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『心頭滅却すれば腹もまた痛し』 作者: ぐう

心頭滅却すれば腹もまた痛し

作品集: 29 投稿日時: 2011/11/16 16:58:56 更新日時: 2011/11/17 01:58:56
※この二人の口調がよくわかりません。違ってたらごめんなさい。





昼下がりの命蓮寺は今日も平和・・・といえば平和なのだが、いつもと少し雰囲気が違っていた。
いつもなら参拝客が来る本堂が静まり返っており、むしろ威圧のような重い何かが伝わってくる。

「ほ、本当にいいんですか?」
「かまわぬ、私に雑念が見え次第、遠慮なくやってもらえぬか」
「そこまで言われるのでしたら・・・わかりました・・・」

長い錫をもちながら、少し気が引ける星。彼女に用件を頼んだのは、星幽剣士のコンガラだった。
剣士たるもの力と技が全てではない。精神を鍛えることにより、心・技・体を兼ね揃えてより強くなれるもの。
いわばコンガラは、その「心」の部分の修行のため、この寺を訪れていたのだ。

「ではすみませんが、雑念が見えましたら・・・」
「遠慮も容赦もいらぬ、よろしくお頼み申す」

修行の付き合いとはいえ他者を叩くのは気が引ける。だが星も毘沙門天の弟子として、それなりに厳しい修行の心得はある。
そのときのことを思い出し、心を鬼にしてコンガラの修行に付き合うことにした。


「喝!」   バシンッ!
「くっ! かたじけない・・・」

心を鬼にした星は、まさに毘沙門天そのもの。相手が見ず知らずのコンガラだろうと、一分たりとも緩みが見えればすかさず喝を叩き込む。
それに対するコンガラも、険しい顔つきで修行に挑んだ。その顔つきたるや、かの不動明王を彷彿とさせるものだった。

「嘘・・・あれが本当にあのうっかりもののご主人なのか・・・?」
「うわあ・・・あんな形相で怒られたら絶対私が驚いちゃうよ・・・」

修行の様子を覗いていたナズーリンと小傘は、ガタガタ震えながら話し合った。
コンガラの顔つきもだが、何より星の別人っぷりは普段からはまったく想像できないほどだ。普段星に注意している自分の無鉄砲さを感じるナズーリンだった。

二人がこそこそと立ち去った後、本堂にある橙色の水晶玉が修行を見守るかのように明るい光を放っていた。





「あの程度のことで喝をいれられるとは、私もまだまだ修行が足りぬな」

約1時間の座禅を終え、コンガラは一息を兼ねて寺の中を歩いて回った。
風流な景色と静かな庭園、これほど精神を落ち着かせるのに適した場所もそうそうあるまい。
もっとも、今はぬえの悪戯が起こっていないからなのもあるのだが。

「聖殿にも後で、お話を伺いたいものだ。・・・ん?」

コンガラが寺を歩いていると、一室で何か書き物をしている人物を見かけた。
白い装束に長い紫の髪、そして傍らにおいてある刀・・・

「おお、やはり明羅殿だったか」
「これはこれはコンガラ殿ではござらぬか」

後ろ姿に見覚えのあるコンガラは、その人物に声をかけた。
書き物をしていたのは侍の明羅、出で立ちも二つ名もまさに侍なのだが、実は女性だった。
しかしその立派さゆえに男と間違える者は少なくなく、かつて霊夢の先祖・靈夢でさえも男と思い込んでいたのだ。

そして侍たるもの、コンガラ同様に剣の心得があるため、たまに修行をともにするほどの仲である。



「これは、習字?」
「さよう。それよりコンガラ殿はどうしてこちらに?」

どうやら明羅は習字の最中のようで、横には彼女が書いたこれまた立派な文字が大きく書かれてあった。
コンガラは自身のことを話した。

「なるほど、心を鍛える修行としてこの寺に座禅を。それならコンガラ殿も私と習字をされてみては?」
「いやしかし・・・それより明羅殿はなぜ習字を?」
「これも修行の一環でしてな、一摺(す)り一摺りに精神を集中させ、心を無にするのに向いているのです」
「なるほど」

確かに明羅の書いた字を見てみると、線の流れ具合・太さどれをとってもいい出来栄えである。
彼女が勧めるのは、これもまた心を鍛える修行になるからだろう。

「では私も失礼してよろしいか?」
「是非とも。一輪殿、筆と墨をもうひとつずつ頼みたい」
「はい」

どうやら星がコンガラの修行に付き合っている間、一輪は明羅の修行を手伝っていたようだ。
ともかく同じ剣を心得る者として、行う修行も同じほうがいい。明羅の横に座り、コンガラも習字に取り掛かることにした。

「ふーむ、なかなかうまくいかん・・・」

一摺り一摺りに精神を集中・・・わかってはいても、そう上手くいかないのが現実だった。
厳密に言えばコンガラも上手に書けてはいるのだが、彼女が満足のいく出来にはなっていなかった。

字を書くなど出来て当たり前のことだと思っていたが、丁寧に書いてみるとなるとこれまた意外を難しいものである。
さっきからやっていたとはいえ、明羅もなかなか上手く書けないようだった。

当たり前のことほど難しい、これが今日のコンガラの教訓となったことだろう。





「しかし私もまだ修行が足りぬな・・・習字を侮っていた」
「コンガラ殿、そんなに気を落とされずに。お互い日々精進あるのみです」
「そうですな」

習字を終え、差し入れのお茶を口にする二人。
直接的な剣の修行こそなかったが、これもまた修行の一環、彼女たちにとっては大切なことだ。

「お二人とも、ご苦労さまでした」
「おお、これは聖殿。今日は修行の場として本殿をお借りしてまことにかたじけない」
「みなさんにもよろしくお伝えください」
「いえ、私たちでよろしければまたお力になります。またいらしてください」

本来は人々が参拝に訪れる場、それをわざわざ修行の場として貸し出してくれたことは、二人には感謝してもし足りないことだろう。

「では明羅殿、私はこれにて」

明羅に挨拶を済ませ、コンガラは夕日を背に命蓮寺を後にした。



「しかし習字か、今度から修行に取り入れてみるか」

習字がうまくいかなかったことを気にしてるのか、コンガラはぶつぶつとつぶやきながら帰路を歩く。
輝く夕日がとても美しいが、これがまもなく沈むとなると暗くなってしまう。急がなくてはならない。

ぐうりゅりゅりゅ・・・
「うっ・・・そういえば寺を後にする前に言ってなかったな・・・」

さすがに秋も深まり、寒さも一段と強くなる今日この頃。それ故にお腹も冷えてきた様子。
足取りを速めようとしたコンガラだが・・・

「うぐあっ!? な・・・何だこの痛みは・・・」

突然今まで味わったことのない腹痛が起こり、同時に肛門にも激痛を走らせてコンガラの足を止めた。
腹を下す経験なら何度かあるが、ここまで急激かつ動けないほどのものは今までにない。

まるで腹の中で爆発が起きたような、たとえるならそれくらいの刺激。



「いったいこれはどういう・・・」
ブビュッ、ブブッブビビ・・・
「っ!?」

コンガラが状況を整理しようとしたそのとき、急に肛門に一瞬だけ痛みを通り越す刺激が走ったかと思うと、お尻にやたら熱を感じるようになった。
服の上からお尻をなでてみると、嫌に温かい膨らみが感じられた。

「ま・・・まさか私・・・」
ブリュブリュブリュッ、ブッブブブウッ!
「うああっ! 待てっ、出るなあああああ!」

出るなといったところで出ないはずがなかった。肛門に走ったあの刺激は決壊の合図で、その瞬間からコンガラはすでに致してしまっていた。
水気こそないが、お尻に嫌に広がるぬくもりと腐敗臭がコンガラに現実をつきつける。

予測不可能の突然の便意、そして尋常じゃない即効性。コンガラは訳がわからないまま野道で排泄に屈するしかなかった。





ブビ・・・ビビュビュビュビュ・・・
「な・・・何てことだ、この私が・・・」

一息つき終えて、いよいよ寺を後にしようとした明羅だった。しかし今の彼女は、どう見ても出発できる状況ではなかった。
トイレの個室の中、便器に手をかけたところでコンガラと同じように致してしまっていた。

ブリリリ・・・ブブッ、ブリュリュリュリュ・・・
「もしかしてさっきの茶であたったのか・・・でなければこの腹の痛みは・・・」

明羅も命蓮寺を出発しようとした途端、原因不明の腹痛に見舞われた。コンガラと違いトイレに行くのはたやすいのだが、便意に敵わなずあと一歩及ばなかった。
コンガラ同様、原因が思い当たらない。思い当たるとすれば、先ほど出されたお茶ぐらいなのだが・・・



「どうしよう、あのお茶お客さんのだったんだ・・・。聖たちのだと思って下剤いれちゃった・・・」

同じころ、お茶がコンガラたちに出されたものだと知って焦る少女の姿があった。
どうやら白蓮たちをからかうために下剤を仕込んだのは彼女のようで、まさかこうなるとは思ってなかっただろう。

飲んですぐ効果が出ないが威力がすさまじい辺り、以前霊夢たちが三月精をこらしめるのに使った新型の下剤に違いないだろう(「世界最大の生命体 スカ編」参照)。

「ああああ・・・また聖にお仕置きされちゃう・・・」

赤と青の羽を持つ少女は、とりかえしのつかない事態にただただ怯えるしかなかった。
今回は靈異伝のコンガラと封魔録の明羅の剣コンビです。
ネタが少ないからとっつきが難しいこの二人、剣を持つという共通点から修行に走らせてみました。
精神の修行をするのはいいものの、ぬえが間違えて仕込んだ下剤入りお茶を飲んでアウト、という感じです。

ぬえの末路はもはや説明不要です。悪戯する子に待っているのはただひとつ・・・
ぐう
作品情報
作品集:
29
投稿日時:
2011/11/16 16:58:56
更新日時:
2011/11/17 01:58:56
分類
コンガラ
明羅
スカトロ
お漏らし
1. NutsIn先任曹長 ■2011/11/17 07:05:55
一日の始まり、朝食を摂りながら読ませていただきました。
『動』のバトル物とは異なる、『静』の修行を行う二人の剣士。
朝の静謐な一時に非常にマッチしました。

だが、食後のヨーグルトを食べ始めた時に……、な、なんちゅーもん読ませてくれたんですかっ!?
これもまた定番となった、遅効性の下剤を盛られて漏らす美丈夫達に一種の美すら感じられます。
彼女達ですら耐えられず、便器にも間に合わないのですね。

これでもコンガラと明羅が命蓮寺に来てくれるなら、二人は余程の人格者だと言う事になります。
悪戯妖怪が南無三されることは確定となったようですがね。

今回も旧作キャラでしたが、簡単な説明があったおかげで容易に感情移入ができました。
今後、どんなキャラが便想郷の洗礼を受けるのか、楽しみにしています。
2. ぐう ■2011/11/26 22:56:50
>先任曹長さん
次に二人が命蓮寺で最初にした修行は、ぬえのお仕置きの手伝いです。
旧作キャラも大分便想郷の洗礼を受けてきたものです。
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