人生ボード

作品集: 28 投稿日時: 2011/08/21 23:44:30 更新日時: 2011/08/21 23:44:30
無縁塚に存在する。外の世界のゴミ

その中で、異色を放つ綺麗なホワイトボードが落ちていた。

文字を消すスポンジ、文字を書く水生ペンも置かれていた

ここまでセットが揃っているのも珍しかった。

何より、それは新品のように綺麗だった。

持ち帰って、実用として使おう。と何故か思った。

何より、少しだけもったいない気持ちがあったからだろう。






持ち帰ると、まず何を書こうか考える。

僕は、そのボードにまず日付を書いた。

今日の日付、8月4日

今日は特に何も無い日なのだが、別に良いだろう。

何を書こうか。何も頭に浮かばない

とりあえず、今日拾った物を書いていこうか。

ミキサー

ペンギンの時計

三輪車

レコード

こんな所だ

もう書くことが無くなってしまった。

良いだろう。別に

また次の日に考えればいいさ。

今日はもう遅い。明日を待とう。










次の日、ボードの方を見てみた。

《8月4日 

ミキサー

ペンギン時計

三輪車

レコード》

何も変わりない。

他の事を書こうか考えていたが、何も思い浮かばない。

なんで昨日の僕はこんな無責任な事をしたのか、昨日の僕に問いたいと思った所だ。

そこで、ある事を思いつく

『値段でも書いてみるか』

正直に言えば、値段なんか客との接待で大体決めるのだが、

こうなれば別だ、最初から決まっていたほうが面白いだろう。

《8月4日

ミキサー 1340円

ペンギン時計 1000円

三輪車 2000円

レコード 200円》

こんな所か。

値段を考えるという事は、意外と暇をしない事だ。

ちょっとだけ楽しかった。

しかし、客が来ない。

本でも読んでみよう

『霖之助さん、入るわよ』

嫌なタイミングで、霊夢が来た

『何よその顔は』

霊夢が、不穏な顔で僕を見ていた。

呆れため息を吐いた僕は、本を置いて話をする

『で、何しに来たんだい?』

『別に、いつも通りでしょ』

霊夢がそう言って、ずかずかと店の中に入ってくる

茶と菓子を取っていく。いつも通りだ

『あら?霖之助さんそのボードは?』

霊夢が。ホワイトボードに気がついた。

『気づいたかい?これは無縁塚で手に入れたボードでね、大層珍しくは無いんだが、実用性があると思い、この店に……』

『それにしては、あまり良い事書かれてないわね。物とその物の値段』

霊夢が、今失礼な事を言った気がした

『まぁ、良いんじゃない?値段が分かれば、どれくらいツケが溜まっているか分かるもの』

『どうせ払わないくせに。』

『別に良いじゃない。ええと……このレコード100円ですってね。安いわ。貰っとくわね。ツケで』

ほら、やっぱり払う気が無い

そう言って、霊夢がレコードを貰って言った。

たった100円くらい、払ったらどうなんだ。

そう思って、僕はボードを確認する。

ちょっとだけ筆圧が変わっている気がするが、多分気のせいだろう。











次の日、ボードには妙な物が書かれていた。

昨日書いた物と値段の横に

《無縁塚に行け》

と書かれている。

魔理沙のいたずらか。馬鹿馬鹿しい

僕はそのボードを消して、読書をした







次の日、文の朝刊が届く

一面には、大きくこう書かれている

《無縁塚、そこで大きな埋蔵金が埋まる》

その記事を見て、頭の中にどこか引っかかる

僕は、再びボードを見る

だが、そこには一昨日書いた物と物の値段しか書かれていない。

当然だ、昨日の文は消したのだから

物凄い勢いで、霊夢が僕の店に入ってきた

『霖之助さん!!今日の朝刊見た!?』

そう言って、新聞の一面を僕に見せた

『霊夢、君が持っている朝刊は何だ?どこか血がついているように見えるが……。』

『そんな事言ってるんじゃ無いわよ!!埋蔵金よ!!埋蔵金!!!』

霊夢の目が爛々としている。

店の外では、一匹の妖怪がボコボコにされた姿で気絶していた。

『それがどうしたんだ?どうせもう掘られている後だろう。』

『そんな事言ってるんじゃ無いわよ!!まだ残ってるかもしれないのよ!ほら霖之助さん!これ!!』

そう言って、霊夢はスコップを投げてきた

『探しに行くわよ!!』

僕は溜息混じりで霊夢の後をついていった。



辿り着いた先には、他の人間達がいた。

おそらく、朝刊に聞きつけた人達なのだろう

『コラー!!ここは私が掘る場所よ!!出て行きなさい!!』

霊夢の声に全く耳を貸さない人間達は、黙々と掘り続ける

歯軋りを立てる霊夢は、悔しそうな顔で人間を見る。

そして僕の顔へと振り向いた

『霖之助さん!こいつらには負けないわよ!!さぁ!さっさと行く!!』

そう言って、僕はあるわけの無い埋蔵金の残りを掘り起こす作業を手伝わされた。

で、結局見つかったのは10円玉だけだった。







悔しがる霊夢はとぼとぼと悲しい背中で神社に帰って行った。

ちょっと可愛そうな気もするが、それ以上に機嫌が悪そうだったので、僕は何も言わなかった。

家に帰ると、ホワイトボードには、また勝手に書かれていた

《埋蔵金はあったか?》

うるさい

僕はそう呟いてそのホワイトボードを消した

そして、途中だった朝刊を読むことにした。

しかし、埋蔵金の記事意外は全く薄い物ばかりだった。










次の日、魔理沙が店に入ってくる

『邪魔するぜ!香霖!!』

嬉しそうな顔で、店の中にずかずかと入ってくる。

そして、ホワイトボードに目をつけた

『お!!香霖。このボードに書かれてるのは……値段か』

魔理沙はそう言って、ボードをマジマジと見ていた

『………見たことあるんじゃないのか?』

あのボードに書かれた文字が、魔理沙の物だと考えていた僕は、そう呟く。

だが、魔理沙は

『お!このミキサーっての結構良い物じゃねえの?これでキノコスープが簡単に作れそうだぜ!!香霖!!これくれよ!』

聞こえていないかのように、ミキサーを取り出す

『そうだな、ちゃんと書かれている値段の通りに金を払えば、譲ってやらないことも無い。』

『たった1000円の品にそんなケチケチ言うなよな!』

ん?千円?

『何を言ってるんだ?この品は……』

僕はボードを見た。

ミキサーの隣には……

《ミキサー 1000円》

値段が、変わっていた。

変わっていた値段が書かれていた。

『……魔理沙、値段を勝手に変えたな?』

『は?何言ってんだよ香霖。タダで貰うってのに書き換える必要なんか無えじゃねえか』

言われてみればそうだ。

魔理沙は勝手に物を持っていってしまう。値段を変える事なんか……

ん?タダ……?

『じゃ!また来るぜ香霖ー!!』

僕は猛スピードで出て行こうとする魔理沙を呼び止めようとしたが、もう遅かった。

とっくに彼女は、どこか遠くに飛び去って言った。ミキサーを持って

溜息を吐いた僕は、その場で腰を下ろした

ボードに目をやると、また文字が書かれていた

《埋蔵金はいくらだった?》

うるさい

僕はその心情をボードに書いた。

《うるさい》

全く、魔理沙の奴も懲りない奴だ。

どこか嫌がらせしているのだろうか。そんなに僕が嫌いか。

溜息を吐いて、読書をしようとする。

その本は、もうすぐで終わりそうであり、10分で読み終わるだろう。





本を読み終えた僕は、大きく欠伸する

そして、他の本を読もうと後ろに振り向くと、ボードには、また何か書かれていた

《ああ、取られた後だったんだな。》

一体、誰が書いたのだろうか。

思い当たる節もない。

読書中に、誰か入ってきた覚えも無い。

それに、ボードは僕のすぐ後ろに飾っている。誰かが来たら分かるはずだった。

だが、今ここで書かれている。

僕は、もう一度そのボードに目を移す。

そして文字を消し、文字を書くことにした

《誰だ?お前は》

書き終えた10秒後、驚くべき事が起こる。

書いた文字が、徐々に消えていくのだ。

そして、また新しい文字が浮き出る

《僕か?僕はボードだ》

それはまるで、ボードと話をしているようだった。

《このボードと話をしていると言う事になるのか?》

僕がそう書くと、ボードからまた新しい文字が浮き出る

《そうなるんじゃないかな?》

《だが、どうして埋蔵金の場所が分かった?》

埋蔵金の事を書くと、ボードはしばらく動かなかった。

一分、そして5分経った所でボードの文字は消える

消えた文字の上に、また新しい文字が現れた

《このボードも、無縁塚に落ちていたのだろう?》

なるほど、

理由としてはギリギリ十分だった。

おそらく、一緒に落ちてきたときに埋蔵金があったのだろう。

だが、その埋蔵金は埋まっていたはずだが、

その事に関しては、聞かないことにした。面倒臭い上に、おそらく僕には理解仕様が無い

《このボードは、一体何者なのだろうか?》

僕がそう問いかけると、また文字が消えて新しい文字が現れる

《ただのボードさ。ちょっとだけ予知能力がある》

予知能力?

《悩み事があれば、なんでも相談するが良い。なんでも聞こう》

ボードがそう言っていたので、僕は早速相談することにする

《物を盗って行く魔法使いと、店に入ってくる巫女がいるのだが、そいつらはどうすれば良いだろうか》

そう書くと、今度はかなり時間がかかる

1時間経って、ようやく返事が返ってくる

《殺せ。それが嫌ならば我慢をしろ。時が経てば彼女達も大人しくなるさ》

なるものなのかな。

今は耐えることしか出来ないって事か。役に立たない。

僕は返事もせずに、そのまま眠ることにした。









次の日

今日は魔理沙と霊夢に宴会を誘われた。

正直、物凄い行きたくない。

行ったら、何か起こるのだろうか。

いや、もし何か起こらなくても行きたくは無いな。

悩んでいるうちに、僕はボードに目をやった。

そうだ、こいつに相談しよう。

僕は早速水性ペンを持つ

《今日、魔理沙と霊夢に宴会を誘われた。行きたくないのだが、どうすれば良いだろうか》

すると、すぐに返事が返ってきた

《無理だろう。多分》

どういう事だ?

瞬間、店の扉が開かれる

『おおい!!香霖!!とっとと行くぞぉおぉおおおお!!!!』

酔っ払っている魔理沙が、乱暴な口で僕を叫ぶ

横には、霊夢が居る

僕は急いでボードに文字を書く

《頼む、何か方法があるはずだろう?》

《諦めろ、従え、従うんだ。》

《この通りだ!なんとかしてくれ!》

『ねぇ霖之助さん?行くの?行かないの?』

正直、行きたくない

行けば、後片付けはほとんど僕に押し付けるに決まってるし、

酔っ払った少女達は、相当性質が悪い

出来れば今日は、店の中でゆっくり読書をしたいものだ。

『こぉぉりん!!こぉぉぉぉっおおおおおおおおっりぃぃぃいいいいいいいいいん!!!!』

魔理沙の大声が、店に響く

その瞬間、ボードからまた文字が現れる

《ならば逃げれば良い。今日一日、宴会が終わるまで。》

それも面倒臭い。

どうしよう。頭の中で会議が始まった。

『霖之助さん?ちなみにNOと言うなら、せめて挨拶はしていかないとねぇ……?もう皆に”彼は来る”と言っちゃったんだからねぇ…



無責任だ、非常に無責任だ。

やはり何をされるか分からない上に、強制的に連れて行かれる。

よし、逃げよう

僕はボードを持って窓から逃げ出した

『あ!!逃げたぞ!!』

『追うわよ!魔理沙!!』

二人が予想通りに追いかけてくる

僕は、走りながらボードに文字を書く

《店から出た、どこに行けばいい?》

すると、ボードからすぐに返事が返ってきた

《自分の気のままに走れ》

僕は、すぐに返信した

《ちょっとくらいはどこに曲がるか、どこの方角に行けば良いか教えてくれても良いと思うのだが》

《……君は、このホワイトボードのどこかに目があると思っているのか?僕はこの状況を把握できてない。し、そこまでは協力できない



このボードは色々と無責任だ。

しょうがない。

僕は頭のままに逃げていくことにした。

右に行こうとした

『居たわよ!魔理沙!』

霊夢が居た。真っ直ぐ進むと

『観念しろ!香霖!!』

魔理沙が居た、こうなるともう道は一つしかない。

僕は必死に左に曲がった。

そこに曲がり、僕はさっさと走った。

年のせいか、すぐに息が切れる。

向こうに、ようやく森を抜けられる道を見つけた。

その道を進み、森から脱出した。

脱出すると、そこには酒を飲んでいた少女達が居た

『あ、店主さん。ご無沙汰しています』

見覚えのある顔から、初見の顔まで、さまざまだった

後ろから、二人の少女が現れる

『あらら?やっぱり霖之助さんも行きたかったんじゃない?』

『おい香霖、行きたかったら行きたかったと言えば、連れてってやったのによぉ。』

こいつら……。

ここに連れてくるように、計算をしていやがった……

『おお!お前が霊夢が行っていた店主か!まぁこっち来いよ!!』

やけに元気な少女が、僕の袖を引っ張る。

『へぇ……話に聞いていた通り、結構可愛い顔してるわね』

『おい店主、酒は飲めるな?郷一番濃い酒だ、飲め飲め。』

『店主、何か面白い事出来るよね?ちょっと私を喜ばせなさいよ。』

皆の目が、怖い

ここまで注目されるのは慣れていない為、嫌な気持ちになる

『どーん!!』

すると、今度は一人の女性が僕の上に乗っかる

『ずりい!!私も私も!!』

今度は、他の女性達も重なるように乗ってくる。重い。

これだから、酔っ払いは苦手だ。

酒など、やはり一人で飲んだほうが良いな。そう実感させてくれた。











次の日、

昨日はかなりの酒を飲まされ、頭がガンガン痛い。

これでは読書する気もままならない。

僕の寝床の近くに置かれたボードには、また文字が書かれていた

《大丈夫だったか?》

《そんなわけが無いだろう。》

僕はそう書くと、すぐに返信が返ってきた。

《そうか…災難だったな。だけど……》

”だけど”の部分が、何故か消されていた。

何が起こったのだろう、僕は再び文字を書く

《だけど、なんだ?》

《なんでもない、忘れてくれ》

ボードはそう書いて、そして文字が消えた。

何が言いたかったのだろうか。

ふん、と溜息を吐いた僕はそのまま座り込んだ。






一週間後

ここ一週間、魔理沙が店に来ない

何が起こったのだろうか。少しだけ心配になってきた。

その悩みを、ボードに書いた。だが書いても返って来る言葉は

《君には関係の無いことさ》

だけだった。

何なんだろうか。

そう悩んでいると、霊夢が店に入ってきた

『ごきげんよう。霖之助さん』

『やぁ霊夢か。ごきげんよう』

僕がそう言うと、霊夢の表情が少しだけ複雑そうな顔をしていた。

悩んだ僕は、霊夢に悩みを問いた

『霊夢、魔理沙の事なんだが……』

その話題を出すと、霊夢はまた黙り込む。

一体、何の事があったのだろう。

『霊夢?一体魔理沙は……』

『魔理沙、魔理沙って……。』

霊夢が、俯きながら声を呟く、どうやら怒っているようだ。

察知した僕は、そのまま声を引っ込む

『いや…。なんでも無いんだ。』

そう言うと、霊夢は落ち着いていった。

どうやら、やはり魔理沙に何かがあったようだ。

だが、これ以上は何も聞かないことにした。

『………帰るわ』

霊夢はそう言って、ただそのまま帰って言った。

何なんだろうか。僕は疑問を感じた







1ヵ月後、魔理沙が店に入ってきた。

隣には、誰か知らない男が立っていた

『いらっしゃい。魔理沙、この人はお客さんかい?』

とりあえず、見知らぬ人には挨拶をする事にする

その男の人は、僕の方に歩み寄ってきて、言葉を発する

『……どうしたんだい?』

そう問うと、男は声を出して言った

『………僕たちは、結婚します』

正直、驚きを隠せなかった。

僕は魔理沙の方を見た。魔理沙は俯いていた。

何かあったのか知らないが、どうやらそう言う事らしい。

なんだ、そうならそうと言ってくれれば良いのに。

『そうか……。それはまた唐突だね。』

『はい。僕は初めて出会ってから、ずっとアプローチを続けて、今の関係になりました。きっと、きっと幸せにしてみせます。ですから

、どうか……』

男がそう言って、僕も真剣な顔になる。

そして、ある一言を言う

『……と言っても、僕は魔理沙の保護者じゃ無いからね。』

そう言って、男の方の目を見た。

僕は、男の目にこう言った

『それで、本当にその気があるんだね?』

男は黙っている。

そして、僕は話を続けた

『これからずっと一緒に居て、ずっと支えあって、そしてずっと一緒に居るという覚悟があるんだね?』

『はい』

男は、あっさりと答えた。

その自身には、僕も驚いたくらいだ。だが、その潔さが僕の心を打ったのだろう。

僕は何故か満足した。

そして、笑顔になる

『……そうか、ならよろしい。』

僕がそう言うと、魔理沙の目は見開いて僕を見ていた

『幸せにしてあげなさい。そして魔理沙』

僕は、魔理沙の方を見る

『幸せになってくれ』

精一杯の笑顔を見せて、僕は手を上げた

その手を見て、魔理沙は泣きそうな顔になっていた。

その顔は、喜びと、悲しみが混ざったような、複雑な心境にも思えた

男の顔は喜び、僕に精一杯の頭を下げた

『ありがとうございます!』

そう言って、男はさっさと帰ろうとした。

『それじゃぁ、行こうか』

『………あ、うん…。』

魔理沙は、ただ帰っていこうとせず、

『先に帰ってくれ』

と言った。

そして、男はそのまま帰って行った。

喜んでいた男とは対照的に、魔理沙は少しだけ暗い表情をしていた。

『……なぁ香霖』

魔理沙が、寂しそうな声で言った。

『………香霖は、私が結婚して寂しいとは思ってないか?』

『そうだね、少し寂しいよ』

僕は、笑顔で答えた。

霧雨の親父さんの娘が結婚するのだ。

親父さんの結婚ですら、喜んでいた僕は、多分身内の結婚を祝うタイプなのだろう。

……よく考えれば、親父さんの結婚式の場合では、タダ酒が飲めるとして喜んでいた気もするが

『……香霖は、人を好きと思った事は無いか?』

魔理沙は、すがるような言葉でそう言っていた。

僕は、その言葉に返事をする

『僕は、恋をしないと決めている。』

その言葉を聴いて、魔理沙は俯きながら笑顔になる

『ああ…そうか。そうだもんな…。お前はそう言う奴だったからな…。』

そう言って、魔理沙は顔を上げて、精一杯の笑顔を見せた。

瞬きをしたからか、一滴の涙が流れ落ちた

『さよなら』

そう言って、駆けて走って言った。





一週間後

今日は、魔理沙の結婚式だ。

当然、僕は行かなかった。

何故か、行く気がしなかったのだろう。

祝いたい気持ちはあった……か分からないが、

多分、子から離れる親の気持ちか、妹から離れる兄の気持ちなのだろうか。

行ってしまえば、何かが壊れる気がした。

僕は、ボードにまた悩みを書く

《今日、魔理沙が結婚する。幸せになれるだろうか。》

そう書くと、返事はすぐに返ってきた。今まで以上に早く

《一番不安なのは、自分じゃ無いのか?》

その返事は、あまり意味が分からなかった

《どういう事だ?》

《なんでもないさ。それより魔理沙は本当に幸せなのか……だっけか。多分そうであって、そうでもないだろう》

この返事は、益々意味が分からなかった

《まぁ、時が経てば分かるかもしれないな》

それだけ書き残して、後は何も書かれなかった。










一年後

魔理沙に子供が生まれたそうだ。

魔理沙が子供を持って家に入ってくる

『どうだ!可愛いだろう!!』

自信満々で、魔理沙が叫んだ。

思えば、夫が居ないのだが、

『ああ、そうだな。とても可愛いよ』

僕はそう言って、魔理沙の娘を抱き上げた。

金髪の子供、母親にそっくりだ

『ところで、夫さんはどうしたんだ?』

魔理沙にそう言うと、魔理沙は少しだけ不機嫌な顔になる

『ああ……あいつなら仕事が忙しくて来れないってさ。……ったく。こっちの身も聞けってんだ。』

そう言って、愚痴を言っていたが、僕はほとんど無視した。

それよりも、魔理沙の娘と遊んでいた。

まだ言葉を発せ無いらしく、ただ無邪気に笑うだけだったが

それが、昔の魔理沙と思われる。

すると、魔理沙は娘を僕から取り上げた

『んじゃ!今日はここまでな。私もこれから仕事があるんだ!』

そう言って、入り口から出ようとした。

やはり、彼女は大人になっていくのだな。そう実感しながら、前を見ていた

すると、魔理沙はそこで立ち止まる。

出て行く一歩前で、魔理沙は言葉を再び発した

『……香霖』

魔理沙が、また口を開く

『……私さ、私の実家に香霖が来た時から、子供の時から、私はさ……。』

そう言いかけた瞬間、急に娘が泣き出した

『うわわ!!悪い悪い。ほらほら、泣き止め泣き止め〜』

娘の泣き声が、まだ泣き止まない

『うわああ!!香霖頼む!!』

『ええ!?』

いきなり降られた僕は、驚きを隠せなかった。

僕が娘を抱き上げると、娘はすぐに泣き止んだ。そして笑顔になる。

その様子にほっとした僕は、すぐに娘を魔理沙に返した。

その様子を見ていた魔理沙は、呟く

『……香霖は良い父親になれると思うぜ』

そう言って、箒にまたがり、家へと帰って言った。

帰って行った後、この店は急に静かになる。

そこで、僕は振り向くと、懐かしくボードが置いてあった。

そのボードに、文字を書き込むことに

《魔理沙の娘を見た。》

そう書き込むと、ボードには返信が無かった。




そして翌日、そのボードには返信があった

《そうか》

たったそれだけだった。

そしてその次、また文字が現れる

《また厄介な子供に育つだろうな》

その言葉を聴いて、僕は少しだけ可笑しかった








一週間後、

霊夢が、急に店に入ってくる

何も挨拶をせずに、店に入ってきた

『うあっ』

少し驚いた僕は、少しだけ後ろ下がった。

すると、霊夢は僕の方に近づく

『どうしたんだい?随分久しぶりだけど』

思えば、半年近く彼女の顔を見た事は無い。

そう思っていた時、彼女は僕の腕を掴む

『……霖之助さん』

彼女の両手は、僕の服を握る

『……魔理沙は、もう結婚しちゃったんだよ』

その声は、少しだけ寂しそうな声だった。

『だけど、どこか安心した私が居る。』

そう言って、抱きついたまま離れない

そして、僕の膝の上に乗る

『魔理沙、昔から霖之助さんの事、好きだって言ってた』

その言葉は、少しだけ驚くべき事実だった。

正直に言えば、僕はただ霧雨の親父さんの娘 という認識でしかなかった為、

向こうも、ただ父親の弟子だったという認識しかないと思っていたが、

そうでは無かった。という事になる

『その時、私は少しだけ戸惑った。私も、同じだったから』

どういう事だろうか。

一瞬、理解が出来なかった。

『ねぇ、霖之助さん。私は……滅多に人には”さん”を付けないのよ』

そう言って、霊夢は僕の顔に近づいた。

そこから後は、思い出したくない。

残暑だったから、暑かった覚えがあるし

ほとんど、僕は押さえつけられていたから。












翌日

霊夢は、裸だった自分に服を着せて、僕の前に立った。

そして、小さく唇を合わせた

『霖之助さん。好きだった』

そう言って、彼女は店の椅子に座り込んだ

『私の傍に、居てくれない?』

少しだけ、自身がなさそうな声

僕は、その声に普通に返答をする

『………勝手にしてくれ』

もう、何かがどうでも良くなったのだろう。

そう、僕は言い捨てた。






その日を境に、霊夢は僕の店に出入りして、泊り込む事も多くなった。

思えば、その日から、笑顔が多くなっていって言った気がした。

そして、僕の店に結構人や妖怪が来ることが多くなった。ほとんどは冷やかしだが、

どうやら、僕は博麗の神主になっていたらしい。

霊夢の顔を見ると、ただ笑顔になるだった。

全く、勝手な奴だ







ボードに、現状を書く

《僕は、博麗の神主になった》

そう書くと、ボードにはある言葉が書かれた

《後悔する事になるぞ?》

《もう逃げられない》

そう書くと、ボードからまた言葉が書かれた。

《………これは予想外だった》

そしてそのまま、ボードはまた言葉を書かなくなった










1年後、霊夢に子供が生まれた

その子供は、僕の息子だろう。まだ小さかった。

その子供を抱きかかえ、僕は店に入る

その瞬間、魔理沙が店に入ってくる

『よぉー!!霊夢!香霖!子供産んだってな!』

二歳になった娘は、どうやら不安定ながら歩けるようになったようだ。

プルプルと、少しずつ歩こうとしている。

そして、霧雨の娘は僕の足の元へと歩んで行った

『ふぅん。どうやら魔理亜は香霖がお気に入りのようだな』

魔理沙がそう言うと、霊夢はムッとした表情になって、僕の腕を掴んだ

『霖之助さんはもう、私の物よ。』

そう言うと、魔理沙は陽気に笑い出す

『はっはっは!!取ったら恐ろしい事になるから、手は出さねぇって!』

そう笑っていたが、僕はどうにも引っかかることがある

魔理沙が結婚してから、夫には出会ったことが無いのだ。

そのことについて、魔理沙に問いてみる

『……魔理沙、夫はまた仕事かい?』

『夫?んん、ああ。別れた』

その言葉に、僕は一層驚いた。

『……どうして?』

『なんか……なんだろうなぁ……うん。あれだ。なんか重たい。とか理由で。そんな感じ』

なんと言う事だ。

そんな簡単に切れる絆だったのだろうか。魔理沙とあの男との関係は

『だけど、一人身になった事でまた自由になれたぜ!!』

そんな魔理沙は、笑顔でそう言っていた。どうして笑顔なのかまだ分からない

『……でも、子育てとか大変じゃないの?』

『大丈夫だ!なんでも、構いすぎると駄目に育つっつうからな!私の躾は厳しく優しく!放任主義って奴さ!』

いかにも魔理沙らしいが、どうにも不安がいっぱいだ。

さすがに霊夢も、これには呆れているのだろう。溜息を吐いていた

『んで……これが香霖の子供か……。香霖そっくりだな』

そう言って、魔理沙が抱き上げようとすると、霊夢が怒鳴り声を散らす

『ちょっと!勝手に触らないでよ!!』

その威嚇の声に、子供二人が泣き出した。

僕はすぐに子供をあやし、魔理沙も子供をあやしていた。

どうやら、そこまで放任しているわけではなさそうだ。

『おいおい……そんなに怒る事無いだろうに……』

魔理沙がそう言うと、霊夢はフンと首を横に振った。

どうやらむくれている様で、こっちに向いてはくれなかった。





魔理沙が帰り、霊夢が眠りに静まった頃、僕は起き上がり、ボードに手を取る

そのボードに、また悩みを書いた。どうやらこれが日課になっているようだ。

妊娠の記録とか、よくボードに書いては相談している。僕も結構暇なのだろう。

《子供が産まれたのだが、僕の子供は大丈夫だろうか。》

《育て方による。》

真っ当な質問の返され方をされると、なんだかムカツク

他にもう一つ、気になる事があった

《魔理沙が別れて一人身になったらしい。子供は大丈夫だろうか。》

そう書いた瞬間、文字が消される。

そして、また新しく言葉が書かれた

《大丈夫だろうけど、あまり仲良くしすぎないようにな。》

そう書かれていた。

仲良くしすぎないように、どういう事だろう













三年後、息子が立って歩くことが出来るようになった時、

魔理沙が、娘を連れて店にやってくる。最早恒例だ

魔理沙の娘が、僕に懐くように寄ってくる。

息子の方には、寄りもしない。

それどころか、魔理沙の娘はボールを息子に投げつけて苛めていた。

『ちょっとー!!』

怒った霊夢は、息子を抱きかかえながら、魔理沙の娘を怒鳴った。

だが、魔理沙の娘は、ただむくれてそっぽ向いていた。

『おい、魔理亜、ちゃんと謝れ』

母親の言う事も聞かず、ただ違う方向を向いていた。

『おい!コラァ!!』

言う事を聞かなかった娘に腹が立った魔理沙は、怒った声で怒鳴る。

一瞬ビクリとなったものの、やはり口を開かなかった。

溜息を吐いて僕は魔理沙の娘の頭に手を置いて、話した

『……ちゃんと悪いことをしたら謝らなくちゃいけないよ。』

僕がそう言うと、魔理沙の娘はションボリ俯いた。

そして、大きく歩いて息子の方に近寄る。

『……ごめんなちゃい』

そう言って、魔理沙の娘は頭を下げた。

すると、息子は笑顔になって許した。まだ言葉を発しないが、

これを見ていると、ボードの言葉が頭によぎる

《あまり仲良くしすぎないようにな。》

どういう事か、あまり良く分からなかった。

良い方向に向かっていると思うのだがな。














さらに3年後、

魔理沙の娘と僕の息子は、大きく成長して言った。

そのたびに、魔理沙の娘と僕の息子は仲良くなっていった。

まるで、本当の姉弟のように。

どちらかと言えば、僕の息子が一方的に引きずられているようにも見えるが。

そして、相変わらず霊夢と魔理沙の娘は仲が悪かった。

魔理沙の娘は、霊夢に対しては”怒鳴るおばさん”だと思っているらしい。

まぁ、自業自得だと思うが。











1年後、掃除をしていると無縁塚に拾ってきたボードがあった。

懐かしいと思い、拾ってみると、

そこには、消し後と文字があった。

《今はお前は、幸せか》

そう書かれているのを見て、僕は返事をする

《ああ、幸せだ》

そう書くと、今度はすぐに消された

そして、文字が書かれた

《……そうか。だけど、ここまでかもな》

どういう事だろう

その時は、あまり何も考えていなかった。






一週間後

霊夢が死んだ

息子が魔理沙の娘と一緒に森を探検したところ、妖怪に会い、

息子を助ける為に霊夢は妖怪を撃退しようとしたところ、息子が弱点だと察知された霊夢は、

隙を突かれ、死亡したようだ。妖怪と相打ちに

葬式当日、

息子は泣いていた。

だが、僕はただ抱きしめることしか出来なかった。

魔理沙は、ただ悲しそうな顔で霊夢の死に顔を見ていた。

魔理沙の娘も、泣いていた。

あんなに嫌っていたのにも関わらずだ。

霊夢の死で、悲しまない人は居ないのだろう。

そう思った。瞬間だった。

今日から、息子は自分の手一つで育てなければいけない。

自身は無かった。だけど、やるしか無かった。

そう決心して家に帰ると、息子は泣きつかれたのか、すぐに眠りに付いた。

それを見て布団をかける。その後、玄関に付くと、魔理沙が立っていた。

『………何しに来たんだ?』

僕がそう言うと、魔理沙は言った

『………香霖、おんなじになっちまったな。』

魔理沙の顔は、悲しそうな顔をしていた。

『私も……男に捨てられて、一人身でこいつを育てて来たんだ。ほら、こんなに大きくなるまでな』

魔理沙の手には、眠っている魔理亜が居た。

『だからよ……。これから、いや……。図々しいかもしれないな。』

『言ってみれば良い。話はそれからだ』

僕が言うと、魔理沙は少しだけ躊躇いながら答える

『……その、一緒に……暮らしてくれねえか……とかさ……。そう思っちまった。』

僕は、特に驚きもしなかった。

そう思うのは、当然だと思ったのだろう。

霊夢が居なくなり、息子を男手一つで育てるにも、僕では不満だろうとも思っていた。

だが、やはり霊夢の事が頭に浮かぶ

死んだ者が、頭に浮かぶのだ。

『………勝手にすればいいさ。』

僕がそう言っても、魔理沙は喜ばなかった。

やはり、少しだけ後ろめたい気持ちがあるのだろう。

それから、今日から二人、家族が増えた










一週間後

魔理沙は、いつもより笑うようになった。

魔理亜も、いつもより笑うようになっていった。

息子は、少しだけ疲れたような顔をしていた

『おらー!霖!!もっともっと!!』

魔理亜は、霖の背中に乗って馬乗りごっこをしていた。

『も……もう疲れたよ……』

『駄目ー!ほらもっと足を動かして!』

まるで一週間前とは思えない程、子供達は元気になっていった。

『おぉい!香霖!洗濯物終わったぜ!』

まるで、結婚したような生活だ。正しくは違うのだが。

この中で、おそらく僕だけだろう。後ろめたい気持ちがあるのは。

『うん……。ありがとう』

そう言って、僕は魔理沙に微笑む。

魔理沙はいっぱいの笑顔で霖之助に顔を向けた。

その笑顔を見て、少しだけ心に刺さる物があった。

霊夢の事だ。

僕は、このまま生活をしていて良いのだろうか。そう思ってたまらない。

僕は本を取りに行こうと動くと、机の上にある物に視線を向ける

ボード

久しぶりに、ボードに手を持つ

このボードに、不安を書いていこう。

そして、相談してみようと、改めて思う

《霊夢が死んで、家に魔理沙が住み着くようになった。僕はこれで良いのだろうか。》

そう書いていると、早々返事が返って来る事は無かった

『おーい!!香霖!魔理亜が団子作ってくれたぞー!!』

魔理沙がそう叫んでいた。

僕は、やれやれと溜息を吐いた。





思えば、もう夜だ。

子供達も夕飯を食べてもう眠ってしまった。

魔理沙も、子供と添い寝して眠っている。

こんな時だけは、彼女が大人に見える。

本を読もうと机に向かうと、ボードを見つけた。

そのボードには、聞き覚えの無い言葉が書いてあった。

返事だった。

《良いこともあるだろう。だが悪いこともある。》

いつも通り、何の変わりない返事だ。

面白みも無ければ、何の答えにもなってない。

《ああそうかい。良く分からないよ》

そう嫌味を書いてから、眠ろうとする。

だが、返信が返ってきた

《それを知るのも約10年後位だろう》

その返信を知ったのは、明日の朝頃だった。










魔理亜が14歳、霖が13歳になった。

いつもと何ら変わらない生活を送っていたが、最近は二人がよそよそしくなった。

いつも通り仲が良いのだが、僕達にはあまり話し駆けては来なかった。

そしてある日、その事は始まった

『どういう事だ!!魔理亜!』

魔理沙が、怒りの表情で魔理亜を怒っていた。

『どうもこうも無い。私は霖と一緒にこの家を出て行くわ』

『出て行くって……。そんな勝手なこと、認められるか!』

魔理沙が、怒っている事に対し、魔理亜は何も表情を変えない。

霖だけが、ビクビクと怯えていた

『お母さんは知らないと思うけどね……。この際はっきり言うわ。私は霖と結ばれたい。だから、まず自立をしたいの』

『知らないし、意味も分からねぇ!!』

だが、魔理亜は話を聞かずに、また言葉を発する

『お母さん……知ってるよ。お母さんも私と同じくらいの年で結婚したんだってね。他の、霖之助さんと違う人と…。』

『だけどそれは……』

『うるさい!!私は……私だって分かってる……。』

魔理亜は、今にも泣きそうな顔で母親を見ている。

だが、目を合わせたのは一瞬だった。

霖が、怯えるような顔をしていた。僕は、そんな霖を見た。

『霖、お前はどうするんだ?』

僕がそう言うと、霖はこちらの方に向いた。

そして、僕の顔を見なくなった。俯いたままだった。

『……僕は、魔理亜しか友達が居ないから……』

その言葉を聴いて、僕は何も言えなかった。

そして、魔理亜は霖を連れて外へと出て行った

『あ!おい魔理亜!!霖!!』

魔理沙が読んでも、二人は帰ってこなかった。







夜、魔理沙は泣いていた。

酒を飲みながら、彼女は泣いていた。

『香霖……。私は……何か間違ってたのかなぁ……』

彼女は、いつも変わらない。

知りたい事は、大体僕から聞いてくる。

僕は、その答えについてはこう答えることしか出来ない。

『完璧な子育てをしたとは言えない。だけど、完璧な子育てでは子供は必ず不幸になるよ。』

そう言った瞬間、魔理沙は声を荒げて言った

『だったら何だ!?何で魔理亜は……』

魔理沙がそう言った後、僕は優しく声を駆ける

『……魔理亜は優しく育ったよ。君の育て方はとても良かった。霖も……。僕は君に見習うべきかもしれない』

そう言った後、気づいたら魔理沙はもう寝ていた。

寝ている魔理沙に、僕は布団をかけた。

正直に言うと、僕も不安を隠せない。

二人は、これからどうなるのだろう。

そこから、何かあるのだろうか。

そこで、ボードを思い出す。

悩みを、このボードに書こうとする。

きっと、僕の中では一番の友達なのだろう。

このボードは、どこか他人には思えなかった。

《息子と娘が出来て、家を出て行った。さて、どうしようか》

僕がそう書いた後、決まってその文字は消され、新しい文字が生まれる。

そこで、僕はある事を思い出す。

《あまり仲良くしすぎないようにな。》

ボードは、ここまでの事を予知したのだろうか。

どれ程頭が良いか、本当に予知能力があるようだ。

そして、時間が経ち、返答が返ってきた。

《そうか……。思ったとおりだ。魔理沙の娘は、最初はお前が好きだったからな。》

そう書いてあって、僕はまた新しい発見をする。

特に知りたくなかった、情報だが

《だが、きっと帰って来る。彼女はそこまで母親を嫌ってないし、お前が好きなのだから。》

《僕の代わりに、霖を連れて行ったという事なのか?》

《いや、多分違う。だが、惚れる事は知っていた。》

ボードは、つらつらと会話するようにまた続いていく

だが、書いていて僕も心がだんだんと晴れてくる。










1年後、ここで、ある転機が来る。

この一年間、魔理沙は無理に明るく生きてきた。

『これからは、二人の時間を大切にしようぜ』

そう言って、魔理沙は僕に構うようになった。まるで昔のようだった。

昔、良く遊んだり、膝に乗せたりしたよな。もう重いから無理だが

また昔に戻った、世界になった気がした。

だが、その日は突然やってくる

『………お母さん』

聞き覚えのある声が、聞こえた

そこには、魔理沙の娘が立っていた。

赤ん坊を抱いて

『………魔理亜』








『ほらほら!こっち来て来て!!』

魔理沙は、魔理亜の赤ん坊、すなわち孫を笑顔で迎えた。

そして、精一杯可愛がった。

それを見た魔理亜は、笑っていた。それはもう大人のようだった。

少なくとも。魔理沙よりも

『これでお母さんも、お婆ちゃんだね』

その言葉で、魔理沙が怒鳴り声を上げる

『だれがお婆ちゃんだ!!私はこれでもまだ31だ!!』

31

そうか、もうそんなに月日が経ったのだろうか。

そして、孫が出来たのにまだそこまでか

『なぁ香霖、お前の孫でもあるんだぜ。どうだよ。ほら』

そう言って、魔理沙は魔理亜の娘、いわゆる魔理沙の孫を抱きかかえてやってくる。

この娘は、何の冗談か、霊夢そっくりだった。

茶髪で、顔立ちも霊夢に似ている

本当に二人の娘か疑うくらいだ。

そういえば、霖はまだ幼い顔だ。

半妖の血が混じっているからか、年を取るのが遅いのだろう。

まだ10歳くらいの年だった。

なのに、苦労をかけたな。すまなかった。

『これで香霖もお爺ちゃんだな!!』

魔理沙が笑ってそう言った。

『君も、笑い事ではないぞ』

『うるせーよ!!』

そう、笑い声が絶えない家族となっていた。

優しい家族だ。ずっと、ずっと


ボードに、孫娘の写真を貼り付ける。

そして上に。

《孫娘が出来た》

という文字をつけた。

すると、ボードの上の文字が消され、新しい文字が生まれる

《そうか。おそらくそいつは、父親よりも早く死ぬだろうな》

その言葉で、未来が恐ろしくなる。

なんて事を書く。僕は急にボードが恨めしくなった。










10年後

魔理沙が死んだ。

病気だった。流行病と言うのだろう。

最後に、家族が皆集まる。

魔理亜、霖、雨林と共に。

最後の言葉は、どこか僕に後悔を与えた。

『魔理亜……。お前は、私の世界一の娘だよ。』

『霖……。ずっと、魔理亜と一緒に居てね……。』

『うりん……。まさかこの年で、孫娘を見れるとは思わなかった。幸せだよ。私』

そして、ついに僕の番が来る

『香…霖…。私は、ずっと幸せだった。最初は…一緒に居られなかったけど……ね。でも…結局は一緒に……なれた。黄泉に行ったら、

喧嘩だなぁ………霊夢よりもずっと…長く一緒に居ちまった……』

魔理沙の顔は、笑顔だった。

『なぁ……香霖……。悲しいよな……。私が死んだら……悲しいの分かってるのに……私でも分かってるのに………。ごめんなぁ……』

『………何も言うな。』

僕は、そんな言葉なんか聴きたくない。

魔理沙は微笑んだ。そして、

手の力が、ついに無くなった。











墓は、霊夢の隣に建てられた。

ここなら、寂しくないだろう。

僕も、よく墓参りに来るから。

きっと、大丈夫だろう。

また、きっと来るから。だから

きっと……。娘も霖も、幸せに暮らせるから……。














ボードに、報告をした。

《魔理沙が、死んだ》

書いた後、10分は何も起きなかった。

そして、僕の文字は消された。

その後は、何も書かれなかった。









6年後、僕の家には、三人の家族が居る。

魔理亜、霖、そして雨林だ。

そして、今日は一人がこの家から出て行く。

幻想郷の中の遠くの家に、嫁ぎに行くのだそうだ。

雨林も、美人に育って言った。

まるで、本当に霊夢そっくりだった。

嫁ぐ相手は、どうやら幼少時代からずっと友達だった人らしい。

つまり、恋愛で結婚したという事だろう。

魔理亜は、半分反対したが、霖は何も言えなかった。

そういえば、もう魔理亜も30代のはずだが、

霖はまだ10代に見える。やはり、僕の血が入っているからだろう。

『お母さん、お父さん。大丈夫、心配しないで。私は大丈夫だから。』

霊夢とは思えない程、優しい子に育った。

『お爺ちゃんも、身体気をつけてね。』

お爺ちゃん

その言葉はあまり慣れないものだ。

見た目的には、魔理亜よりも年下に見えるだろうに。

そして、この店もまた寂しくなる。

魔理亜が、明るくしようとお喋りしても

僕達親子は、大抵読書をする。

今となっては、本当に申し訳ないと思っていた。









20年後、魔理亜が死んだ

魔理沙の娘だった為に、本当にショックだった。

霖は、何も言わなかった。

ただ、ただ俯いているだけだった。

霖は、もう僕と外見年齢が同じになっていた。

ほとんど、兄弟と言っても誰も疑わないほどだ。

それ程の為に、まだ心の中は年齢の割りに幼いに違いない。

深く、とても深く傷ついているようだった。



《魔理沙の娘が死んだのか。》

僕はボードに報告をすると、返事が返ってくる

《そもそも、半妖が結ばれる事自体が、おかしいのかもな。》









3年後 雨林が死んだ

葬式には、沢山の花が咲いていた

それを知った霖は、ただ、立ち尽くして涙を流した。

無表情のまま、自分の娘の死体を見ていたのだ。

雨林は、子宮ガンだったそうだ。

子供も出来ず、ただただゆっくりと死んでいった。

だから、僕にはひ孫も居ない。

霖には、孫も居ない。

ついに、僕達は二人になってしまった。



そして夜、僕達は店に戻る。

そこでは、ずっと霖は立ち尽くしていた

『………お父さん』

霖の口が開く

『………どうして僕を産んだの?』

霖は、真剣な顔で僕を見ていた。

『……霊夢が僕の事が好きだった。その時に出来たからだ』

霖は、思いっきり机を叩く

『そんな事聞きたくない!!僕は……僕は一人ぼっちになっちゃったんだぞ!!』

霖の目に、涙が溜まっている

『魔理亜は僕のたった一人の友達であって、愛人だった……。たった一人の、僕の友達だったんだ!!そして、娘までもを失った!』

そして、驚くほどに落ち着いた表情になる。

そして、言葉を発する

『……やっぱり僕は、産まれなかった方が、僕は幸せになれたんだよ……。』

そう言って、霖は店から飛び出した。

『霖!!』

僕は店の外に飛び出すと、霖は箒にまたがって空を飛んだ。

『………馬鹿野朗が…』

僕は溜息を吐く。

だが、心配しないわけではない。むしろ、

心配で胸が押しつぶされそうだ。

そして歩いていると、足が机にぶつかる。

その際、机の山の中から、ボードを見つけた

『…………』

この時、ボードはまだ生きているだろうか。と考えた

とりあえず、生存確認にボードに文字を書いた。

《おい、生きているか》

しばらくして、文字が消されて文字が現れる

《寂しかったぜ》

僕は安心してボードに言葉をまた書き重ねる

《霖がどこか逃げて行った。どこに行ったか知らないか?》

書いた後、意外と早く返事が届いた

《知らん》

このボードをへし折ろうかと思った。

だが、またその次に言葉が消され、新しい言葉が現れる

《僕はそんな事は知らん、そんな事は、お前が知ってるんじゃないのか?》

そう書かれた時、僕の頭に何かが浮かぶ

《思い出せ。あいつの思い出の場所を》

その時、僕はある事を思い出した。

魔理亜と霖が駆け落ちした時、一体どこの家に居た?

最初は分からなかったが、再び出会ったとき、魔理亜と霖は教えてくれた。

僕は、その場所へと向かった。











今はボロボロの廃屋となったその家に、霖は居た。

屋根の無い家で、そこで体育すわりで座っていた。

僕はゆっくりと近づき、ある程度近づいたら声を駆けた

『霖』

そう言うと、霖はこちらに振り向く

『……やぁ、お父さん』

『帰ろう。もう時間だ』

僕がそう言うと、霖は首を横に振った。

『……父さん。僕、怖いんだ。』

霖の声は、震えては居なかった。

ただ、泣いていた

『魔理亜が死んだとき、魔理亜は年を取っていた。雨林も、ある程度年を取っていた。そうだ。人間のように……。それを見たとき、僕は思ったんだ。ああ。僕は化物なんだって……。』

僕は、まだ何も言わなかった。

『父さん…。どうして僕は年を取るのが遅いのかな…。どうしてかな。僕も、魔理亜と一緒に老いて死にたかった。雨林が先に逝って欲しくもなかった。僕は……人間として生まれてきたかった。僕は……』

『霖、お前は僕よりも先に死ぬ』

僕は、息子に言葉をかける

『僕の方が、一番妖怪の血を継いでるからね。』

霖は、僕の方を見た。

『……知ってるよ。父さんは半妖だから…でしょ』

『そうだ。だから、父さんは霖を置いては逝かないよ。』

そして、一歩一歩と近寄っていく。

『僕は、二度と恋はしないと言った。人と結ばれて、愛する人を見るのも辛いし、妖怪と結ばれて、僕の死を見て欲しくないとおもっていた』

そして、僕は笑顔で答えていく

『だけど、僕は恋をして、人と結ばれて、そして子供が出来る。それが、とても嬉しいことだと気づいたんだ。』

『嬉しい?死んじゃうんだよ?先に』

『そうだ。だから半妖はそれを受け止めなくちゃいけない。ずっと支えなければいけない。抱きしめなければいけない。その人の一生分までね。』

霖は、分からないよと首を横に振る。

だが、僕はまた声を発する

『だけどそれが、とても嬉しいことだって事に気づいたんだ。だから、僕は霖の事も支えていく。そして抱きしめていく。一生。』

僕がそう言うと、霖はまだ顔を上げなかった。

そしてしばらくして、霖は立ち上がり、僕の元へと歩き出した

『…………父さん。』

霖は、僕を通り過ぎて、どこか通り過ぎて言った。

『……それじゃぁ、僕は父さんにずっと迷惑をかけてしまうよ。』

息子が振り向く、顔は微笑んでいた。

『だから、僕もずっと支えていく。多分、魔理亜と同じように愛する人が出来ることが出来ないかもしれないからね。』

そう言って、また再び霖は歩き出した。

この所は、どこか霊夢にそっくりだった。

僕達親子は、この家から離れて行った。

僕は、ずっとこの息子を支えていこう。そう思った。












霖が死んだ。寿命だった。

人間の血も僕より濃く持っていた彼は、享年200歳を超えていた。

それからずっと、僕は彼を支え、ずっと育てて来た。

だけど、これからは僕は一人ぼっちだ。

また、最初の香霖堂に戻った。

誰も居ない、僕一人だけが読書をする香霖堂に。

一番最初の、香霖堂に戻った。

鏡を見ると、最初の時よりは老けているが、

まだ、30代半ばなのだろう。あまり老けていない。

だが、百年単位というのは長い物だ。もう人生を終えたと思い込んでいる自分が居る。

もう、これで死んでも悔いは無いだろう。

僕一人だけの空間、静寂の中で、

僕は立ち上がると、動く音が響くほどだった。

その中で、一つ古いホワイトボードが見つかった。

いや、もうホワイトとは呼べないかもしれないが。

懐かしく思った。僕はそのボードに久々に文字を書いてみよう。

そして、文字を書いた。

《ついに、一人になったよ》

それは、最早報告だった。

やはり、すぐには返事が来ない。

まるで、電話でやり取りしているようだった。

しばらくすると、文字が消える。懐かしい光景だ。

そして、文字が書かれる

《そうか。僕も、もう終わりのようだ。》

そう書かれていて、僕は少しだけ可笑しく思えて、少しだけ笑った。

すると、また文字が消されて、また現れる

《僕もそろそろ消えそうだ。天国に行くのだろう。皆が見えるよ》

ボードの天国とはなんだろうか。だが、ふざけているようには見えない。

そして最後に、こう書かれていた

《博麗神社の倉庫の中に行け》

そう書かれた後、その文字だけが残った。

下に、文字を書いても、今度は消されもしなかった。

文字を消しても、やはりもう何も出てこなかった。

本当に死んだのだろうか。だが、それ以前に気になることがある

どうして博麗神社の倉庫の中に入る必要がある。

だが、行ってみる必要はあるだろう。

僕は、ボードを持って身支度をした。











神社に着くと、その場所は長年掃除されていないのが分かる。苔が生えている。

雑草が伸びすぎて、進みづらくなっていた。

雑草の奥にあった倉庫に行くのに、かなりの時間を用した。

倉庫に言った事はあるが、そこに特別何もあるわけでは無いはずだ。

神社の神主になったときも訪れたが、そこにはただ物が置かれているだけだった。

不審に重い、僕は倉庫の扉を開けた。

その中の奥に、見覚えの無い扉があった。

それだけが異様で、倉庫とは思えない程だった。

なんだろうかこれは、

僕は、その扉を開けた。

開けると、開いた。

そこは、奥に繋がっているようだった。









その部屋には、大量のメモ帳とボードがあった。

そのボードには、言葉が書かれていた

《博麗神社の倉庫の中に行け》

それは、僕が持っている文字を比べた。

ほとんど消して、”博麗”しか残っていないが。

それは明らかに、同じ字であった。

そして、メモ帳に目を向けた。

そのメモ帳には、僕の人生が書かれていた。

僕が今まで歩んできた、霊夢と結ばれ、霊夢が死んで、そして魔理沙が来て、魔理沙が死んで、最後には僕が一人ぼっちになっている。

その前のメモ帳は、魔理沙と結ばれて、霊夢が誰かと結ばれて、魔理沙との子供が出来て、孫息子が出来ていた。

メモ帳には、それぞれの僕の人生が書かれていた。

あの宴会に招かれた時に出会った妖怪とも結ばれた人生もあるし、

どういうわけか、紫と結ばれた人生もある。

中には、あの埋蔵金事件で、僕が掘り返した人生もあった。予想通り大変な事になっていた。

宴会に出会った少女達の中では、それぞれの少女の名前があり、さらには見たことも無い人も描かれている。

レミリアと結ばれた人生では、僕は一生執事をやらされたらしい。

メイドと結ばれた場合も、大体同じ運命だった。

僕と全く同じ運命にたどった人も居た。息子でなく、娘が産まれた者も居た。

魔理沙の娘と結ばれた者は、読む気にはなれなかったが、

その他、一番多かったのは誰とも結ばれずに死んでいく事だった。

僕は理解した。おそらくここでいくつもの僕がここに来て、ボードの会話をしていた。

そこで、僕に分岐を出して人生を歩ませたのだ。

どこか、また大きく変わる分岐があり、

それぞれ、沢山違う人生を歩んできた僕が、皆この部屋に居たのだ。

一番最初のメモ帳を見ると、こう書かれていた

《僕の違う人生は、どんな物なのだろうか。その時の為、魔道具を送る》

未来では、時を操る道具があり、

未来と繋がる魔道具があった。

それが、目の前の機械だろう。もう壊れている。

だけど、この未来は変わらないだろう。

ずっと、送っている人が居た限り。

ボードを見ると、文字が書かれていた。

《8月4日》

僕がホワイトボードを拾った。あの日だった。

それを見て、僕は楽しくなった。

これからの人生は、生きていく人生ではない。

もう一つの人生を見ていこう。

そして育てていこう。もう一人の僕を

美しい。そして悔いの無い僕の人生へと育てていくように、

ずっと、ずっと支えていくよ。





どんな人生を歩ませようか。楽しみだ





まずは、昔の僕が書き込んだこの一つ一つの道具の値段を

ちょっとずつ、変えてみよう。











『僕は、とても幸せな人生を送った。』












《完》
このSSは、東方恋隣堂というのを思い出し、思わずガチ泣きしてしまって書いてしまった作品です。
うん違うよ。内容は全く違うけども。良いじゃない別に。
かなり長いSSになりましたが、楽しんでいただけたら幸いです。本当に。

余談ですが、友達の友達の爺ちゃんが死んだときの最後の言葉は、『みそ汁』だったそうです。笑えません。全然笑えませんでした。
ND
作品情報
作品集:
28
投稿日時:
2011/08/21 23:44:30
更新日時:
2011/08/21 23:44:30
分類
霖之助
霊夢
魔理沙
霊霖
魔理霖
人生
1. 零雨 ■2011/08/22 00:04:58
感動しました!
うまく言葉に表せませんが、とにかく感動しました!

分岐した別の未来もちょっと見てみたいななんて思ったり
2. NutsIn先任曹長 ■2011/08/22 00:14:41
『アレ』は、私もちょくちょく見ます。
最近は『白昼夢』に収録された、紫が登場するロングバージョンですが。
あれ、逆順ですよね、やっぱり。

ベタベタせずに、自分の思ったことを書き綴る。
理想的な、過去の自分への干渉。
香霖らしい。
3. 名無し ■2011/08/22 00:27:51
一揆読みできた。おもしろい。
4. IMAMI ■2011/08/22 00:44:29
いかんいかん。危ない危ない泣きそうになった
5. みそしる ■2011/08/22 10:39:23
呼ばれた気がした←

なるほど……。
いくつものifを辿る話。

香林は、人間と結ばれると、寂しいですなぁ。一緒に老いて死ぬことができない。
6. 名無し ■2011/08/22 13:47:47
どうしてこう…喪失感が大きい作品が多いんですか。
人生が一度終わった気がした……。
泣いた
7. 名無し ■2011/08/22 18:14:23
謎のスキマ「私と結ばれるのが一番幸せですのよ!」

いやぁ、久しぶりに良いものを見させてもらいました。
8. 名無し ■2011/08/22 18:34:38
しみじみと読める素敵なSSでした
9. 名無し ■2011/08/23 18:47:05
ぐっ………!
10. 幻想保査長 ■2011/08/24 21:49:27
これは中々な・・・こう胸にぐっとくるのはいいな
11. 名無し ■2011/08/29 23:48:26
おっと、目から汗が…
12. 名無し ■2011/09/10 01:06:03
紫等の包容力のありそうな大物妖怪となら『楽』には生きられて見送って貰えそうだけれど、それよりも自分が見送る事を選ぶ辺り霖之助さんマジハードボイルド。
思わず最後まで通して読んでしまいました。抑揚の少ないけれど焦りや不安は感じられる霖之助の語り口がとても読み易かった。
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