今この部屋には私一人。厳密には、チルノちゃんだったモノと二人だけど。動かなくなったそれを見て思い返せば、少し前までの私はチルノちゃんに対して幻想郷のクズどもにはない純真さを求めて一緒に生活していたように思う。
だから思いつきのいたずらでもくだらない遊びでも、私はチルノちゃんの振る舞いや笑顔を見れるだけで満足だと納得していた。
さっき慧音先生がチルノちゃんを意味不明な理由で殺そうとした時、私の頭の中でかけがえのない存在が失われるという焦燥感以上に、純真無垢な存在が理不尽に穢される快感が満ちていた。
チルノちゃんが絶命する寸前に何を考えていたのかと想像すると、なんだか興奮がおさまらない。後悔?慧音先生への憎悪?それともチルノちゃんのことだから現状を何一つ理解できなかったのかな?
思考の変遷があったけど結果から見れば私なんて所詮、チルノちゃんの良さに惹かれていたという建前を掲げ、本音では愛玩道具として見ていなかったように思う。
なぜなら友だちの死に対し、何をしても互いの関係が悪化しない好機と考えており、ここで夜な夜な寝床で考える行為を現実のものにしようとしているから。
今この部屋には私一人。厳密には、チルノちゃんだったモノと二人だけど。
「チ、チルノちゃん・・・」