をするためにアイドルと称されているのかもしれない。
そして今の彼女は、その何らか活動を終えての帰り道だった。

「あら、何か落ちてるわ」

旧都の帰路を辿る途中、ヤマメは地面に落ちている何かを見つけて拾い上げた。
落ちていたのは正方形の板のようなもので、こんなところに板きれが落ちているなどどう考えても変な話である。

「何これ・・・?」

板を拾ったヤマメは眉間に皺を寄せて板をじっくりと眺めた。
というのもその板は裏面には何も描かれていないが、表面には頭蓋骨のような大きなドクロが描かれていた。
このようなものは今まで見たことがないし、第一こんなのを誰が何に使うのか見当もつかない。

「もしかして、どこかの世界から流れてきたのかしら。何に使うものなのかはわからないけど」

この幻想郷は、主に外部世界で忘れられたものが流れてくることがあり、特に地上の博麗神社ではしょっちゅうだと霊夢もいつぞや話していた。
旧都にこのようなものが流れてくるなど珍しいのだが、この旧都も幻想郷の一部である以上、可能性は僅かながらでもあり得る。

ただし先述通り、何に使うものなのかはヤマメにはさっぱりわからなかった。

「ま、いいか」

しばらく板に描かれているドクロを見ながら考えてたヤマメだが、わからないとなると持っていた板を置いてその場を後にした。





その翌日・・・

「あれ、私ってこんなに足取り軽かったっけ?」

起きてから普段通りの一日が始まったヤマメ。
しかし今日は彼女の言うとおり、何故か知らないが足がスムーズに動き、いつもより歩みが速いように感じられた。
特に何かしらの運動をしている訳でも走る練習をしている訳でもないのだが、走るとなると陸上選手以上のスピードにもなった。

「まぁ速くなるくらいならむしろいいかな・・・」

ヤマメは疑問に思いながらも、足が速くなるのはメリットが多いのですぐに気にしなくなった。



更に翌日・・・

「うー・・・何か今日は足が重いような・・・」

昨日の快速感はどこへやら、この日は足がまるで鉛のように重く、少し歩いただけで筋肉痛のような痛みが足に走った。
昨日の歩きが通常の走りの速度なら、今日の走りがかろうじて通常の歩きに匹敵するくらいの遅さだった。

「あいつつ、もしかして昨日速く動けるからって無理したからかしら・・・」

ヤマメはこの前日、速く移動できるのをいいことに地底のみならず地上のあちこちに出かけて回った。
その無理が響いて足が筋肉痛になったのかもしれない。そう思いこの日は家からも出ないでじっとすることにした。



そのまた翌日・・・

「ふっん、うんんんんんーっ!」
ピチョッ、チョロロロロロ・・・

トイレに入り、必死に気張るヤマメ。しかしいくら彼女が全力で力もうとも、肛門はひくひくと動くくらいでおしっこしか出てこなかった。
昨日の足の重みこそすっかり落ち着いたのだが、今度は全く便意を感じなくなり、腹のうねりも見られなかった。
普段なら一日の中の決まった時間に通じが来るはずなのに、今日はそれが一切ない。

「はぁ・・・はぁ・・・、ここのところ私どうしたのかしら・・・」

俊敏、足の加重、そして便秘。日替わりで自身に起こる不可解な出来事に、ヤマメは不信感を持つようになった。
もしかしたらこうして考えてイライラすることが便秘の原因とも思った。そうであったらまだマシだろう。
結局その日、ヤマメはお通じを感じることも大きいものを出すこともなかった。



それからの三日間も、ヤマメは異なる異変に見舞われた。
四日目は何かにぶつかるまで止まれないほどの過敏、五日目は全く力が入らない無気力状態、六日目は何故か方向感覚がつかめない状態に陥ってしまった。

「うう・・・どうなってるのよ、ここのところの私の身体は・・・」

六日目の晩、ヤマメは頭を抱えながらこれまでのことを思い起こしてみた。
しかし病を操る身である自分が何かに感染したとは考えられないし、そもそもこんな日替わりで様々な異変が起こる病原菌やウィルスなど聞いたことがない。

「もしかしてあの時の板が・・・でも・・・」

終いには六日前に見つけて手に取ったあの板が何なのか疑った。
しかし疑うのはいいが、そもそもあの板が何なのか、それすらわからない。もしかしたら原因は別のところにあるのかもしれない。
結局答えを掴めないまま、ヤマメは眠りにつくことにした。





そしてあの板を見つけてから七日目・・・

ジャアアアアア・・・
「くうぅぅ・・・まだごろごろいってる・・・」

この日、ヤマメは起床してからすぐ激しい下痢に見舞われ、すぐさまトイレに駆け込んだ。
幸い間に合いはしたが、それなりの量を出したにも関わらず、彼女のお腹はごろごろと鳴り続けている。
四日目の便秘の時とは正反対、未だかつて味わったことがないくらいの便意だったという。

「今日も足が重い時(二日目)みたいに、じっとしておこうかしら・・・」

できることなら永遠亭のような医者にでも診てもらうのが一番だが、今の不安定な自分ではかえって医者を病にかけかねないし、腹具合から見てそこまで出向く気力が今の彼女にはなかった。
やむを得ずヤマメは、その日は家から出ないで過ごすことにした。



「ヤーマーメー、遊ぼうよー」

しかしこんな時に限って誰か来るのはよくある話、仲のよいキスメが遊びに来たのである。
ヤマメは自身がひどい下痢であることを伝え、話くらいしかできないことを条件にキスメを家に迎えた。

「大丈夫ヤマメ? 顔色悪いよ」
「さっきトイレで結構出したけど、まだお腹が痛いの・・・」

キスメと話しながら、ヤマメは自分のお腹をさすった。
まだ痛みが生じる上、ゴロゴロ鳴る音が振動とともに手へと伝わってくる。

「ここ数日足取りが軽くなったり重くなったり、はたまた便秘になったりで大変なのよ・・・」
「あっ、その話聞いたことがあるよ」
「えっ?」

キスメの口から出た思わぬ言葉。ヤマメがまさかと思う前に、キスメはそのまま続けた。

「ここ数日、道端に落ちてる変なドクロの板に触った妖怪たちが、一日限りで様々な病気になるって噂だけど」
「キスメ、それってまさか・・・」
「うん、今ヤマメが話したような症状ばっかりみたいだよ。もしかしてヤマメも触ったの?」

やはりまさかの通りだった。
この日替わりで起こる異常な状態の数々は、一週間前に見たあの板によるものだった。
あの時自分も見つけ、そしてまじまじと手にとったのを今も覚えている。
しかし他の妖怪たちは一日限りだというのに、ヤマメは一週間継続で、かつ様々な病状に見舞われている。これはどういうことなのだろうか?



ぐぎゅるっ! ごろろろろおっ!
「ひぎっ!? ああ・・・う・・・」

その時、小さく蠕動していた腸が急激な運動を起こし、ヤマメに激しい腹痛をお見舞した。
それと同時に下痢の合図である激しい陣痛が、圧迫感とともに巻き起こった。

ごぽごぽっ、ぐううううう!
「い、痛い・・・だめぇぇ・・・」

腹の中からはマグマが煮えるような音が響き、近くにいるキスメに聞こえてもおかしくなかった。
腸で暴れている痛みの元凶が、一気に出口に迫っているのが肛門の圧迫感からしてわかる。

激しい便意と圧迫の痛みは、ヤマメに我慢というものを一切許さなかった。

「ああだめ出ちゃうっ! キスメ見ないで!」

我慢の不可能。それを咄嗟に悟ったヤマメは大声でそう口走った。それを最後に・・・









ブチュビチュッ、ビチビチビュビチチチ!
「あっ! う・・・うあああああああ!」

内股でスカートを押さえているヤマメ。そのお尻の部分が大きな音とともに濡れたかと思うと、スカートの裾から黄土色の下痢便がボトボトと垂れ流れ出した。
ヤマメは苦しそうな声を出すが、出てしまったものを止める術はない。ただ全身を震えさせて排泄欲求に抗うしかなかった。

ブリビチビュブブ、ブブッ、ブボビュビビビ!
「だめ・・・お願い止まって、うんち止まってぇ・・・」

ヤマメの声は悲しいとき等になる涙声に変わり、激しく鳴る排泄音にハーモニーのように合わさった。
もちろん音もさることながら、スカートから垂れる下痢便の量は手加減を知らず、ヤマメの足元にドロドロの山を築いた。
そこから放たれる腐敗臭はとてもきつく、鼻をつままなければ耐えららえないほどだった。

ブボッ、ブリュブリュピチピチピチ・・・
「くっ・・・ううううう・・・」

肛門からの容赦ない排泄欲が膀胱を刺激し、黄土色の山に黄金の雫が流れ落ちていった。
その時のヤマメの顔は、涙と鼻水の合わさった何ともいえないものだった。





「ごめんねキスメ、こんな汚いのに後始末手伝ってくれて・・・」
「ううんいいよ。それに実は私も・・・」

同じ致した身。キスメはヤマメに責めの言葉を投げかけず、むしろ彼女の後始末に手を貸した。
ヤマメのスカートは下痢便の跡が残っており、下着ははみ出なかった便の塊のひどい有様だったという。
幸いその翌日から効き目が切れたのか、ヤマメは下痢を最後に病を起こすことはなかった。

ちなみにヤマメが一週間に渡って症状の日替わりを受けたのは、触った時点では免疫によって何ともなかったのだが、他者と違って長時間持っていたことにより、それに比例して効果が長く続いてしまったのである。

その後このドクロの板に触れたことによる病が後を絶たないため、とある店主が拾って店頭に置いたのだが、皆その危険性を知ってか全く売れなかった。
今回はヤマメです。
この幻想入りしたドクロの板が何かわからない人もいると思いますが、実はこれの正体は「ボンバーマン」シリーズのバトルモードで様々な状態を起こすドクロアイテムなんです。
様々な状態を起こすこれなら、病を操るヤマメでも敵わないのでは思いました。爆弾を勝手に置く『下痢』状態があるのが救いでしたw

さて、香霖堂に売り出されたこれがまた一役買う日が来るのでしょうか。
ぐう
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/04/22 12:27:11
更新日時:
2011/04/22 21:27:11
分類
黒谷ヤマメ
スカトロ
お漏らし
幻想入り
1. NutsIn先任曹長 ■2011/04/22 22:10:31
なるほど。ヤマメでも、マジックアイテムじゃあレジストできませんでしたか。
しかも、下手に病に耐性があるから遅効性ときましたか。
アイドルがやらかした姿……、たまりませんなぁ〜。
着衣下痢脱糞、後、キスメとの麗しい共同作業。格式美ってやつですね。

こ〜りん、スカの洗礼を受けましたっけ。あ、いいです。野郎のクソなど見ても面白くありませんから。
すっかり効果の知れ渡ったドクロアイテム。
つまり、これを手に入れる者がいた場合、そいつは悪用すること前提と考えたほうが良いですね……。
2. イル・プリンチベ ■2011/04/22 23:13:10
ヤマメさんもやらかしてしまいましたな。
ドクロの板が怖すぎるぜぇ…
こーりんがやらかすのもこれまた乙なものですぜ。
3. ぐう ■2011/05/05 09:04:54
>NutsIn先任曹長さん
>下手に病に耐性があるか遅効性ときましたか。
そうです、すぐに発症を起こさない病原菌みたいなものと捉えていただければ。
え、こーりんの洗礼? はてさて何のことやらwww


>イル・プリンチベさん
下痢くらって逃げまくったら爆弾に通路塞がれてやられたのはいい思い出ですw
こーりんのやらかしですか・・・さて、どうしようかなぁ。」
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