食事

乾燥した草原からの風が毎秒心と体を洗うようだ。
空はすんだ明るい水色で、カラッと晴れている。
まるでこの国の国旗のようだ。

私はその壮大な空の下、テラス席の白いテーブルで、
分厚いステーキを頬張る。うまい・・。
赤身の肉はレアで、噛むごとに血と肉汁と強烈なうまみ、
そして塩コショウが肉の表面でこげた若干のスモーク香。
これはたまらない。

飲み物はこの土地名産の赤ワインだ。
この上なくさわやかでそれでいて落ち着いた果物の香り、
味は甘ったるくなく、酸味と渋みが心地よく口を刺激し、
飲み込むと今しがたの食事がよりいっそう
すばらしい余韻になるのだ。

なんか、金髪ででかいとんがり帽子をかぶったチビの女が
だぜだぜいいながら寄ってきたが、無視した。
うまいメシを食っているとき、女は邪魔なだけの存在だ。
食い終わるまでどっかいってろ。

ここはウルグアイ東方共和国。いいところだよ。