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『真っ赤な紅魔館』 作者: 汰汲

真っ赤な紅魔館

作品集: 26 投稿日時: 2011/05/29 12:38:13 更新日時: 2011/06/04 00:20:30
 誰かの手に揺り動かされ,私は目が覚めた。ベッドから体を起こし,目の前の人物に顔を向ける。

「お早うございます。食堂でお嬢様がお待ちですよ」

 ニコニコ微笑みながら私にそう告げたのは,紅魔館のメイド,十六夜咲夜だった。
 恐らくはもう朝食の時間で,私を待つのにしびれを切らしたレミリアが遣わせたのだろう。

「それにしても,珍しいですね。あなたがここに泊まっていくなんて」

 私は咲夜のそんな言葉を聞き流しながら,あることを考えていた。
 
 咲夜の二つ名は,『完全で瀟洒なメイド』。……完全で,瀟洒な,従者。まだ自分とそう変わらず,たいして年を重ねてもいないのに,随分な言われようだ。
 そして本人も,そう言われるのを謙遜したりはしないという。
 生意気だ……なんだか殺したくなってきた。

「では,私は先に食堂へ戻りますね。用意が済みましたら,顔を出してください」

 そう言ってくるりと向きを変え,ドアの方へ歩き出したのを確認すると,私はスカートの内側から香霖堂で手に入れたサブマシンガンを抜き出し,咲夜の後頭部に狙いを定める。

「ねえ」
「?何でしょ――」

 咲夜が怪訝そうな表情でこちらに顔を向けると同時に,私はサブマシンガンの引き金を引いた。



 ベッドから降り,着替えを済ませてから,私は改めて咲夜の死体を見下ろした。
 頭――特に顔面が誰だか判らないくらいにぐちゃぐちゃに損壊し,血にまみれている。しかし,首から下の体はさっきまでと変わらず綺麗なもので,銀髪もそれほど汚れていないので,誰かが目にしてもまだ咲夜だと判別できるだろう。
 
 そんなことを考えているうちに,部屋のドアがすうっと開き,妖精メイドが顔を出した。

「あの,なんだか変な臭いが――!?ひいっ!!?」

 床で死んでいる咲夜を見るなり,妖精メイドが絞り出すような声を出す。無理もないが今叫ばれたらマズいので,私は枕の下からショットガンを素早く取り出し,妖精メイドの腹へ向けてトリガーを引いた。
 撃発音と同時に小柄な妖精の体が吹っ飛び,廊下の窓を突き破って下へ落ちていった。
 
 私は窓から下を覗き込んで,内蔵をまき散らして死んでいるのを確かめた後に,食堂へ向かった。



 食堂に一人で座っていたレミリアに,部屋の前で咲夜が死んでいると教えたが余裕の表情で受け流されてしまった。冗談に決まっていると思ってるのだろう。
 しかし,さっきとは別の妖精メイドが真っ青な顔で飛び込んできたためレミリアも顔が青ざめ,猛スピードで食堂から飛び出していった。

 私が追いついたときにはもう,レミリアはの死体の前で呆然と立ちすくんでいる状態だった。
 
 普段の偽りのカリスマはどこへやら,背中の羽がだらんと下がり,口をぽかんと開けた顔を見ているとなんだか殺したくなってきたので,そっと背後へ回りこんだ。食堂で拝借してきた銀のナイフを持ち直し,声をかけてみる。

「レミリア」

 私がそう言うと,彼女はゆっくり振り返った。目に零れ落ちそうなくらいの涙を溜め,今にも泣き出しそうな表情でこちらを見てくる。
 
 思わず抱き締めたいという衝動に駆られたが,彼女がいつもこの館でやりたい放題に威張り散らしているのを思い出し,首を振って誘惑を抑える。
 そして,レミリアの喉に銀のナイフを一閃させた。
 
 レミリアは一瞬,目と口を大きく開いて私の顔を見つめた。次に首に手をやり,すさまじい勢いで血が噴き出す喉元に触れ,口を動かす。目に溜まっていた涙がようやく溢れて頬を伝い,レミリアは後ろ向きに倒れてしまった。

 力の強い吸血鬼で,生命力も相当なものだと聞いていたが,そうでもなかったらしい。目の前でもはや小さく痙攣するだけになったレミリアを見て,私はそう思った。
 
 そのままほったらかしておこうと思ったが,傷が回復してしまうかもしれなかったので,心臓にナイフを突き立て,館の中庭まで運んで転がしておいた。
 
 あとは気持ちのいい朝日が仕事をしてくれるだろう。

 日が昇るよりも先に,私は紅魔館を後にして飛び立った。
初投稿です。 
さて、これは誰でしょうか

6/3 遅れましたが、多くの評価ありがとうございました!
犯人は霊夢ですが、何でこんなことをしたか?紅魔メンバーについての私のイメージをぶちまけたかったからです。
…すみません。霊夢大好きです。

それとNutsInさん、とても参考になりました!次はこういう失敗は起こさないようにします。うー
汰汲
作品情報
作品集:
26
投稿日時:
2011/05/29 12:38:13
更新日時:
2011/06/04 00:20:30
分類
紅魔館
1. 名無し ■2011/05/29 21:43:11
知るか
2. 名無し ■2011/05/29 22:02:56
え?NutsInさんじゃないの?
3. 名無し ■2011/05/29 22:29:51
まさかのクイズ形式
4. 名無し ■2011/05/29 23:05:33
俺だ
5. 名無し ■2011/05/30 06:33:07
お前じゃねえよ、俺だよ
6. 名無し ■2011/05/30 23:19:03
俺じゃないな。こんな事する訳ある
だろjk
7. 名無し ■2011/05/31 23:02:55
咲夜が自分とそう変わらず、ってことは人間か?
あと紅魔館に泊まるのは珍しいらしいが・・・わからん
8. 名無し ■2011/05/31 23:41:42
レミリアが待っていて、咲夜と近い年齢となると
霊夢ぐらいしか思いつかない。後は、早苗とか?
9. NutsIn先任曹長 ■2011/06/01 01:13:12
え!? 私!?
私はスカートなぞ履かないし、生憎と枕の下に仕込めるサイズのショットガンは持ってません。

実際誰だろう? 咲夜さんに年が近いって事は人間の少女か?
空を飛べる能力持ち、と。
霊夢や魔理沙は紅魔館に頻繁に止まっているような気がしますし。
早苗だったら些細な理由で殺戮をやりそうですけれどね。
叫ばれたらマズいって、十分に銃声は轟いているだろうに。
香霖堂に出入りしたことがあるといったら、確か妖夢もそうだよな。銃を使ったのは剣士だとばれないようにとか。
10. 幻想保査長 ■2011/06/04 18:08:09
ドア閉めているのに硝煙の臭いを嗅ぐメイド妖精スゲェな。
枕に隠せれる大きさの散弾銃・・・ソードオフのイサカM37かオートバグラーしか思いつかないな
犯人霊夢か。魔理沙当たりだと思っていた
先任曹長のスカート姿・・・だと・・・?
11. 名無し ■2011/06/08 23:49:33
血の匂いだと思う
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