私は剣術指南役なのにいつも階段掃除、これってパワハラですよね幽々子様訴えますよ。

「妖夢は何で言ったことが覚えられないの？」

「幽々子様もうしわけありません。本当に覚えられないんです」

「馬鹿なんじゃないの？」

「……努力しています」

「努力？　なに？　それで、努力しているの？　妖夢は本当に馬鹿なのね」

「違うんです。馬鹿じゃないんです」

「じゃあ何？　私の教え方が悪いの？」

「あ、いえ。……幽々子様が悪いんじゃありません」

「そうなの？　でもね、あなたが覚えられることなんて何にもない」

「それは、私が半人半霊だからです」

「言い訳なんてしないで、あなたはくずなのよ。あなたのかわりなんていくらでもいるのよ。幻想郷だし、もっとちゃんしたこっくさんがいるわ」

「…………それって、パワハラです」

「ぱわはら？　それ、美味しいの？」

　最近、幽々子は妖夢にきつく当たるようになった。全部、妖夢のせいだ。幽々子様の教えたこと、言ったことが妖夢は覚えられないできない。

　始めは熱心に教育指導していた幽々子だったが、最近はあきらめていつも自分の指を貸していたのだった。そう、妖夢は8より多い数字が数えられないのだった。

「パワハラ、パワーハラスメントの略です」

「……知ってるわ。判ってて言ってるのよ」

「だいたい、数字なんて8数えられるだけ上等じゃないですか」

「お風呂は、ひゃく数えてからでるのよ」

「……卑屈です。パワハラなんて卑屈で卑怯な行いです」

「妖夢の大好きなかっぷらうめんも食べれない」

「私はお湯を入れない主義なんで関係ありません」


　実際、これがパワハラになるのかというと、本人の持っている能力よりも膨大なことを要求しているので、パワハラだ。


「だいたい、どこでそんな言葉を覚えてきたの？」

「幽々子様が寝床で紫様と語っているのを聞きました」

「意味は何処で理解したの？」

「中日辞典です」

「よかった。日仏辞典じゃないのね」

　危ないところだった。日仏辞典には、幽々子が秘かに隠しているレミリアの生写真が隠してあった。ばれたら、妖夢を口封じしなくてはならない。　
　
　白玉楼には、中日辞典はごまんとあるからパワハラについてもどこかに載っていたのだろうと、幽々子は推測した。


「とにかく、幽々子様はパワハラなんです」

「……いや、確かにね。言うこと聞かないから小指を詰めたのはぱわはらだけどね」

「今更、遅いです。私は裁判起こします。人形裁判とかそんなんじゃないです。刑事訴訟です」



　妖夢は身を翻し、白玉楼を後にしたのだった。




　　



「そういうことがあったんです。パチュリーさん」
「う〜ん、確かにパワハラね。虐待な気もするけど」


　パチュリーは、何かを確かめた後に、静かに開いていた世界地図をたたんでこたえた。

　妖夢は、その後弁護士のパチュリーに相談したのだった。パチュリーは暇だったので、司法試験を受験して見事合格、弁護士になっていたのだった。

「私、裁判起こそうと思うんです」

「え？　するの裁判」
　
「私の心は幽々子様でボロボロです。許せません」

「う〜ん、もう少し考えてからの方が良いと思うわ。後で後悔するかも知れないわ」

「……私の心はもうきまっているんですが、仕方ないですね。今日は、ここまで似しておきます。明日また来ます。多分、気持ちは変わりませんから裁判の準備しておいてください」

「判ったわ。準備だけはしておくわ。じゃあ、今日の相談料5000円頂戴」

「え？　5000円？　それって、8円が何個分ですか？」

「……妖夢。あなたは、本当馬鹿だわ」

「それって、侮辱罪です」


　妖夢は5000円札を、ダンと机に置いて走って去っていった。





「そういうことがあって、二人を訴えに来ました。映姫さん裁判してください」

「いや、まあ二人とも黒だけどね」

「じゃあ、二人を罰してください」

「私も、多忙なんです帰って下さい」

　こうして、妖夢は誰にも相手にされずうつ病になってしまった。妖夢は何も判っていない。パチュリーや映姫に妖夢が迷惑かけた後、幽々子が恥を忍んで謝罪しに行ってることをしらない。

　ただ、自分が死ねば、パワハラが合ったと親族が裁判を起こしてくれと思い白いロープを買ったのだった。