まだ幻覚から覚めない。
首チョンパされたフランちゃんがイラマチオをキめられてる幻覚が覚めない。もう一回目を閉じよう。
大丈夫、大丈夫、次は大丈夫。なんか良くわからないけど、そんな気がしてきた。
あー駄目だ、またドキドキしてきた。幻覚とはいえ、フランちゃんのショッキングな姿になったのを見ちゃったから精神的ダメージが半端無い。落ち着こう、落ち着こう。
目を開けて真実を確認するのは精神統一が終わってから、でないとまた幻覚に呑まれちゃう。
目の前にいるのは元気に微笑むフランちゃんしかいないのだから、あんな無惨な目に遭うフランちゃんなんているハズない。
だから生首フランちゃんなんているわけない。
こうして目を閉じてる間は元気なフランちゃんと悲惨な姿のフランちゃんが存在するシュレディンガーのフランちゃん状態だけど、目を開けた時にいるのは元気な姿のフランちゃんに決まっている。
体験版で絵が保存されないということは、あんな姿になってるフランちゃんはこの世のどこにも存在しないのだから。
しかしあの幻覚は生々しかった、固まった血のドス黒さとか、裏返りそうなほど上を向いた眼球とその隙間からナメクジのように伝う血、切断面からはみ出た神経や血管、ささくれた皮膚。血色の悪いお顔…
あーストップストップストップ。考えたら駄目。いけない。あれは幻覚なのだから。
鮮明に思い出しすぎて気持ちが悪くなった。
あれは幻覚、あれは幻覚、あれは幻覚………そう、あれは幻覚だった!
現実逃避? 違うよ。だってフランちゃんはいつも元気でニコニコ笑っているはずなのだから。
こうして目蓋を閉じていると、元気で健康的な姿のフランちゃんが次々と浮かんでくるよ。
さて、そろそろ想像じゃなくて、目の前にいる現実のフランちゃんを見てあげないと。
フランちゃんが、妄想してたフランちゃんに嫉妬しちゃう前に。
さーて、目を開けるぞ。しっかり精神集中。
念には念をいれて、心の中でフィボナッチ数を数えるんだ……よし。OK……OK、ちゃんと落ち着いた。
冷静になってる、よし、大丈夫、呼吸は正常、心拍数は基準値。
はい目を開けよう。
ん? ん? あれれれ? まだ幻覚から覚めない。
首チョンパされたフランちゃんがイラマチオをキめられてる幻覚が覚めない。もう一回目を閉じよう。