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『GERIMUSUME 再び』 作者: ぐう

GERIMUSUME 再び

作品集: 29 投稿日時: 2011/11/26 13:51:39 更新日時: 2011/11/27 08:50:32
日に日に寒さがどんどん増す幻想郷は、冬を司る妖怪が本格的に活動を始めたのだろうか。
それは地上のみならず、冥界や地底や月、そしてここ魔界にまでも広がってゆき、そこに住む者たちに身震いさせるほどの寒さをもたらした。

「くしゅんっ! うう寒・・・」

くしゃみを一発放ち、腕を服の裾に引っ込ませて歩く神綺。
格好が格好だけに、魔界神としての威厳もへったくれもない。とはいえこの寒さまでどうにかできるほどの力は、彼女にはなかった。

「夢子ちゃーん、今日のお昼はあったかいものがいいー。ずずっ・・・」

鼻をすすみながら、神綺は台所に顔を覗かせた。
まるで子供のような一言は、もはや魔界神としての(ry

「わかりました、少々お待ちくださ・・・ずずず・・・」

神綺に仕えるメイドの夢子。レミリアに対する咲夜のように、主である神綺への忠誠は絶対だった。
しかしそんな彼女の鼻と口を、白いマスクが覆っていた。そして同時に鼻をすする音が聞こえてくる。

「夢子ちゃん、もしかして風邪気味なの?」
「申し訳ございません、私としたことが・・・」

よくよく聞くと夢子の声は立派な鼻声で、顔も真っ赤で熱を帯びているようだ。
無理せずに休むべきなのだろうが、主に仕える者としてそれは許されない一心だろうか。懸命に昼食を作っていた。


「大丈夫? 何だったら私も手伝うわよ?」
「しかし神綺様、私はメイドとして・・・」
「固いこと言いっこなしよ。夢子ちゃんにはアリスが生まれる前からお世話になってるんだから、たまには私がお世話をする番よ」
「神綺様・・・ありがとうござ・・・っくしっ!」

先ほどのくしゃみの通り、神綺も若干風邪気味だった。
しかし今の夢子に比べたら俄然ましなほう。それに無理を押して仕事をしている従者に無理をさせるのはしのびなかった。

結局神綺の好意に甘え、夢子は昼食作りを手伝ってもらうことにした。



「で、私は何を手伝えばいいの?」
「では冷蔵庫の一番下の段から野菜を、その上から肉を出していただけますか?」
「野菜とお肉ね、まかせといてっ」

神綺はやる気満々に腕をまくり、冷蔵庫を開けた。
ひとえに野菜や肉と言われても、数が多くて何を出せばいいのかわからない。

「夢子ちゃん、たくさんあるけどどれを出せばいいの?」
「野菜は○○と○○を、肉は○○を取り出してください」
「えーっと、これとこれと・・・あとこれね」

夢子に指示されたものを取り出し、神綺はまな板の上に運んだ。

「次はお野菜を洗っていただいて・・・」

などといった感じで、夢子と神綺は二人三脚で昼食作りに取り組んだ。
たまにはこうして一緒に手伝うのも悪くはなさそうだ。



「んーっ、夢子ちゃんが作るご飯はいつもおいしいわー」
「今日は神綺様が手伝ってくださりましたから、本当に助かりました」
「いいのよ。それよりも従者だからってあまり無理しないでね」

元々夢子の作るご飯は絶品なのだが、今日は神綺が手伝ったのもあって味は気持ち的にもいつもよりいいものだった。
ただ唯一このひと時の邪魔となるのが・・・

「この鼻詰まりがちょっと嫌なのよねぇ・・・」
「わかります・・・」

二人とも風邪気味だからか、鼻詰まりで呼吸はしにくいわ匂いはわかりにくいわで辛そうだ。
鼻詰まり、それはわかる人にはとことんわかる厄介者である。



その後は一息つけるアフタータイム。夢子は買出しに出かけなければならないのだが、意外と風邪が厄介そうだった。
そこで、神綺が買出しを買って出ることにした。

「夢子ちゃんはゆっくり休んでて、私がついでに風邪薬も買ってくるから」
「神綺様、すみません・・・ごほっごほっ」
「いいのよ。じゃあ行ってくるね」

買い物籠と買い出す品が書いてあるメモを手に、神綺は家を後にした。が・・・

「あっ、財布忘れてたー!」

まるでどこぞの7人家族の奥さんのように、愉快な神様である。






「これで全部揃ったわね、薬局で薬も買ってきたし。・・・でもやっぱり寒い・・・」

買い物籠いっぱいに荷物を入れて、魔界へと戻ってくる神綺。
暢気に買い物に出かけるのもたまにはいいが、やっぱり肌を刺す寒さは辛い様子。

「あの子も元気にしているみたいだし、何よりだわ」

すっかりご無沙汰だった人里に住むある男と久々に再会し、元気そうな顔を拝んできたようだ。
本当はゆっくり話がしたかったものの、買い物の最中と風邪気味であることを考慮して早めに切り上げた。
(男については「魔界神の秘め事」を参照に)

「うぅ寒・・・早く帰ってあったまりましょ・・・」

昼間にも関わらず北風が吹く寒さ。早く帰らないと風邪が悪化しかねない。
神綺は飛行速度を上げて、魔界の空を飛んでいった。



「はぅぅ・・・私どうしたのかしら・・・」

しかしそれからわずか30秒後、神綺は地上に降りてよろよろと歩いていた。
急に胸がチクチクと痛み、頭もガンガンと訳もわからず響いてくる。とても飛んでいられず、こうして地上を歩いているのだ。

「うぷっ、何だか気持ち悪い・・・」

胸の痛みに合わせて鼓動が早くなり、それは喉の奥から何かが湧き上がらせようとしていた。
不快感はわずか数秒のことで、瞬く間に嘔気として神綺の喉を刺激させる。

「はぁ、はぁ・・・何だか吐きそう・・・うええ・・・」

風邪にしてはあまりにも症状の悪化が急すぎる。とはいえ他の要因を考えようにも喉の奥から迫る物がそうはさせない。
さすがの神綺もあまりの嘔気にも耐えられず、草むらに顔を向け・・・



「うえええっ、おえええええ・・・」
ピチャピチャベチベチベチッ

さっき夢子と一緒に食べた物が混ざった酸っぱい液体が、草むらの中にボトボトと垂れ落ちてゆく。
魔界神がこんなところで嘔吐など洒落にもならないが、今の神綺の気分の悪さはそんなこと考えてる暇などなかった。

ぐぎゅぎゅるるる・・・
「はああ・・・お腹も痛い・・・。私どうしたのかしら・・・」

嘔気がおさまったのもつかの間、お腹から痛みと同時に発生する鈍い音。
それが便意によるものだと神綺が理解するのに、5秒も掛からなかった。

「家までもう少しだから、何とかそこまで・・・」

しかしわかったからといって身体が落ち着く訳でもない。神綺は身体の不調をこらえて家までゆっくりと歩きだした。







「ううっ・・・もうだめ、お腹痛い・・・」
ビュビビビ・・・ビビッブビュブビュビュ・・・

幸い神綺が地上に降りてから家までは比較的近く、歩いてでも数分で着ける距離だった。
しかし不調によって買い物籠は重く感じ、それを持ちながらの一歩一歩は負担以外の何物でもなかった。

結果括約筋に力など入らず、あっさりと決壊を許すハメになることに。

ブビビブビーッ、ビチビチビビビ・・・
「お尻がドロドロして・・・うんちで気持ち悪いよ・・・」

一歩踏み出すことに肛門からは下痢便が噴出し、下着に溜まっては尻全体に広がって不快感を招く。
更には溢れた下痢便が常に足を垂れ落ちるのだから、気持ち悪いことこの上なかった。

「こんなみっともなくうんち漏らしちゃって、夢子ちゃんに怒られちゃう・・・」

いくら主とはいえ、こんな格好を従者に見せたら何を言われるのかわからない。
神綺は不快感と怒られることに対しての不安を胸に、家まで歩き続けた。

彼女の歩いた証拠のように、茶色の雫を地面に垂らしながら・・・



「ただいま・・・何この臭い?」

夢子に怒られることを覚悟して玄関のドアを開ける神綺。しかし一歩踏み込むと、異様な悪臭が家の中から鼻に入ってくる。
この臭いは神綺が漏らした下痢便そのもの。しかし家の中からしてくるというのが妙に引っかかる。

「あれ、トイレのドアが開いてる・・・もしかして夢子ちゃん?」

廊下を歩くと、トイレのドアが開いているのが見えた。そしてその中から便臭が強く放たれる。
留守番している夢子がトイレに行っていると考えるのが妥当だが、何故ドアが開いているのかがわからない。

「夢子ちゃん?」
「う・・・うえええええええっ!」
「ひゃっ!?」

神綺がトイレを覗いてみると、彼女の予想通り夢子がいたことはいた。
しかし洋式の便器に腰かけている訳でもなく、何故か便器に顔を向けていた・・・と思ったその時、ベチャベチャと便器に響く豪快な音。

「夢子ちゃん、もしかしてお腹を壊してるの?」
「げほっげほっ・・・し、神綺様・・・んうっ!」
ブボッ! ブビュウウビビチイイイィィィ!

夢子が嘔吐していることに気がついたその時、夢子も神綺の存在に気がついた。
しかしそれと同時に彼女の足元から激しい音が響き、床についている膝の間に茶色の液体がボタボタと音を立てて落ちてきた。

「申し訳ございません・・・私と・・・私としたことが・・・」
「夢子ちゃん・・・」

夢子のスカートと下着は神綺以上にひどい有様で、茶色の汚物にまみれて悪臭をともなっていた。
先ほどの自分と同じ有様に神綺は声をかけることができず、夢子の足元に広がる下痢便の水溜りを見ることしかできなかった。



実は神綺が昼食の際に取り出した肉は傷んでおり、風邪によって鼻が詰まっていた二人には臭いでの識別がろくにできなかった。
そして食べてる時も鼻詰まりによって味覚が完全にはっきりせず、その結果傷んだ肉は二人の体内に入って食中毒を引き起こしてしまったのである。
・・・という事実を知るのは、後に二人が永遠亭に搬送されてからだった。
今回は久々の神綺様、そして怪綺談の夢子です。
魔界の神様とメイドさんのお漏らし・・・たまらないのですが少しやりすぎてしまったような気がします。

タイトルは下痢繋がりで二年前にやった企画を思い出して、それになぞらせたものです。決して企画ではないです。
ちなみにこの事件にたまたま遭遇し、永遠亭に連絡した人物がいますが、それが誰かは今は内緒です。いずれ明かすかも。
ぐう
http://www.pixiv.net/member.php?id=1295155
作品情報
作品集:
29
投稿日時:
2011/11/26 13:51:39
更新日時:
2011/11/27 08:50:32
分類
神綺
夢子
ゲロ
スカトロ
お漏らし
※企画ではありません
1. NutsIn先任曹長 ■2011/11/26 23:25:41
ひ、ひでぇ!! 何、この惨劇!!
性質の悪いインフルエンザかと思ったら食中毒とは……!!
てっきり魔界中でパンデミックが起きるかと思いましたよ。

永遠亭に通報した人がいなかったら、この二人は世にも惨めな死に方をするところでしたね。
この二人の恩人、昼食の残りとか、家にあるものを口にしていなければ良いですが……。

私は花粉症で鼻炎の状態で、練り山葵をうっかりひと塊食べてしまい、あの世とやらを見たことがあります。
2. ぐう ■2011/12/14 09:25:12
>先任曹長さん
うちの職場でも先日食中毒が発生しました。この時期も油断なりません。
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