知人が男の家に来て男が出かける度に、フランは知人と身体を重ねた。
愛されているという実感があった。 中にもいっぱいだしてもらった。 幸せだった。でも、この秘め事は長くは続かなかった。
行為の真っ最中に男は帰ってきた。 忘れ物でもしたのであろうか。
男は『それ』を見て激怒した。
男は知人を殴り殺した。
その時、フランは初めて実感した。
『私はこんなにもこの人に愛されていたんだ・・・。』
それから、フランは男に暴力を振るわれるようになった。
所詮、人間の力だから痛みは大したことは無いのだが・・・心が痛かった。
でも、此処から逃げだすわけにはいかない。
私がいなくなったら、この人はどうなってしまうのか・・・。
それに、この人の事も好きだから・・・・・。
フランは耐えた。
やがて、フランのお腹の中に命が宿った。
知人の子供である。
『あの人の思い出のモノはもうない・・・この人が全て処分したから・・・。
だから・・・私はこのコを産みたい・・・。』