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『ものの価値』 作者: 冥

ものの価値

作品集: 26 投稿日時: 2011/05/19 23:45:25 更新日時: 2011/05/20 08:49:25
姫は言う

『あらゆるものには意味は無い。全てのものに価値なんてないのだ』

と。
それは永遠を知る者だからこそ 許される言
それは永遠を知る者だからこそ 許されぬ言

姫は続ける

『いずれ朽ち果て 塵となるものに 意味も、価値もあるものか。あらゆる もの は余興に過ぎないのよ…』

と。
自身を置いて 生まれては消える世の中に、姫は何を思うのか…



永琳はいう

『あらゆるものには意味が在る。あらゆるものには価値が在る』

と。
それは永遠を知る者だからこそ 許される言
それは永遠を知る者だからこそ 許されぬ言

『いずれ朽ち果て 塵と成る物だからこそ、今の輝きに価値が生まれる。
 その価値を尊重し 新たなる輝きを創り出せるからこそ、あらゆる者には意味が在るのだ』

と。
永琳は続ける

『固体の儚く、そして短い 余興に過ぎぬ命でも、ものの記憶を後世に語り継いでいく事は出来る。
 其れを続けていけば あらゆるものの意味も 価値も 永遠に紡がれていくのだ』

と。
医者として、かつての月の賢者として、多くの もの の誕生と消滅を見てきた永琳は 何を思うのか…



永琳の言うことなのだから、それも一理あるのかもしれない
それでも私は信じたい
もしこの世が滅び 全ての命が失われる事があれば、今迄培ってきた意味も 価値も まるで無くなってしまうのだと


姫の言うことなのだから、それも一理あるのかもしれない
それでも私は信じたい
全てのものに意味と価値は無かろうと、必ずしも 意味と価値が有るものも在るのだと


それでも私達は信じたい
例え いつか世界が終幕を迎え 全てが無に還ろうと、貴女と生きる『今』だけは
意味も、価値も、あるのだと。
落花流水作成時、ふと思いついたんで ちょいと短編

この二人も喧嘩するときは喧嘩します。
言葉遊びみたいな言い合いのような感じを想像しました。
でもなんだかんだで仲良しです

永遠の立場に居る輝夜と永琳(+妹紅)にとって、気付けば消えていく『者・物』って 何なんでしょうか
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/19 23:45:25
更新日時:
2011/05/20 08:49:25
分類
輝夜
永琳
短編
1. NutsIn先任曹長 ■2011/05/20 09:01:07
姫様は、物事の終末しか見ていない。
お医者様は、物事の今しか見ていない。

姫様は、いずれはゴミとなるものを傍に置きたくないから、
彼女の心はいつも空っぽ。

お医者様は、全て大切なものだから、あらゆるものをかき集め、
彼女の心はいつもごちゃごちゃ。

お姫様はいずれ無価値になるのだからと、あらゆるものを玩具にする。

お医者様は全てに価値があるのだからと、あらゆるものを使い倒す。

あの二人?
ものにとっては、はた迷惑な奴らだろうね。

でもね、あの二人。

ものに出会ったときのキラキラした目は、綺麗なんだ。

だから私は、

永遠に、もののままでいい。

刹那の復讐に価値を見出し、

永遠の腐れ縁をずるずると楽しむ、

復讐者のままで良い。
2. 名無し ■2011/05/20 15:12:02
NutsIn先任曹長さんのコメントも含めて1つの作品に思える。。
3. 名無し ■2011/05/21 18:53:03
もこたんは朽ちていく諸々に執着しそうな気がするんだけど、なんでそう思うんだろうな
未来すら同時並行できる姫様には、朽ち果てるパターンすら興味の対象にならないんだろうけど
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