そういえば、牛のレバーの生食が法律で禁止されるんだってねフランちゃん。
幻想郷では関係無いだろうけど、結構好きだったから禁止されちゃうと残念なんだ。
馬の刺身だって美味しいけれど、やっぱりちょっと違うよね。
それに馬は凍み大根、凍み豆腐と一緒に鍋にする方が好きなんだ。
フランちゃんは馬とか山羊とかは食べた事あるかな?
鴨や羊、鹿は結構貴族だから食べた事あるかも知れないね。
何が好きかなフランちゃんは?牛、豚、鶏、鳩、雉……ああ、そうだ、ワニなんかも結構美味しいんだよ。
やっぱりフランちゃんは吸血鬼だから人が好きかな?血を飲むのと肉を食べるのとじゃ別問題かな?
ああ、血と言えば、鹿肉を美味しく食べるにはそりゃあ色んな方法があるけれどシンプルに焼くのが好きなんだ。
岩塩を少し塗して炭火で焼いて、鹿の血をつけて食べるとこれが中々ワイルドな味でね。
如何にも肉を食ってるぞ!っていうパワーが体に沁み込んでくる感覚が味わえるんだ。
吸血鬼はきっとこの感覚のずっと強いのを人間の血で感じるんだろうね。ま、それは置いておいてさ。
そこの小汚い鞠は一体何をしてるんだろうね。
その、なんていうかな、猫・・・…とは認めたくない、猫耳つけた汚物だよ。
ネコミミフランちゃんの可愛さと比べると驚くよ。同じネコミミでこんなに差があるのかって。
細くてちょっと癖のある天使の様な悪魔の金髪、それからぴょこっと生えた三角形の柔らかい耳。
そのもふもふしてる耳毛の匂いを嗅いだら一週間はアッチの世界から帰って来れなくなっちゃいそうだね。
肋骨と肩甲骨がこんなにも魅惑的な曲線を描ける事を知っている人間はどれくらい居るんだろうね?
左右の鎖骨の交点がこんなにも幻惑的な陰影を作り出すのを見た事のある人間は一体?
いや、上げれば切が無いね。
芸術品と言っても過言ではない、というより芸術品フランちゃんの魅力を現すには言い足りないね。全く言い足りない。
半分になっちゃってるとしても、それを補って余りあるね。
片やその芸術品以上を食欲なんて薄汚い個人的な物を満たす為の壊してる丸。
お前だよお前。
フランちゃんの宝石箱みたいな腹腔を見る事が出来た、って一点でだけはお前に感謝するよ。
でもね、フランちゃん、泣いてるんだよ。鼻血垂らして。
これはさ、許せないよね、ちょっとさ。
……フゥーーーーーーーーーーーーー……
まぁなんというかさ、鞠、お前はもうポヨポヨどころかグチャグチャだね。グッチャグチャになる事が決定したね。
観察する意味も無くなるね。寧ろ観察しても何が何だか分からなくなるね。なるっていうか、するね、これから。
ああ、グチャグチャにする前に、最初は綺麗に解体しないとだね。
胃袋に入ってる素晴しい物は猫と合挽きにするには惜しいからね。
やっぱり最愛というからには味くらい知っておかなきゃならないよね。