幻想郷的詩集　『妖々夢編』

『私が好きな冬色』　レティ・ホワイトロック

ホッとするような冬の中
ワイワイ遊ぶ子供達
イッパイ遊んだ今日は帰ろう
トントン我が家の戸を叩く


　＊　＊　＊


『楽園、マヨヒガ。』　橙

香る陽光に包まれて
丸くなっては縁側にごろり
いつまでも続け　オレンジの日々よ


　＊　＊　＊


『魔性の人形師』　アリス・マーガトロイド

今、私が体を与えましょう。
今、私が命を与えましょう。
今、私が魂を与えましょう。

そして

今、私の為に散りなさい。


　＊　＊　＊


『負の価値』　ルナサ・プリズムリバー

笑顔だけでは不完全。
時には憂鬱もいかがだろうか。
泣きたいならば泣けばいい。
下らぬ仮面は脱ぎ捨ててしまえ。


　＊　＊　＊


『応援歌』　メルラン・プリズムリバー

何を落ち込んでいるの？

悲しい事があるなら、上を向いて歌おうよ。

下手っぴだって文句はないよ。

それがあなたのメロディだから。

誰にも価値は決められないんだ。


　＊　＊　＊


『まぼろしの音色』　リリカ・プリズムリバー

私の音は半透明
ビー玉の中の濁り色
様々な色を映し出す

ああ幻想よ永遠であれ
儚き色の我が友人よ


　＊　＊　＊


『己の在り方を想ふ句』　魂魄妖夢

我が命
刀の如くを望むなり


　＊　＊　＊


『散華』　西行寺幽々子

さくら　さくら　儚げに

咲きし清き花弁よ

どうか　どうか　我が友の

その代わりに散ってくれ

あなたと共に私も散るから


　＊　＊　＊


『離し　掴み　離さず』　八雲藍

一度は離したあなたの手
おかげでお先は真っ暗さ

二度目は離さぬあなたの手
おかげでお先は明るいさ

私の愛する上と下
私を離さず留めていてくれ


　＊　＊　＊


『ボーダーライン』　八雲紫

真実と嘘は裏表
近くて遠い境界線

あなたは表？それとも裏？

それは本当？間違いじゃないの？

考え出せば止まらない
思考は魔性　魔性の狂気

境界線は　誰にも分からない