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『天子のハッピー☆バースデー』 作者: kyoune

天子のハッピー☆バースデー

作品集: 28 投稿日時: 2011/08/23 07:41:21 更新日時: 2011/08/23 16:43:06
「べっ、別にアンタなんかに来てほしかった訳じゃないんだからね! ……ただ、よっ、呼んであげないとアンタが可哀想だと思ったから……。ふっ、深い意味なんてないんだからねっ!!」

 ……。

「――う〜ん、やっぱり何か違うなぁ……。今流行のつんでれ≠チてものらしいんだけど……」
 鏡の前で練習したポーズを取り台詞を言ってみるも、どうもしっくりとこない。
 その結果に私は少し項垂れつつも、すぐに気を取り直して手に取った厚い本のページをぱらぱらと捲り、目に付いたページを開くとすぐさま次のパターンに挑戦してみた。

 少しふんぞり返るように胸を張り、腰に手を当て、ちょっとだけ偉そうな表情で……。

「いーい? この比那名居天子さまがわざわざアンタみたいな下々の民を寛大にも呼んであげているというのだから、光栄に思いなさい? 勿論私の命令なんだから拒否権は無いし、アンタはこの喜びに涙を流して感謝するべきよ!」

 ……。

「――確かに私らしいかも知れないけど……。こんなに態度が大きいとリスクが大きそうね、お嬢様系=c…」

 そのしっくりこなさ具合にまたしても嘆息する。
 いや、確かにこれはいつもの私のキャラに合っているとも思うのだが、何分人を誘う時にこの態度と台詞は結構勇気がいるのではないだろうか。それでなくとも衣玖にはいつも『少しは皆さんが親しみやすくなるような態度を取られては如何ですか?』と言われている訳だし……。
 ……うん、これもパスね。

「となると、残りはこれか……」

 またしても見開いた別のページに書いてある事を試してみる。眼は少し虚ろな感じで、

「……ねぇ、私が誘ってるんだから、勿論来てくれるよね? 来てくれるよね? ね? ね? だって私はアンタの事を何よりも大切に思ってるんだし、アンタは私の事を何より大切に思っているんだから。その私が誘っているというのにアンタがそれを断るなんて絶対に絶対に絶対に有り得ないんだからね? ……ふふっ、ありがとう。ホントは少しでも嫌な顔されたらどうしようって思ってたんだ。もしそんな事されたら私ショックで自殺しちゃうもん。でも私が死ぬときは当然アンタも一緒に死ぬんだから、その時はちゃんと二人で天国に行けるように同じ場所で同じ方法で寄り添って死のうね? あっ、でももし断られたりしちゃったら私はきっとアンタの事が許せないだろうから、先にアンタだけ殺すって事も考えられるわね。何がいい? 全身の骨を砕き折った後でコンクリートに沈めて海の底に沈めるっていうのも良いわよね。その後に私も海に飛び込めば大丈夫だし――」

 ……。

「――これは何だか、根本的に間違ってる気がするわ……」

 げっそりと項垂れる。正直これは自分でも「ナシ」だろう。何だか鏡に映った自分が別人のように気持ち悪く見えたし、第一これは人を誘うような台詞じゃないだろうし……。
 これが今流行のやんでれ≠チてやつなのかしら。下の世界では何だか凄いものが人気なのね……。
「あーっもう!! ぜんっぜんダメじゃない!!」
 いつまでたっても埒が明かない状況にウンザリし、私は手に持っていた本をぽいっと投げ捨てた。
 『人付き合いが苦手でも大丈夫! これを読めば一発解決! 友達の誘い方完全攻略best100』と書かれたそれは、ぱらぱらとページを靡かせながらベッドの上に落ちる。Ama○onで安くなってたので思わず買ってしまったのだが、どうやら骨折り損の草臥れ儲けだったようだ。
「もう……どうすればいいのよ。本を読んだって結局誘い方は分からないし……」
 私はがっくりと肩を落としながらベッドの上へと倒れこんだ。
 「ゴツッ」と後頭部にさっき投げ捨てた本の角が当たって結構痛かったのだが、一人とは言え格好が悪いので声を上げるのは我慢することにした。
「今日に限って衣玖も居ないし……ホント、今日というこの日を何だと思ってるのかしら……」

 私は寝そべったままおもむろに部屋の壁に視線を移すと、そこに掛かった小さな自分専用のカレンダーにピントを合わせる。
 赤いマジックで何重にも塗られたその日付≠ヘ自分が忘れる事は無い、一ヶ月ほど前からずっと楽しみにしていた日だった。
「こんなんで……どーするのよ、私……ぃ」


 今日は10月5日。


 この偉大なる比那名居天子さまの、偉大なる誕生日なのだ。









              天子のハッピー☆バースデー







「はぁ……」
 ベッドから起き上がる気力も沸かないまま淡々と時間を過ごす。既に時間は午後を少し過ぎているので、私の誕生日も実質あと半日くらいで終わってしまう。
「前から決めてたのにな……。今年こそは、誰かに誕生日を祝ってもらうって……」
 こんな偉大な日だと言うのに、気分はどんどん落ち込むばかりだ。
 今日の日の為、幻想郷の奴らを私の誕生日パーティーに誘う練習を本まで買って繰り返していたというのに、まったく練習の成果は出ないまま当日を迎えてしまった。早く何とか台詞だけでも形にしなければ、最悪誰も集まらないまま一人で誕生日を過ごすという結果にもなってしまいかねない。
 私は頭の中に溜まった鬱憤を吐き出すように、天井に向かって溜息を吐いた。
「…………」
 思い返せば、天界に居たころから存在を望まれていなかった私は、誕生日など誰かに祝ってもらったためしがなかった。親やその知り合いにそれとなく示唆してみるも、連中は本気で私の誕生日の事など脳裏の片隅にすら置いてないようだったのだ。――いや、それを言うなら既に私の存在自体が忌避されていたのだが。
 しかし、衣玖と一緒に下界へ降りてきて。私は密かに一つの目標を自分に掲げていたのだ。

 それは――『友達』を作るという事。

 そして生まれてから一度も叶ったことの無い悲願である、自分の誕生日を友達に祝ってもらうという事を、一度で良いからされてみたかったのだ。
 ――しかし、現実ではそうはならなかった。自他共に認めるほどプライドの高い私が『友達になってくれ』などと自分から言い出せる筈も無く、加えて私が起こしてしまった例の事件のせいで、八雲紫をはじめとして下の世界の連中の私を見る眼は依然として冷たいままだ。
「……まぁ、それも私が悪いって言えば悪いんだけど……」
 このままでは誕生日を祝ってもらうどころか、未だに親しく話せる人が衣玖だけという、今の現状と何も変わらない状況のまま誕生日を一人で過ごすことになってしまう。その衣玖も今日は大事な用事があるとかで朝早くに家を出て行ってしまったきりだし、何とかしないとまた今年も寂しい誕生日パーティーをする事になってしまう。
「……やっぱり、やれるだけの事はやっておかないといけない、か……」
 ――その最悪の未来を想像して、無理矢理自分を奮起させる。
 上体をベッドから起こすと、さっきまで枕代わりにしていた例の本をもう一度掴んで開く。
「何か……私でもできそうな誕生日の誘い方があればいいんだけど……。手紙を書いて伝えるなんて柄じゃないから、どうしても口頭で伝えなきゃいけないのよね……」
 思いつく限りでページを見てみるも、そこにはクーデレ≠竄辯病弱っ娘≠竄辯無口≠竄轣A自分ではよく理解できそうにないものばかりピックアップされていた。どうしてこんな優柔不断な誘い方に人気があるのか、さっぱり理解できない。
「えーっとなになに、気をつけるテクニックは……。『上目遣い=Bアナタの潤んだ熱い視線を送ってみよう。これで彼氏のハートをGET☆』……って、これは趣旨が違ってるじゃない。
 他には『電波=B主に腕や額に邪気眼と思われるマークを書いて、超自然的な事柄を持ち出してみましょう』……これは完全にただのイタい娘よね。
 後は……『ヤンデレにおける台詞のバリエーション=B基本的に一方的殺傷型、無理心中型、自殺形などのパターンがありますが――』……って、あの怖いやつはもういいわよ!」
 駄目だ。この本に書いてあることはどうにもマニアックすぎるのか、私には実践できそうにないものばかりだ。これではいつまでたっても友達を誘う事なんて出来ないじゃないか。
「うう〜っ、こんな本……やっぱり何の役にも立たないわっ!」
 再び本をベッドの上へと放り投げる。
 とうとう打つ手が無くなってしまい、私は失意と共に深く嘆息した。
「もう……一体どうすればいいのよ……!」
 これじゃあもしかして、やっぱり誰も誘えないんじゃないだろうか。
 頭の中で今まで一人で過ごしてきた誕生日の記憶がフラッシュバックのように蘇り、妙に塞ぎこんだような気分にさせられてしまう。
「この機会に……紫にだってちゃんと謝りたかったし、博麗の巫女達とも仲良くなりたかったのに……」
 膝を抱えて床に座り込んだまま、ぶつぶつと文句を垂らす。
 今の時刻は既に午後二時過ぎ。もうあまり時間も無い。何か良い手は無いものだろうか……。
「――う〜ん、思い浮かばないわね。せめて誰か一人でも落とせれば、私の計算ではその一人を軸にして大勢を引っ張り出させる事ができると思うんだけど……」
 考えてみるも、その最初の一人もどうにも思い浮かばない。基本的に下の世界の者達は私に対してあんまり良い感情を持ってはいないみたいだし、折角勇気を振り絞って誘えたとしても断られたら……と想像すると、その時のショックを考えただけで身がすくむ。
「やっぱり無理なのかしら……」
 絶望に駆られたような空気が頭の中を支配していく中で。ただ無常に一定の間隔で聞こえてくる時計の秒針の音が、私の気持ちを無意識のうちに焦らせていた。
 どうにかなんとかしないといけない。せっかく下の世界に降りてきたのだから、そこでも誕生日を一人ぼっちで過ごすなんて絶対に嫌だ。誕生日パーティーを午後六時から始めると仮定した場合、今からあと四時間もないのだ。
 ――しかし、それまでに自分の武器となる誘い方を見つけ、きっちりと実戦レベルになるまで練習した上で、それを十何人かを相手に成功させないとは、我ながら随分とハードルが高く感じる。
「問題は――私が人を誘うのが苦手って事なのよね。だからってこの誇り高き天子さまが頭を下げてお願いするなんて絶対に許されないし――。だから、もし相手のほうから私を訪ねてきたらそれがベストなのよ。『仕方が無いわねぇ。そんなに私の誕生日を祝いたかったのかしら? いいわ、入りなさい』って感じで私がプライドを保てるし……。……って、駄目ね。前提として相手から訪ねてくる何て事が無いから今こんなに悩んでるんだっけ……」
 確かに、相手から来てくれればそれが最良なのだ。その考えをベースにした上で、何か良い作戦を考え付かないものかしら――



「――はっ!」



 誕生日……パーティー……宴会……料理……




 ざわ……
      ざわ……    
           ざわ……


(あっ……あああっ……!)



 そのとき私に電流走る――!




「こっ、これよっ!!」

 垂涎の妙案が浮かんでしまった私は、思わず勢い良く立ち上がって握りこぶしを作った。
 流石私! こんな抜け穴に気付くなんて、まさに天才じゃないのかしら!
「これは名案だわ――極々自然な形で連中の方から私を訪ねてきて、しかも同時に私への好感度が鰻登りになってしまうという一石二鳥な超・名案がっ!」
 そう……これはまさしく僥倖っ……! 法悦の名案っ……!
 私の前に立ちふさがる圧倒的な壁を一挙に打破し得る、最高の、究極の必勝法っ……!
「教えてやるわっ……!この超ウルトラスーパー天才な私が考案した、名づけて『芋蔓式蟻地獄パーティー誘惑作戦』っ……!」
 何故か自分の顎と鼻が鋭く尖っているような錯覚を覚えながらも、私は自分以外誰もいない部屋で誇らしげに胸を張り、思いついたその名案を頭の中でしっかりと反芻した。



      ■■■




 私の『芋蔓式蟻地獄パーティー誘惑作戦』の概要は、こうだ。
 この比那名居天子さまの誕生日パーティーともなれば、当然結構な規模の宴が発生するべきだろう。そして何の因果か、幻想郷の連中は宴が何より大好きな奴らばかりである。
「ならば私が一人でこっそり料理を作って宴の準備をして――するとその食べ物や酒の匂いを嗅ぎつけた下々の民どもが、次々に私の所に自分から転がり込んでくるって寸法よ! そのまま私が今日は誕生日だという事をさり気なく明かせば、タダ飯食らってる奴等からしてみれば自然な形で私を祝いたくなるはず! 特にこの作戦なら万年金欠病の巫女を初めとして、酒豪な連中だってきっと来ずにはいられなくなるに決まってるわっ! 作戦としてはこれ以上上は無い……! ああっ、私ったら天才ね!」
 自らの頭の冴えぶりに若干恐怖を覚えながらも、そうと決まった私は張り切ってキッチンへと駆け込んだ。幸い食材の調達は衣玖が欠かさないでいてくれたので、きっと今ある食材だけで事足りるだろう。
「待ってなさい……! この私が腕にふるいをかけて、どんな奴でも唸らずにはいられないほどの料理を作ってやるんだからっ!!」
















 ――と思っていた時期が、私にもありました。



 一時間後。目の前に広がる凄惨な光景に、私は自分ながら目を覆いたくなった。
 見慣れないキッチンはいつの間にか、この世の終焉とも思えるような悲惨な体を表していた。鼻をつく異臭が部屋中に充満し、青色や緑色のジェル状の液体が辺り一面に飛散したその景色は、さながら一時間前の清潔なキッチンとは似ても似つかない状況だった。
 「どうしてこうなった――」と呟かずにはいられないその光景に、わたしはがっくりと膝を突く。考えてみれば今まで自分の身の回りの世話は全て衣玖にまかせっきりで、料理はおろか掃除や洗濯さえろくすっぽ経験したことの無い私だったのだ。
 いくらなんでもそんな私がパーティーに集まる全員分の料理を作るなど、幼稚園生に円周率を小数点第五百位まで暗記しろと言わんばかりの暴挙であったのだろう。それにしてもちゃんとレシピを見ながら作ったというのに、どこをどう間違ったらこんな不気味な色の液体ができあがるのだろうか。不思議で仕方が無い。
「……自分の不器用さが恨めしくなるわね」
 そうがっくりと項垂れつつも、私は僅かな希望を持って――ボウルに入った鮮やかな青色のジェル液体に近づいてみた。
「……でも、ひょっとしたら、もしかしたら……」
 そう。もしかしたら――見た目が悪いというだけで、案外食べられる味かもしれない。
 そうとも、料理に大切なのは、見た目よりも味なのよ!
「と言っても既に、悪臭が凄いけど……」
 鼻腔の奥深くを突き刺すような刺激臭に耐えながらも、少しだけ指で掬ってその液体を下に乗せてみる。

 ――すると。


「……こっ、これはっ……!」














 ――え、塩酸?

 舌が焼けるように痛い。


「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」

 声にならない叫びを上げ、思わず女の子がしてはいけないような物凄い形相を浮かべてしまう。
 と同時に、超スピードで胃の底からぐんぐんと込み上げてくる別の液体を押し留める事を必死に敢行する。
 甘いとも苦いとも辛いともしょっぱいとも酸っぱいともなんとも言えない摩訶不思議なこの味は、私のお嬢様育ちな身体を破壊するにはあまりに充分すぎた。
「ふ……ふざけ……ゲホッ!! わ……私は馬○でもヲタ○ンでもないのよ!? こんなハイ○ーションまがいの液体なんて飲める筈ないじゃない!! 思わずゲロジャを発動するところ……うええぇぇぇ!!」
 以前ニコ○コ動画で見た勇者達の勇士が無意識のうちにフラッシュバックする。
 あの時は笑って「テラバカスwww」なんてコメントしてたけど――今になって○犬さんの絶望的な苦しみがようやく理解できたわ……!
「ふっ……封印よっ! こんな悪魔の化身は! ……って、あぁ私が生み出したんだっけ……。もしこんなものを全部飲みきった動画をうpしようものなら、余裕で『愛すべき馬鹿』やら『混ぜるな危険』やらのタグが付いた上で『ニ○ニコ馬鹿四天王』の頂点にさえ割り込めちゃうわよ……っ!」
 涙を必死に堪えながらも、何とか込み上げてきたゲロジャを封印する事に成功する。
 未だに気持ち悪くなりながらも私は何とか姿勢を立て直し、目の前に鎮座する怪物たちを次々と生ゴミ専用ゴミ箱へと放り込んだ。
「ふぅ……これで脅威は去ったわ……」
 とりあえず当面の危機を処理したものの、状況は何ら変わらず――いやむしろ悪化するばかりだった。

 その場にいるだけで気絶しそうな悪臭の漂うキッチンから即座に脱出すると、再び逃げるように自分の部屋のベッドへと突っ伏す。
「……もう……最高の作戦だと思ったのに……!」
 自分の情けなさに、不意に涙が出てくる。時計が指し示す時間はもう既にパーティーの開始予定時刻に迫っており、その焦燥感と絶望感が私を更に追い詰めていった。
 もうこれ以上、良い作戦も何も思い浮かばない。『最良』と思っていた作戦が完膚なきまでに叩きのめされた今となっては、今の手も足も出ない感じがさらに重たくのしかかる。

「結局……今年も誕生日は一人なの……?」

 その思いがまた頭の中を支配し、諦めに駆られた感情が私の全てを支配した。
 また¢ハ目だった――。
 その自己嫌悪感がどうしようもなく嫌になる。今年こそは、今年こそはといつも思ってきたのに、肝心なところが駄目なせいでいつも目標を達成できないのだ。
 今年が駄目なら、きっと来年も駄目だろう。来年が駄目なら、きっと再来年も駄目だろう。それは火を見るよりも明らかな私としての惰性で、今までの結果が全てを物語っている。
「……どーして駄目なのよ……。私はただ……他の人みたいに、一度でいいから誕生日を祝ってほしいだけなのに……」
 打つ手の無くなった閉塞の未来が重く眼前にのしかかって来ると同時に、今まで滲んでいただけだった涙がついにダムを決壊させた。一度零れ落ちてしまった涙はもう止めることができず、次々と溢れ出す熱い涙はベッドのシーツに染み込んでいく。
「……っ、……ひっぐ……えぐ……」
 やがて涙に呼応するように嗚咽が漏れ始める。みっともないので止めようと思っていても自分の意思では止められない。
 私は昔からそうだった。人前では絶対に涙を見せない代わりに、一人のときにはその時の数倍近く泣いてしまうのだ。思い返せばそれこそが私のプライドが高すぎる象徴のようなもので、それが今の状況に起因していると言ってしまえばそれまでなのだが。
「ううっ……衣玖ぅ……」
 こんな時に、無意識に衣玖の名を呼んでしまう。
 今まで彼女にさえ涙など見せた事が無いというのに、どうしたことか私は彼女を求めていた。一緒に居てくれる人が衣玖しか居ないのだから当たり前といえば当たり前だが、そんな衣玖も今日は居ない。
 誕生日を今年も変わらず一人で過ごさなければならない。どれだけ頭の中で嘆いても変わることの無いその結末を奥歯で噛み締めながらも、私はただ掴んだ枕を放さずに顔に押し付けて泣くことしかできなかった。




「……」

 ふと、涙で腫れた目尻を上げて壁を見る。
 そこに示された時刻は、もう当初予定していた午後六時を過ぎてしまっていた。
(今年も……駄目だった……か)
 またしても潤んでしまった眼を擦り、必死に涙を押し留める。

 私はせめてといった体でもう一度キッチンに足を運んだ。
 当然鼻を摘んだままで異界を抜け、冷蔵庫へ向かい、扉を開ける。


 その奥には――私が昨日こっそり買っておいた、私の誕生日を祝うためのホールケーキがあった。


「……本当は……誰かと一緒に食べたかったんだけどな……」
 冷たく冷やされたそのケーキを箱ごと奥から引っ張り出すと、まだ少し震える手で掴んで自分の部屋へと持っていく。小皿とフォークを一セットずつ一緒にテーブルに乗せると、店の人にチョコペンで書いて貰った『天子ちゃん 誕生日おめでとう!』と文字の入ったチョコレートが真ん中に乗っているのが視界に入った。
 買った時はこれが誇らしくもあったのだが――今となってはその明るい文字列がただ虚しいばかりか、白いクリームとの対比で周囲から浮いてしまっているようにも感じてしまう。
「…………」
 ナイフを淡々と使ってホールケーキを適当に六等分すると、手前の一つを皿に乗せた。
 箱に付属していた色つきのロウソクを一本取り出しておもむろにその上に刺すと、用意しておいたマッチを擦って火を灯す。

 「ぽっ」と、優しい火がロウソクに開花した。
 私はそのささやかな灯かりを楽しむように立ち上がって部屋の電気を消すと、暗闇に包まれた中で一箇所だけいじらしげに照らし出しているその光に何故だか親近感を覚えてしまい、そっと顔を近づけた。
「……きれい」
 しばらく――何分かのあいだ魅せられるようにその火を見入っていると、やがてロウソクの寿命が近づいたのか――風に揺られるようにして、火は消えてしまった。
 焦げ臭いような臭いが鼻を通ると同時に、部屋は再び暗闇に包まれる。
「……食べよっかな」
 もう一度立ち上がって部屋の電気をつけると、もう溶けかかっていたロウソクがぐにゃりとひしゃげている。それがどうも今の私に良く似ていて、どうにも妙な感情になってしまう。
「いただきます……」
 手を合わせてそう言うと、フォークで端からケーキをつつき始める。生クリームの塗装が剥がれ落ちると同時に、間に挟まれたイチゴが見えてきた。この瞬間がちょっぴり嬉しい。
「……」
 ――だけど。
「……っ」
 当初みんなと食べることを予定していたケーキである。
 一人ぼっちで食べていても、その嬉しさは半減どころかただ虚しさに変わっているだけのような気さえしてしまう。いつも食べるケーキは美味しいのに、今日のケーキはどこか味気ない。
「う……」
 ――その砂を噛むような感触に、また意図せずに涙が零れ落ちた。
 もう、何回目だろう。今日泣くのは。
「い……いけないいけない。私ったらネガティブになりすぎね。また……来年頑張れば良いじゃない。その時までにはきっとみんなと仲良くなれて、誕生日にだって誘えるようになってるわよ……」
 自分でも根拠の無い強がりだと分かっていながら、そう言わずにはいられなかった。
 虫のいい話だとはわかっているけど、こうでも言っていないといつか耐えられずに泣き伏せてしまうような気がする。

 それがただ、嫌だった。


















「しーっ、だから静かにして下さいって言ってるじゃないですか! 気付かれたらどうするんです!」
「うるせーなぁ、どだい無理なんだぜ? こいつらまで連れてきて黙らせろっていうのが……」
「いいじゃない、賑やかな方が好都合なんじゃないの?」
「それにしたって限度ってものはあるけどね……」
「なぁなぁー、お酒まだかー?」
「ちょっと黙ってなさい! アンタさっきからそればっかりじゃない!」
「ふふふっ……騒がしいわね、まったく……」





「……え?」


 何だか、外から声が聞こえるような気がする。それも恐らく十人以上が複数が集まった声だ。
 耳を済ませて壁に近づいてみると、確かに聞こえる。聞き覚えの無いものもあったが、その中には――
「……依玖?」
 聞きなれた、彼女の声も混じっていた。
「どうしたのかしら……。もしかして、今まで飲みに出てて今帰ったところだとか?」
 そう想像すると、何だか急に怒りが沸いてきた。
「あいつ……総領娘であるこの私を置いて飲みに出かけるとは良い度胸ね……。私の気も知らないで、ちょっととっちめてやろうかしら?」
 他にも声が聞こえる所を見ると、恐らくうちで二次会でもするつもりなのだろう。
 冗談じゃない。こっちはただ今一人誕生日パーティー絶賛開催中なのだ。衣玖にだって見られたら恥ずかしいし、勿論他の誰にも知られる訳にもいかない。二次会というならせめて他の所でやって貰わなくては!
 そう考えた私はとりあえずケーキ一式を机の下に隠してから、大声で壁越しに依玖に話しかけた。
「依玖? アンタこんな時間まで何やってたの! 事もあろうかアンタまで今日が何の日か忘れてるなんて……!」
「そっ、総領娘様!? お、お待ちください、その、あと少しですから……。あなた達も静かにしてください!」
「あと少しって何がよ! 言っとくけど私はいま忙しいんだから、飲むなら他でやってよね!」
「の、飲むとは……? ああっ、もう、少しは落ち着いていられないんですか!?」
 ……何だか私との会話をしつつ、うるさい連れに手を焼いているような感じだった。
 彼女も酔っているのだろうか? 第一、あんなに交友関係の広い奴だっただろうか。
「もう……しょうがないわね……!」
 私は苛立って近くの小さな窓のカーテンを開けるため、つま先で立ってカーテンの端っこを掴んだ。
 この向こうに依玖が居るはずだ。こうなったら一つ文句を言ってやらなくては気が済まない。
「う……うわわっ、総領娘様! あの、今カーテンを開けられると困るのですが……!」
「バカっ! 私の気も知らないで飲みに歩いてるアンタの方が困ったものよ! まったく、一体誰と飲みに歩いて――」
 そう言い終わる前に「シャッ」とカーテンを開ききり、外の様子を覗き込む。


 ――すると、そこには。




「あっ、総領娘さま……! ほっ、ほらっ、あなた達が静かにしないからバレちゃったじゃないですかっ! 折角の私の計画が……」
「まーまー、そんなに気にすんなよ。どっちみち演出なんて懲りすぎると失敗するってことだぜ?」
「いいじゃないそんな事どうだって。それより早く始めましょう。待ちきれないのも何人かいるみたいだから」

「……はっ、白麗の巫女……!」
 最悪なことに、例の事件のときに一悶着あった彼女を初めとして、見知った顔が何人かいた。
 ――この面子は、もしかして依玖が何か吹き込んで私を笑いものにしようとしにきたとか!?
「あっ……アンタねぇ依玖っ! 仮にも私はアンタの主なのよっ! それを一体どうやったら……!」
「お待ち下さい総領娘さま! いま登場シーンからやり直しますから! ほらあなた達、言っていた通りにしてください!」
「わーかったわかった。まぁ確かに曲がりなりにも出席させてもらう訳だし。恒例の台詞くらいは言っとかねーとな、だぜ」
「そうね、ちょっとグダグダになっちゃったけど……ほら皆。本日の主役はあちらよ〜」

「な……はぁ……?」

 何だか私が置いてけぼりにされている感を受けて、状況がよく掴めない。
 ただ、彼女達は一斉に窓から顔だけ出した私のほうを見て、何かタイミングを図っているようだった。
 一体、何の合図を――

「ちょ……ちょっと……」
「はい、皆さんいきますよ!? せー……のっ!!」

 ――すると。


 私の部屋の周りから、割れんばかりの大声が一斉に聞こえてきた。














「「「「「天子ちゃん、誕生日おめでとーーーーっ!!!!」」」」」
















「…………!」



 圧巻、だった。

 何十人とも聞こえる声が、一斉に、同じ台詞を口にしたのだ。
 何の偶然か、私がずっと望んで望んで仕方がなかった、あの台詞を。



「……え?」


「あっ、霧雨さん今ちょっとズレませんでした!? ちゃんとやって下さいよ!」
「しっつれーな! 私はちゃんとタイミング合わせたぜ? そこの酔っ払い鬼とかバカ妖精とかが遅れたんじゃないのぜ?」
「どーだっていいじゃない、そんな事……。ホラ、事態が把握できていないような人が――約一名いるでしょ?」


「…………っ」

 すると、その中での一人――あの博麗の巫女が、私のほうを指差している。
「こ……これは……」
「だーかーら、聞こえなかったのかよ。『誕生日おめでとう』って言ったじゃねーか」
「お……おめ……えぇ?」
 未だに状況が良く呑み込めていないような私をよそに。

 ――突如。
 私の部屋の空間の一部が、割れるように裂けた。

「……あっ」

 それは過去に何度か見た――あの八雲紫のスキマに違いなかった。

「はぁ〜い、こんばんわ」
「ゆ、紫……っ」
「あら、いつかの不良天人さんじゃない」
 すると、そのスキマから身を躍らせるように出てきた老女――あの紫が、私の前にすっと降り立った。
 見慣れたような不敵な笑みを浮かべると、眼前でくるっと扇子を舞わせる。
「ねぇ貴女、今私の事を老女≠チて形容しなかった?」
 何て勘の良さだ。
「し、してないわよ」
「そう? 言っておくけど私は永遠の十七歳よ?」
「知らないわよ! それより……どういう事なのこれ!? まさかアンタが衣玖をそそのかして……!」
「失礼ねぇ。私はどんな悪役キャラに取られてるの……。それより、不良天人さん」
「な、何よ!?」



「――お誕生日、おめでとう」



「……なっ」
 そして、にこっと微笑んで。
 私にそう告げた。
「何を――!」
「あーそうそう。これは貴女のところの依玖さんに言われたからであって、別に私の本心からじゃないのよ? 勘違いしないでよねっ」
 すると、何故か少しわざとらしいくらいに「ぷいっ」とした仕草を取った紫。
 ――例のつんでれ≠ニやらで少女ポイントでも稼ごうとしているのだろうか。
「……また何か失礼なこと考えてるわね?」
「ちっ……ちがっ……」
「まぁ何にせよ。私の事はいいから、そろそろ窓の外の皆さんを中に迎え入れてあげたら? せっかく貴女の誕生日パーティーに来てくれたっていうのに、寒い中放って置かれたんじゃ可哀想よ」
 そうやって紫が「ぱちん」と指を鳴らすと同時に、例のスキマが三つほど部屋に浮かび上がった。
 すると。
「きゃああああぁぁっ!!」
「なっ、何だっ!? 何事だっ!?」
 その中から何重もの悲鳴と一緒に。
 次々に外に居た連中が放り出されるように部屋の中に、忙しなく入ってくる。

 それは――

 見慣れた依玖。
 博麗の巫女。
 箒を持った魔法使い。
 地下の鬼達。
 湖の氷精。
 竹林の医者とその兎達。
 紅魔館の吸血鬼やそのメイドまで。

 計三十人ほどの連中が、広さだけは無駄にある私の部屋に。
 一斉になだれ込んできた。


「……っ、ちょっと紫さん。もう少し安全な招待はできなかったんですか?」
「ふふっ、ごめんなさい」
 悪びれもなくそう言うと、すっと再びスキマに腰掛ける紫。
 他の連中も何とか姿勢を立て直したようで、紫に対してぶつくさと文句を言いながらもその辺の床に座っていく。
「い……依玖、これは一体どういう……」
 すると依玖は私の方に近づいてきて、にっこりとした笑顔を浮かべながら、しかしさも当然であるかのように言った。
「ですから、この方々を総領娘様の誕生日パーティーにご招待したのですよ。今日は幻想郷中の知り合いに声をかけるべく、朝早くからあっちこっちを飛び回って声をかけていたんですから」
「え……じゃあ、用事っていうのは……」
「はい、そのことです。あとは色々と登場シーンのリハーサルをやったりとかですね。大変だったんですよ? こんなに落ち着きの無い方々を纏め上げるというのも……」
「……っ」
 ――その時、私は依玖に……、依玖に感謝していた。
 私の事を想ってやっていてくれていたのか。飲みに行ってたなんて、ただの私の勘違いだったんだ。

 ――だけど。

「で、でもそれってこいつらは、みんな衣玖に言われたから来たんでしょう。それこそ宴でもする為に――」
 すると、その私の言葉を聴いて、依玖は目の前で苦しげな笑みを浮かべた。
「いいえ、総領娘様。確かに私はリハーサルの監督はやりましたし知り合いの所へと赴きましたが、それだけです。それ以外は何もしていません」
「……どういう事よ」
「ですから――。ここにいる皆さん、私に言われるまでもなく。みんな総領娘様の誕生日を祝おうとしてくれていたらしいのですよ」
「…………っ、はっ、はぁ!?」
 思わず素っ頓狂な声を上げてしまう。
 意味が分からない。一体どうして――
「私も様々な方の所に誘いに行ったのですが、皆さん一様に『そんな事は言われなくたって分かってる。誘われなくたって行くつもりだった』と仰っていました。どうやらあの新聞屋の天狗が、今日は総領娘様のお誕生日という事で号外をバラ撒いていたというのもあったようですけどね」
「…………え」
 ――ここへ来て、私はようやく理解できた。
 ここに居るみんなは、私の誕生日を祝おうとしてくれているのか。
 それも同情や依玖に言われたからではなく、自分から。

 周りを見渡してみると、溢れるような連中はみな揃って私の方を向いていた。

「ま、アンタとは色々あったけど、そこの召使さんが『お料理ご馳走します』っていうからしょうがなくね。……あとついでに、誕生日おめでとう」
 そっぽを向いたように言う、博麗の巫女。

「あ、霊夢は金欠だから誕生日プレゼントは勘弁してやってほしいんだぜ。それじゃあコレは私からな、蒸しても焼いてもウマい、私が薦める秋のキノコ百本セットだぜ! 誕生日おめでとうな!」
 にっと笑ってぱんぱんに膨らんだ風呂敷を取り出す、魔法使い。

「咲夜、アレを」
「はい。主から、我が紅魔館の地下で熟成させたヴィンテージのワインでございます。お誕生日、おめでとうございます」
 偉そうに命令する吸血鬼と、それに従ってボトルを差し出すメイド。

「じゃあ私からは――はい、PSP3000の全カラーセットね。誕生日おめでとう」
「しっ、師匠!? それは姫様の所持品では――!」
「いいのよウドンゲ。姫ったらロクに外にも出ないでゲームばっかりやってるんだから。これくらいやって当然よ」
「そうかもしれませんが――どうして姫様は同じゲーム機を何色も持っていらっしゃるんでしょうね」
「私たちには理解できないわ」
「そうですね――あっ、お誕生日、おめでとうございます」
 手の平サイズのカラフルな機会を差し出す、竹林の医者と兎。

「なーなー霊夢ー、お酒まだかぁー? 勇戯も、酒ぇーっ」
「……ったく、お前はホント酒の事しか頭にないよなぁ萃香。まぁ私も似たようなモンではあるけどな」
「私から見れば、あんた等の方がよっぽどお似合いに見えちゃうわ……」
「おいおい妬くなよパルスィ。私の心は――ずっとお前だけのものだぜ?」
「バっ……バカな事言ってるんじゃないわよ……! ぅ……、ばか……」
「はははっ。お、天人さん。ほら、地下名物の酒蒸し温泉たまごだ。美味いんだぜ? 誕生日おめでとう」
「そーだな、誕生日おめでとーっ!」
「うう……ばか勇戯……惚れ直しちゃうじゃない……」
 地下の鬼が二人に、あと何故か顔を真っ赤に染めている橋姫。

「たんじょうびー? あっ、あたいしってるよ! じぶんがうまれたときのひにちに、ぷれぜんととかいっぱいもらったりぱーてぃーやったりするんでしょ! あたいったらてんさいね!」
「そうだな、お前にしちゃあ上出来だ」
 魔法使いにあしらわれている氷精。


 ――その皆が、私を祝ってくれていた。

「いかがですか、総領娘様。いつも皆さんと仲良くしたさそうだったので私なりに世話を焼いてみたのですが――どうあれ、皆さんには敵いませんでした」
「…………っ」

 ふと、目頭が熱くなる。鼻の奥がつーんとする。

 ああ、そうか。
 この風景が、私がずっと望み続けてきたものだったんだ。



 ありがとう、衣玖。皆。
 

「……総領娘様? どうされました?」
「何だ天人、ハラでも痛いのかー?」
「ち……違っ……」

 ぽろぽろと、私の頬を伝う熱い涙。
 私はそれを見られないように、うずくまるようにして顔を隠した。

 さっきまでの孤独な涙とは違う、寂しい涙とは違う。
 嬉しい、暖かい涙が。止め処なく溢れてきた。


「……総領娘様……」

 そんな私の様子に気付いたのか、依玖がそっと私の震える肩に手を置いてきた。
 その暖かさが伝わって、口を閉じたままでも涙がさらに溢れ出てくる。

(……あなたはもう、独りぼっちじゃありませんよ)
「…………!」
(ね、総領娘様)



「……うん……!」

 そっと耳元で囁く依玖の声を胸に染み込ませながら。
 私は乱暴に、服の袖で涙を拭う。


 そして――この光景を二度と忘れないようにしっかりと見納めながら、立ち上がった。


 すううぅーー……っ

 思い切り、息を吸い込んで。







「――よぉーっし、アンタ達にもやっと私の偉大さが理解できたようねっ! いいわっ、今日はこれから一晩中飲み明かすわよっ!!」

「「「「「おおーーっ!!!」」」」」








 今日は今までの中で、最高の誕生日だ。




 〜END〜
作中で出てきた天子の誕生日(10月5日)は、天子が嫁という友人の誕生日から取りました。
オリ設定で申し訳ありません。実は大分前に書いたものです。

というか、また全年齢向けを書いてしまった。
私はもっと残虐なハートフルボッコやド変態下品エロ話が書きたかった筈なのに……。

よし、次は古明地姉妹に視姦されながら全裸でオナニーする妄想話でも書こうかな。
kyoune
作品情報
作品集:
28
投稿日時:
2011/08/23 07:41:21
更新日時:
2011/08/23 16:43:06
分類
天子
誕生日
非エロ
非グロ
非スカ
非ハートフルボッコ
一応いい話?
1. 名無し ■2011/08/23 17:04:17
イイハナシダナー
後、本の内容が激しく気になる

>>よし、次は古明地姉妹に視姦されながら全裸でオナニーする妄想話でも書こうかな。
期待せざるを得ない
2. 名無し ■2011/08/23 21:53:07
イイハナシダナーと思いながら実は夢オチかとハラハラしてたぜ。
3. kyoune ■2011/08/23 21:57:02
>>1さん
こういう所でのこいしちゃんは大抵ノリノリのドS。
さとりんはその後の展開でこいしちゃんにいいように利用されて済し崩し的に性格変貌しちゃうとかそんなキャラ。なんじゃないかナー。

>>2さん
なにそれこわい
4. NutsIn先任曹長 ■2011/08/23 22:54:53
この比那名居天子、ひねていないてんこでよかったです。
今生の最期に良い思い出ができてよかったね。

で、次は何?
さとりから白い目で見られる話?
こいしが両の目も閉ざし、植物人間になってしまう話?
5. 名無し ■2011/08/23 23:01:04
てっきり最後に「……いい夢だったなぁ」と涙する天子が出てくるのかと。
まあ、誕生日もクリスマスもさびしく過ごすのも悪くは無いさ!静かな夜もいいもんだ(自棄)。
6. kyoune ■2011/08/23 23:09:54
>>NutsIn先任曹長さん
今生の最期とはまた不吉な……。

あ、さとりん編とこいしちゃん編の二本立てに分けた方がバランスが取れそうな気がしてきました。
どちらもマゾ紳士向け内容となりそうですが。

>>5さん
どうしてここの住人方はバッドエンドを望もうとするのですかw

……誕生日もクリスマスも独り寂しく過ごす私が通りますよー。
7. 名無し ■2011/08/24 07:06:49
まさかタグ通りの話になるとは
このリハクの目をもってしても見抜けなかった
8. 名無し ■2011/08/24 20:28:06
産廃でハッピーエンドとは珍しいな
9. 名無し ■2011/08/25 02:16:40
もったいない、イイハナシなだけに散見される誤字がもったいないです…

この手の誕生日話、結構好きなんですよねw
10. 名無し ■2011/09/18 20:17:43
途中から全部「依玖」になってたし良いとこで「白麗」になってたしwww

良い話だが詰めが甘いッ
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