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『妖気転生』 作者: 錨んぐ

妖気転生

作品集: 30 投稿日時: 2012/03/29 15:12:16 更新日時: 2012/03/30 00:22:59
「まだ死にたくない〜」
「まっ、諦めなさい。こういう運命だったのよ」
この時、一匹の妖怪の命が消えようとしていた。巫女がとどめをさそうとした瞬間、妖怪は目を瞑った。しかしいつまで経っても痛みは来ない。服の背中の辺りから吊り上げられている様な感覚があった。どうしたのだろうか。妖怪は恐る恐る目を開いた。
「!?」
妖怪は空を飛んでいた。というよりも妖怪は誰かに運ばれていた。妖怪はその誰かに話しかけた。
「た、助けてくれたの?」
するとその少女は
「目の前でやられる所を見てしまうと気分悪いからね」
と少し笑いながら言った。その少女は背中には蝙の様な翼を生やし、金色の髪に大きな赤いリボンを付けていた。更に頬に赤い星のタトゥーを入れており、星型のステッキを持ち片手で妖怪を持ち上げ、物凄い速さで飛んでいた。
「ありがとう…」
妖怪は少女に感謝した。暫くすると森の奥地に着いた。
「そういえば名前言って無かったわね。私はエリス。宜しくね。」
エリスと名乗った少女は状況が落ち着いたからか、自己紹介を始めた。
「私はオレンジ…」
妖怪はオレンジといった。
「オレンジ…素敵な名前ね」
微笑むエリス。するとそれに続けてエリスはオレンジに言った。
「ところでオレンジ。あなた、さっきの巫女に復讐したくない?」
「えっ!」
オレンジは思わず声をあげた。無理も無い。ついさっきその巫女に殺されかけたのだから。
「自信ないの?」
エリスは心配そうな顔をし、オレンジを見つめる。
「私じゃ無理よ。あなたが行っても倒せないかもしれない。」
そんなことを言った後オレンジは溜め息をついた。するとエリスが自信満々に話し始めた。
「大丈夫よ。私のぱわ〜を分けてあげる。私のぱわ〜を得た者は絶対に最強の力を手に入れられるわ。」
しかし助けてくれたとはいえ、このエリスという少女がそんなことができるのかと失礼ながら疑うオレンジ。だがエリスは迷うことなく、そのぱわ〜をオレンジに流しこんだようだ。
「はい、おっけえ。」
「え?」
「あなたは最強のぱわ〜を手に入れたわ。この世界なんか一瞬で滅ぼせるようなぱわ〜をね。」
たしかにオレンジは力が漲ってきたのがわかった。するとまたエリスが言う。
「ただし、今使ったら駄目。巫女は1日経ったら帰ってくると思うから、その時復讐すれば良いと思うわ。」
「あ、ありがとう…エリス………さん…」
「エリスで良いわよ」
照れながら笑うエリス。
「それじゃ頑張って。」
そう言うとエリスは物凄い速さでその場を去った。
翌日。オレンジは巫女に決闘を挑んだ。
「あんた誰だっけ」
「オレンジよ!!昨日あんたに殺されかけた妖怪!!」
「あーそんなのいたわね」
「私は今最強のぱわ〜を手に入れたわ!!」
「それはおめでたい。おめでとう」
「ありがとう」
真顔であしらう巫女。もはや呆れていた。
「いくわよっ!」
オレンジが巫女に飛びかかった。だがその瞬間、巫女はオレンジの懐目掛けて蹴りを入れた。
「あぐっ!」
オレンジはその場に倒れこんだ。
「最強のぱわ〜ってこんなに弱いのねぇ」
巫女はもはやオレンジを相手にしていない様子だった。
「これ以上痛い目見たくなかったらとっとと帰ることね。」
巫女はそう言ったがオレンジは諦めなかった。
だが、しぶといのと諦めの悪いのは違った。最後にオレンジは巫女の攻撃で思いっきり吹っ飛んだ。
「あんなのが最強じゃ私は何なのかしら?」
巫女が池にいる亀に訊く。
「最凶でしょう」
亀はテキトーに答えといた。





「う…うう…」
吹っ飛ばされ、もはや死にかけているオレンジにまたもやあの少女が来た。
「あらあら、大丈夫?まさか最強のぱわ〜なんて手に入ると思ったの?」
「騙…した…の…ね」
「そうよ」
オレンジは睨みつけたがエリスはそれを笑って返す
「酷…い」
「あら、褒め言葉ありがとう。」
オレンジが必死に言ってもエリスは小馬鹿にするばかりであった。だが、エリスは突然ポンと手を叩き、オレンジに言った。
「あなた、転生って知ってる?」






その後、エリスは五つの目玉に睨まれていた。
「どうしてこんなことをしたかって?あいつが惨めだったからよ。あまりにも間抜け過ぎたから情けをかけて転生させちゃった。ごめんね〜。」
五つの目玉はエリスをまだ睨みつけていた。
「どうせあんなところいつでも滅ぼせるから良いでしょ?」
五つの目玉は仕方無く許すことにした。
こうしてオレンジは美鈴になりましたとさ
錨んぐ
作品情報
作品集:
30
投稿日時:
2012/03/29 15:12:16
更新日時:
2012/03/30 00:22:59
分類
オレンジ
エリス
旧作
1. 名無し ■2012/04/03 01:29:03
たくさん作品を書いてなれるしかないな!頑張れ!
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