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『姉を思う』 作者: まいん

姉を思う

作品集: 29 投稿日時: 2011/09/03 15:33:42 更新日時: 2011/09/11 19:10:11
注意、東方projectの2次創作です。
   オリ設定が含まれている可能性があります。





地上って楽しいなぁ、地底より明るいし皆優しいし。

私地上の皆、だ〜いすき!

今日は何日かに一回の地霊殿に帰る日だ。

えへへ、お家に帰ったら、お姉さまとたくさん、た〜くさんお話するんだ。

そのうち、ふらっと出かけちゃうけど、いつもの事だし、きっとお姉さまも許してくれるよね?

そんなお姉さまが私、だ〜いすき!





……


………?


ここはどこ?

暗い!狭いよぉ!

出して!ここから出して!


ドッ! ガッ! ガッ! ガッ! ガッ!


………


ハァハァ、痛っ! 手の皮が剥けちゃった。

ハァ、ちょっと落ち着かなきゃ。

でもずいぶん狭いなぁ、手も足もあまり伸ばせない。

お姉さまが助けに来てくれるかなぁ?

ううん無理ね、私いっつもフラフラ出かけちゃうから、いつもの事だときっと思ってるわ。

どうしたら、どうしたらいいの?


……ピチョ!


冷たい、何かしら?

……水?

ここはいったいどういう場所なんだろう?


……ぐぅ


お腹空いてきちゃった。

でも大丈夫、私は無意識を操れるから、少しの間なら空腹位なんとも無いわ。


………


今何時かなぁ?

さっきからお腹が痛いよ、おトイレに行きたいよぉ。

………

ああ、もうだめ、いやあ。

んんん、くぅぅ、ううう、あっ!

……でっちゃった、くすん。

臭いよぉ。

……無意識を操って何とかなるかなぁ?


………


今私はお腹が減っている筈、私の周りは臭い筈、でも私は何にも感じない。

ここから出られたら、もう出かけない! 大好きなお姉さまの傍にずっと居るんだ。

……だから、ここから出たいよぉ、お姉さまぁ。

…くすん。


………


何日位経ったかなぁ?

する事も無いから一日中寝ている気がする。

夢の中のお姉さまはすごい楽しそう、夢の中の私もすごい楽しそう。

どうしてこうなったんだろう?

そういえば、水がだんだん溜まってきた。

これ飲めないかな?


………


そうか解った、この水が溜まると私、息が出来なくなっちゃうんだ。

そんな事許さないわ、溜まった水なんて飲んでやる。

そうすれば、お腹も空かないし渇きも満たされる。

あたいったら最強ね!

いけないいけない、これじゃあどこかの氷精ね。

……水を飲んだら、今度は何か食べたくなっちゃった。

でも、ここには食べるものなんか何も無いよ。


………


私の爪はすごく硬いのよ、これで人間やそこらの妖怪と遊んであげてたの。

ここの壁は硬いなぁ、爪跡は付いているのに全然掘れている気がしない。

カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

……あっ、爪が折れちゃった、ちょっと集中しすぎちゃった。

…うふふ。


………


この前、爪が折れた指の血が止まらないよぉ。

確か唾をつけると良いって聞いたわ、という事はしゃぶってても大丈夫よね。

痛いの痛いの飛んでいけ〜。

……血の味って落ち着くね。


………


お腹すいた〜、もう無意識でも駄目〜。

どうしよう、どうしよう、お姉さま助けてよう。

ん? 腕や脚は二本あるのよね?


………


私は手の力が凄いのよ。

人間や妖怪を握りつぶす時は果物みたいに潰せるの。

…だから…ね。

脚一本潰すのは余裕なの。


ぎゅううううう、ぎゅぎゅぎゅぎゅぎゅ。

ぎゅばっ、ぶちぶちゅ、ぶちゅちゅちゅ、ぶちぶちぶちっ……


あっ、あはっ、やっぱり余裕だった。

暫くお腹は空かないね。

そういえば、水ってこんなに美味しかったんだ、いつの間にかお肉みたいな香ばしい味がする。

私この発見をお姉さまに教えてあげる、絶対、ぜ〜ったいおしえてあげるんだから。


………


ねぇ、私お姉さまの事大好きなのよ、どんなに酷い事されても一生添い遂げれるの。

だから、ねっ、私はここに居るの、私を見てお姉さま。

いままで勝手に出かけてごめんなさい。


………


オニクウマイオニクウマイオニクウマイオニクウマイオニクウマイオニクウマイオニクウマイオニクウマイ


………


無意識に脚を食べちゃった、これじゃだめね。

この腕を食べちゃったら、大好きなお姉さまを抱きしめれなくなっちゃう。


………


寝て、溺れかけて、起きて。

生きる為に水を飲んで。

また寝る。

いっそ溺れ死んでしまえば楽になるのに……。

嫌だよ、死にたくないよう。

お姉さまに言いたい事が沢山あるのに、謝りたい事沢山あるのに………

嫌っ! 嫌っ!

たすけておねえさまっ! たすけてっ!

………

がごおぼぼぼおおおおおおおおおおおおおおおお……










「ふふふ」

大きな広間に立っている少女は、唯一つ地面から出ている小さな筒を見て微笑を浮かべている。

広間の隅には、猫耳の黒服の少女と大きな翼の少女がお互いの身を寄せ、抱き合い泣いていた。頬は叩かれた様に赤くなっていた。

「こいし、出てくる頃にはどんなに素晴しい姿になっているか楽しみだわ。貴女はいつも勝手にいなくなってしまう…。私はそれがどうにも耐えれないのよ、愛しの…愛しのこいし」

そう言うと後ろを振り返った。

「燐?空?」

隅にいる彼女達は小さく悲鳴を上げ、弱弱しい目線を主人に対し向けた。

「私とこいしは姉妹よ。姉妹の情事を邪魔するとは悪いペット達ね。言うことを聞かないペットは躾をしないといけないわね」

彼女は胸にある、第三の瞳を輝かせ、彼女達に近づいた。

「「さとり様! お許し下さい!」」

地霊殿に叫び声が響く。

さとりと呼ばれた少女が見ていた筒から水が溢れる。

満面の笑みでさとりはそれを見る。

こいし、また一緒に暮らしましょう?

貴女が目を閉じた時の様に酷い思考をする者はここにはいないわ。

そんな思考の者が来たら、私が護ってあげる………

だから…ね、ずっと一緒に過ごしましょう、愛しの愛しのこいし。
紫と霖之助の話を考えていたのにどうしてこうなった。

次こそは良い話が書ければと思います。
まいん
作品情報
作品集:
29
投稿日時:
2011/09/03 15:33:42
更新日時:
2011/09/11 19:10:11
分類
こいし
1. NutsIn先任曹長 ■2011/09/04 01:04:14
どうも。
貴方の作品の愛情表現は、究極形態に至っていますね。
当事者以外の目線では、常軌を逸しているという。



気ままな放浪生活を送る妹と、そんな彼女を心配する姉。
願望を叶えよう。妹の。私自身の。

悔いの残らぬように、完璧にやり遂げよう。
流浪の日々の苦しみに比べたら。
爪弾きにされた苦しみに比べたら。
助けよう、妹の魂を。私自身の魂を。

悲しみを拭えるのは、私だけ。妹だけ。
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