ついでに妄想の方も───掃除の時間中───
暇だった。ただそれだけの理由で体育館裏に来た。
掃除の終わりまであと10分弱。ここで時間をつぶそうと、壁にもたれて座った。そして僕は、見たくもない光景を目の前にしてしまった。
そこには憧れの人が、いじめられている姿があった。ボロボロの彼女は、同じクラスの女の子だ。いつも窓際で校庭をながめ、学校が終わると一人で帰る。最近の女子には見られないおしとやかな子だった。
そんな彼女に、僕はひそかに好意を寄せていた。だが、その子は現に今、酷い状況下におかれていた。男子数人に囲まれ、痛々しいほどの暴行を浴びせられていたのだ。
彼女を見つめるその時間は、永遠に感じた。
その女の子が僕を見る。女の子の眼差しは助けを求めていた。不安を訴えていた。それに対して僕は何をした?いくつかの選択肢はあっただろう。今考えてもいくつか思いつく。
でも僕は、一番最悪な選択をした。見て見ぬふりをしてしまったのだ。
その場を去る自分。そんな自分に腹が立ち、それでも仕方ないさと慰める。
僕はその子よりも、自分の方が大切だったのだ。
その時に僕は理解した。僕は人間として、もっとも愚かなゴミ屑であるということを・・・
てな感じだったら本望