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『拷問2』 作者: ぼく

拷問2

作品集: 30 投稿日時: 2012/05/17 05:07:42 更新日時: 2012/05/17 14:10:47
この作品は、拷問の続きになります。













どれくらいの時間がたっただろう。光の差さないこの地下牢では、今が何時なのはおろか、朝なのか夜なのかさえわかりやしない。
パチュリー・ノーレッジに監禁されて丸一日が経った。



状況を確認したい。紅魔館じゃない知らない地の地下牢に監禁されている。私以外には、フランと咲夜と美鈴。
昨日の時点で美鈴が重傷を負ったが…流石は妖怪。焼けただれた耳は殆ど元に戻っており、全身の皮膚も戻っている。只左耳は鋳鉄に塞がれているので聞こえないようだ。それから、胸。皮が削がれて脂肪が露出していたそこは、歪に歪んだ新しい肌で覆われてはいるものの、明らかに色、質感等の違うそれは痛々しく目立っている。
昨日は薬のせいで目を醒まさなかった咲夜は先程目を醒ました。狼狽え、混乱していたけれど「あのパチュリー様が、」と涙ぐむ彼女も、私とフランの話を聞いて、美鈴の姿を見て、きちんと理解したようだった。
フランは目を醒ましてから美鈴の心配を一通りしてから、その回復の早さに驚き、安堵していた。
出されたお弁当には手をつけていない。よくよく考えれば、これにわけの解らない薬が入っていることなんて十二分に有り得る。

全員が落ち着いた所でなんとか逃げる方法を考えようとしたとき。
靴の音が聞こえた。

かつん、かつん、と踵が地面を蹴る音が。段々大きくなってくる。このクソ女。なんて軽やかな足音だろうか。心の底から楽しんでるんだ。


「おはよう、レミィ。よく眠れた?」
「………。」
「あら、無視?あ、咲夜も起きたのね。良かった、ふふふ」
「………パチュリー様、こんなことはお止めになってください。第一なんでこんな……」
そうだ。まだ理由を聞いていない。なにがパチェを突き動かしているのか。
「内緒よ。」
冷たく残酷な声。がらがらと私のなかの何かが音を立てて崩れる。


「さあ、そんなことより始めましょう、今日はね、フラン。貴女よ」
部屋の隅で丸くなっていた愛しい妹。フランをパチェの指先が捉える。指されたフランの赤い瞳が見開かれ、口が開く。
「い、嫌よ、絶対嫌!!!」
昨日は鬼気とパチェに刃向かったフランであったが、美鈴の件を目の前で見て以来、人が変わったように大人しくなっていた。トラウマになっているらしい。それにしてもどういうつもりなのか。昨日は美鈴。今日はフラン。一日一人なのか。何日監禁するつもりなんだ。全てこいつの気分次第なんだろうか。


「フラン。さあて……」
パチェは奥に置いてある手術台に目を付けた。それをがらがらと引いて部屋の中心に置くと、フランをその上に載せた。暴れているのに、抵抗しているのに、それはまるで赤子程度のようにすんなりとおさえこまれてしまう。永遠亭の薬。これはどれくらい効果が持続するもの何だろう。少なくとも丸一日経っても追加はされていないのだから、何時間で切れる類のものではないらしい。これは厄介だ。
そうこう考えているうちに、フランが手術台に完全に固定されてしまった。手術の真似事でもする気だろうか。


「ちょっと…何する気なの」
口調は強いが明らかに怯えた様子のフランに優しげに微笑むも、返事はせずに準備を着々と進めていく。手術台には何かの籠(ちょうど小鳥用の鳥籠くらいの大きさだ)に、深緑の布が被せてあるものと、大きめの茶碗。それから、電子レンジに似た機具。用途はわからない。


「これでOK。フラン。鼠をね、用意したの」
「鼠…?」
「そう、ほら」
パチェが布を浚い取る。深緑の下には、言葉の通りネズミが入っている。三匹のネズミは通常のそれより良く肥えてぷっくりと膨らんでいる。ネズミなんてどうするつもりだ。駄目だ、予測のつかない状況はさらに恐怖心を駆り立てる。


「これをね、こうするのよ」
おもむろに手を籠に突っ込む。ネズミの首の後ろをがしりと躊躇うことなく掴んでは手術台へ乗せる。躾られているのか、鼠には逃げるそぶりはない。三匹とも出してしまうと籠を丁寧な所作で足元へ置く。


「ひ…っ」
次にパチェはフランの衣服に手をかける。スカートを脱がせて下半身は下着一枚に。ひんやりとした地下の空気にいきなり晒されて、フランが短く声をあげるが気にしないようだ。スカートを畳んで、先程と同じ様に足元へ。上半身は脱がせることなく、胸の下くらいまで捲り上げた。何をされるか解らない恐怖。私ですらおかしくなりそうな緊張感。フランが泣き出す。
「もうやめて…怖いよお…っ、」
聞こえているのか聞こえていないのか。パチェは手を休めようともしない。露出する腹部を指先で撫で始める。
「綺麗なおなかね。」
フランの腹部は雪のように真っ白で滑らかで、傷一つ無いそこは呼吸に合わせて膨らんだり戻ったりを繰り返す。真ん中より下に浅い窪みがあって、そこへ指先を当ててみる。
「っん、」
くすぐったいのか小さく声が漏れ、少し身体が捩れた気がする。それを確認してから、そこへ鼠を三匹置く。それを隠すように、ひっくり返した大きめの茶碗を被せる。
「嫌、気持ち悪い!中で歩き回って…ひいい…っ!」
パチェは作業を続ける。置いていた電子レンジのようなもののなかからトングで何かを取り出して茶碗の上へ積む。ひとつ。またひとつ。
五つほど積んで、トングを置き、その場から一歩離れた。よく見てみる。石だ。石が五つ。見た限り何の変哲も無いように見える。おもしにするためだろうか。

暫く黙って見ていた彼女が、漸く口を開く───


「そろそろね」


にいっと口角がつり上がる。彼女のその表情にぞくりと背筋が凍る。その時。


「い、や、痛い!やめて、なに、痛いい!」
フランが声を上げはじめる。

「始まったわね!」
「嫌あああ!熱い!痛いいいいい!!!」

手を頬に当て、うっとりとした表情で様子を見つめているパチェ。腹部の茶碗からはきいきい、とかヂューッだとかチッチッだとか、ネズミの鳴き声らしき音がしきりに聞こえてくる。あの茶碗の中はどうなっているんだろうか。何にせよ今の私達は蚊帳の外で、あいつはフランしか見ていない。
盗み見るように隣を見てみる。
美鈴は冷や汗を尋常じゃない程垂らし、行為を食い入るように見ている。
咲夜は何かぶつぶつ呟いている。「まさか…まさか」と聞こえる。何かわかるんだろうか。


「咲夜」
小さくぽつりと言うつもりが、ひっくり返ったような不自然な声になって口から出る。びくりと咲夜の肩が震えて此方を向く。泣き出しそうな、崩れた表情。

「お嬢様……」

「あれは、なんなの」
頬がひきつる。この間にも絶え間ないフランの悲鳴は鼓膜に無理矢理入ってくる。


「あれは……昔の拷問のひとつで…」

拷問。

「ああして熱した石を上に置くことで……熱から逃げようとする鼠が」

ああ、ききたくない。



「妹様のお腹を破いているのです」


「ぎゃあああああぁぁああああああああああああああッッ!!!痛い!!!おねえざまああああああああああああああああああああ!!!私のおながに″ッッッ!!!嫌あああぁァああぁあぁああああぁ″!!!」

耳を塞ぎたくなるような悲鳴。フランの腹部は今、ネズミ達に食い破られているのだ。あの狭い茶碗で三匹のネズミが、少しでも熱から遠ざかるために。真っ白で可愛らしい柔肌を、その前歯で噛み、千切り、奥へと。

「もうやめてパチェ!!!お願いよ、やめてええ!!!」
無意識に声が出ていた。パチェはこちらをちらりと見てくすりと笑うと、再びフランに向き直って近付いて、トングで一つずつ石を除ける。続いて茶碗を鍋つかみで除ける。先ずは、血が溢れる。どぽりと吐き出された血液は、真っ白な手術台を赤く染めて、更には床へ流れおちる。ネズミを摘む。頭の後ろを摘まれたネズミは、只の赤い塊だ。長めの尾がゆらりと揺れ、そこから滴る血は点々と地面を汚す。一匹ずつ丁寧に。フランの血液を体中に浴びたネズミは手術台に一匹、また一匹と並べられる。傷口が見える。真っ赤に染まった腹部。剥けた薄皮と抉れる肉。歯を噛んで耐える妹の姿。


「あら、案外浅いじゃない。」

じっくりと傷口を眺めてぽつりと呟く。
「もっと、深くまで抉れる計算だったのに。レミィが直ぐに止めるからだわ、全く。」
不満そうな様子の彼女。早く、終われ。フランの近くに行ってやりたい。早く。


「ふふふ。」
私達の表情を見回した後、パチェは問う。
「やめて欲しい?」
フランの首が動く。かくかくとぎこちなく動く。
「どうしようかしら。…じゃあ、そうねえ」
パチェの瞳が、視線がきょろり、と此方を舐めまわす。次は、何を言い出すの。


「じゃあ、ゲームをしましょう。」

「ゲーム…?」
「そうよ。誰にしようかしら。…やっぱり咲夜ね。咲夜。あなた今すぐナイフで爪を剥ぎなさい。」
パチェが近付いてきて、咲夜の手の縄を解く。「変なまねしたらフランを殺すから。ついでに貴女のお嬢様もね。」と前置いてから、ナイフを手渡す。咲夜は戸惑っている。


「10枚の爪。10分以内に剥げなかった数だけフランのお腹をそれで刺す。…まあそれでも死ぬことはないだろうけど。明日になったらある程度治るでしょうし」
「私が…全て剥いだら、妹様には…」
「ええ、今日はこれで終わりにしてあげるわ。」
「…わかり、ました」
「ただし」
パチェが懐から同じナイフを取り出す。


「遅いのは嫌なの。興醒めはまっぴらよ。だから……一分ごとに一回刺していくわ。。これで急いでくれるでしょ?」
「な…っ!」
咲夜の顔が青ざめる。頭の中で冷静に計算。60秒。フランを一度も刺されず助けるには、一枚6秒ペースで剥がなくてはならない。無理だ。自分で爪を剥ぐなんて、どれほど屈強な精神でもキツい。


「いいわね?始めるわよ?」
フランが怯えている。目の前の女は笑っている。

私の隣で美鈴が咲夜の名前を何度も呟く。

「始め。」

咲夜が決意したように息を深く吸い、ナイフの刃を左の人差し指とその爪の間に添える。そしてそのまま、力任せに押し込み、めくる。ブチィッと嫌な音がして爪が剥がれ落ちる。

「…ーい、さーん、よ…あら、早い。」
「ふぐうぅぅっ!!!」
じわりと血が溢れ出てくる。ジクジクと指先から耐え難い痛みと、痺れに似た刺激。しかし怯むことなく二枚目にかかる。中指の爪の間に無理矢理押し込み、ひっくり返すように捲り上げる。今度はバリッと音がする。

「うううぅ!!っっ!」
うずくまる咲夜。それを嘲笑うかのようにカウントは続く。
「じゅういーち。じゅうにー。じゅうさーん。」
「やります!やりますから…っ」
ぽたり、またぽたり。声が出ない。咲夜が傷付いているのに、声が出ない。こんなときに、「明日は私だろうか、」なんて頭を過ぎってしまう。私は最低だ。姉として、主人として。


「にじゅうはーち、にじゅうくー、さんじゅー。」

「ふー…ッふー……い、もうとさま。咲夜はやり遂げてみせます…!!!」
四枚目の爪が剥がれる。正直、物凄いペースだ。咲夜の膝が砕けてへたりと腰が落ちる。それを見た、フランは。
「ちょっと、早く…!咲夜、早くしなさいよ!!嫌よ、おなかがえぐれてるのよ!?これ以上…絶対嫌ああぁ……」
錯乱している。咲夜の気持ちを考えられないほどに。


「さんじゅうはーち、さんじゅうくー、」
「早く…早く…」
「四十。」
「さ、くや……?」
咲夜は目から大粒の涙を流して、がたがた震える手で左手の親指にナイフを押し当てる。最早、彼女には忠誠心だけだろう。ブシュッと噴き出す血液。しかし。段々と力をなくす右手では、一度で捲りきることはできなくなった。


「あ、ああぁぁあああ………」

そんな咲夜にとうとう、フランが罵声を浴びせ始める。
「何してるのよ!捲れてないじゃない!ああもうのろま!はやくやりなさい、命令よ!!!それともお姉様の命令じゃなかったら聞けないっていうの!?早くやりなさいよ!!!!」


「ごじゅうはち。ごじゅうく。………六十。」
「や!?やだ、嫌嫌嫌嫌!!」

「一回ね」
ずぶり。短いナイフの切っ先が、フランの血まみれの腹部に沈む。沈んだ瞬間に抜く。ぐぽりと内側から鮮血が追ってくる。

「やああぁぁあ″ああああぁぁあ″ぁあ″ああぁああああああああああああああああぁぁあ″あ″ああ″!!!!!ざぐやぁあああぁああああぁぁあ″っ!!!!!!」
「ごめんなさい妹様あぁぁ……!」

ナイフを持ち替えて、左手に。全ての爪を剥いだ後の左手は上手く力が入ってくれない。爪の間に深く差し込めないのでナイフの先で地道にえぐり取る。
凄まじい痛みであることは容易に想像できる。それでも。フランの罵倒を受けながらも、健気に作業を続ける。この拷問に選ばれたのが私なら、同じ事が出来ただろうか。


「百二十。」
「ぁ″あぁあ″!!!!グズ!!何してるのよおお″おおお!!!あがっ、あ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

ニ度目の執行。フランの怒りの矛先は完全に咲夜にすり替わっている。
咲夜は咲夜で、悪いのは自分だと信じて疑わず、八枚目の爪を抉り取った。
指先が脈打つ。九度目となっても一向に慣れない突き刺すような痛み。びくんびくんと痙攣が止まらない。やらないと、やらないと。無情に時間が過ぎていく。


十枚目。
カウントは二百三十。フランは既に三回刺されている。あと十秒で、もう一回。咲夜が最後の爪へ手をかける。

「ああああああああ!!!!」
ぶちり。

奇声と共に、引きちぎるように無理矢理剥ぎ取る。乱暴に、貪るように。
カウントが、止まる。


「にひゃくよんじゅうよん。ふふ。もう一回ね。」
「え、」

どすり。

「え、なんで、あ、ああああああああううぅう″!!!!!!!!!」


「惜しかったわね。もうちょっとだったのに。」
それを刺したまま、柄を指先でぱちんと弾く。フランが「う″、」と籠もった声を出す。

「さあ。今日はこれでおしまいよ、楽しんでくれたかしら。ふふふ…」
パチェはそういうとあっさりとフランを手術台からおろし、手足をきっちりと縛りなおしては手術台をがらがらともとの場所に戻し、ネズミの入った籠を持って牢を出て行った。かつんかつんという足音が遠ざかっていく。急に訪れた静けさに、力がぬけてどさりと倒れこむ。残ったのは、今日もまたあの一つの弁当。全員が虚ろな目でおのおのどこかを見つめている。
そのまま暫く誰も喋ることなく、放心状態で居るのだった。










また、今日が、終わった。









二日目
終了

死亡者、なし
本日の負傷者、十六夜咲夜、フランドール・スカーレット
ぼくですぼくぼく。

続きをかいてみました。
あんまりぐろくならなかった…あれ。

コメント嬉しいです、はげみになります。
なんでもいいからコメくれたら嬉しいですにやにやします。
ぼく
作品情報
作品集:
30
投稿日時:
2012/05/17 05:07:42
更新日時:
2012/05/17 14:10:47
分類
紅魔館
爪剥ぎ
1. ハモン ■2012/05/17 17:33:09
フラン・・・あまり咲夜を責めないで・・・
2. 名無し ■2012/05/17 21:19:31
あったね、ネズミの拷問。
これをネコでやった恐怖小説があるんだけど、あれにしてもこれにしても説明が実におぞましいわぁい。
3. 名無し ■2012/05/17 22:07:13
すばらしい。
続きも期待してます。
4. 名無し ■2012/05/18 10:41:16
咲夜の爪は再生せんのだぞ…
5. 名無し ■2012/05/18 20:55:29
とりあえずもやしね
6. 名無し ■2012/05/22 21:39:22
爪剥ぎ、イタイ、イタイ。
咲夜がこの後、自分では何も出来なくなるが大丈夫か?
7. ドラゴンクレイン ■2012/09/14 22:08:37
いや〜、面白いですね〜
8. 名無し ■2013/03/31 01:48:03
フラン死ねよ
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