雪風吹き荒れる人里の一角をレティが散歩していた。
そこに、そんな寒気も吹き飛ばさんばかりに熱を帯びた二人の男達が火花をバチバチ散らしながら走っていた。海上保安官(左)「いいかげんに認めろ!ハチミツが美味しいに決まっている!!」
海上自衛官(右)「生憎、こればかりは自分の主張は曲げないもんでね!!そっちこそコーヒーと認めたらどうだ!」
レティ(あら、随分と暑苦しい人間がいたものね。しかもあんな薄着で走り回っているなんて。一体何を言い争っているのかしら)
二人は何やら論議しながら走っている様子だった。
というのも、二人は幻想郷海上保安庁と幻想郷海上自衛隊に属している人間でひょんな事から『自分達船乗りのメシの定番であるカレーの隠し味に合うのは一体何か?』という論議で言い争いになり、それならばこの寒い時期に夏服を着てランニングをし、その後体調を崩さなかった方が勝ちという我慢対決をしたのだった。
……しかし、後日二人は仲良く風邪を引いて寝込んでしまったので、この勝負は引き分けとなったのであった。