幻想郷、緑に染まる 〜1〜

作品集: 30 投稿日時: 2012/06/17 23:28:54 更新日時: 2012/06/17 23:28:54
妖怪の山〜犬走椛宅

「……どうしてあなたがここへ?」

「えへへ〜この前の“例のブツ”をとりにきました」

「“例のブツ”…?」

椛は眉をひそめたが、すぐに「ああ」と言って、部屋の奥へと走っていった

「これですね?」

椛が差し出したものは「突撃!古明寺さとり」と書かれた資料であった

「そうそう、それですよ。私ったら椛に預けたまんまで……」

文の言う“例のブツ”とはこれのことだったのである

「はぁ…受け取ったのなら早く帰っていただけますか?」

「あやや…椛は冷たいですね〜」

「ふん」

「どうです?私の家で一緒に新聞でも書きませんか?」

「お断りします」

「あ〜あ、残念ですねえ。……今日の新聞は椛の裸体特集にでもしようかな?」

「!?待ってください!」

「そうと決まれば頑張りますよ」

「行きます!文さんの家に!そして新聞作りに協力させていただきます!」

「……さっすが椛〜♪さあ!早く」

「はいはい」

二人は文の家へ向かった



「チッ……許さない許さない許さない許さない殺してやる殺してやる殺してやる…」

一対の緑に染まった瞳が二人を睨んでいた






「ふう…やっと終わりましたね」

「文さん…休憩が長過ぎませんか?」

「質のある記事を書くには労力が必要なのですよ」

「はあ…とりあえず、私は帰りますね」

会話が長く続きそうだったので適当に相槌を打っておいた

「…送ってさしあげましょうか?」

「いえ、結構です」

「ねえ、椛…」

「なんですk

「チュッ」……!?」

振り向いた椛を受け止めたのは、文の唇だつた

「また、来てくださいね……?」

艶やかな唇、うるうるとした瞳

「〜〜〜っ//////もう知りませんからっ」

椛は文の家を飛び出した

「あやや…ちょいと刺激が強過ぎましたかね?」






「あのビッチ鴉天狗め……」

そんな言葉とは裏腹に、椛の頬は桃色に染まっていた


「二度とあんな場所…行くもんですか………ッ!?」

椛は後方に気配を感じた









「誰、ですか……?(ヤバい、今は武器を持ってないのに…)」


ガッ

何か固いもので殴られた椛は、意識を手放した



気絶する直前、椛は緑色に輝く瞳を見た

「水橋…パルスィ……?」







「あらら…私じゃないのだけど」

本人__水橋パルスィはそう呟いた





〜数日前〜


地底で楽しそうにはしゃぐ射命丸文と犬走椛を“それ”は羨望の目で見ていた

「下っ端のクセに……」


「あら、嫉妬ほど醜いものはないわ。…はたてさん?」

「誰…?」

「下賤な地底妖怪の水橋パルスィよ」

「水橋パルスィ……?あっ」

はたてはその名前に聞き覚えがあった
数ヶ月前の間欠泉異変の際、紅白巫女や白黒魔法使いの行く手を阻んだ……と、文が言っていた

何でも嫉妬の妖怪だとか


「嫉妬は醜いって……アンタ、嫉妬の妖怪でしょ?」

「はあ…その知識が妬ましいわ。……そう、嫉妬は醜いの。だから嫉妬の妖怪である私も醜いの」

「……何よ気持ち悪い…」

「そう、私は気持ちの悪い、下賤な下賤な嫉妬の妖怪」


無表情で淡々と話すパルスィを見て、はたては恐怖を感じた
そして、これ以上この妖怪には関わらない方がいいと思った

「…私、急いでいるの!」

「何で?」

「早く家に帰らなきゃ」

「どうして?」

「新聞早く書かなきゃ…」

「何の為に?」

「…書かないと文に馬鹿にされるから」

「そんなもの放っておけばいいでしょう?」

「だって、無視したら文に嫌われちゃう」

「さっきそんな文さんと一緒にいたのは誰?」

「犬走椛……」

「あなたはそんな椛さんのことが?」

「大嫌い」

「どうして?」

「私の文にベタベタして…下っ端のクセに、犬っころのクセに……ずるい。
ずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるいずるい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい!!
殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!!」

そう言ったはたての瞳は深い深い緑色に染まっていた


「(嫉妬に堕ちたようね)」

「取り返さなきゃ……文を、犬走椛から……早く、早く……っ」

はたては走って地底の入り口に向かっていった


「殺さない程度にね……後々私が殺されるかもだから」

その言葉とは裏腹に、パルスィの顔は笑みでおぞましく、歪んでいた

-end-
久しぶりのこれです。
中途半端なところで終わってしまって申し訳ないです。
次回は恐らくバイオレンスシーンから始まります。
シオン
作品情報
作品集:
30
投稿日時:
2012/06/17 23:28:54
更新日時:
2012/06/17 23:28:54
分類
パルスィ
はたて
嫉妬
1. johnnytirst ■2012/06/17 23:42:38
ぱるちゃんさすがやでぇ。おぞましい。
2. NutsIn先任曹長 ■2012/06/18 00:09:36
嫉妬の炎は、自分自身も燃やし尽くす事を厭わないようですね。
自滅思考の相手は大変だ。文字通り、手を焼く。
3. box ■2012/06/18 06:31:41
嫉妬ってのは感染してくものですからね
下手な病気より始末が悪い
自分で手を下さないパルスィまじパルパル
4. シオン ■2012/06/20 00:54:08
≫1.Johnnytirstさん
ぱるちゃんにとって「おぞましい」は褒め言葉なのです。ああおぞましい。

≫2.NutsIn先任曹長さん
そうです。憎い相手をどうにかできれば……
嫉妬の炎ならもこたんの炎にも太刀打ちできそうですね!

≫3.boxさん
そういう面ではヤマメに似てる…気がします。
実質パルスィは「殺ったら?」的なことを一言も言ってないんですよねー
煽るだけのスペシャリストかもです。
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